ナンヨウハギ<海水魚解説>

海水魚
海水魚

みなさんこんにちは、Tです。

今回ご紹介するのはナンヨウハギ。

ブルーの体色に黄色い尾の美しいニザダイの仲間です。
映画に登場したことで、名の知れた存在になった種類でもあります。

人気の魚種ですが飼育にはいくつかの押さえるべきポイントがあり、基本的な海水魚飼育を一通り経験した方におすすめです。

ナンヨウハギとは

生物学的情報
名前ナンヨウハギ
学名Paracanthurus hepatus
分類スズキ目二ザダイ科
食性植物食の強い雑食性
分布太平洋~インド洋
飼育要件
飼育しやすさ★★★☆☆
標準
入手しやすさ★★★★☆
そこそこ見かける
混泳しやすさ★★★☆☆
混泳可能
サンゴとの相性★★★☆☆
混泳可能
最大体長30cm程度
適正水温23~25℃
比重1.021~1.024
備考温和な種です

サンゴ礁に群れ泳ぐ、ポピュラーなニザダイの仲間です。

活発に泳ぎ回りますが性格は温和で、他魚を虐めることもあまりありません。温和な魚種となら混泳にも向いている魚種だと言えます。ただし、知名度と流通量の割に飼育難易度はやや高い部類に入ります。最終的にはサイズが大きくなります。終生飼育には大型水槽が必要となります。


有用なアイテム

おすすめの組み合わせは次の通りです。

水槽フィルター底床海水
60cm~上部、外部サンゴ砂植物性のフレーク、顆粒(沈下性)・海藻類人工海水

水質の安定のために、ライブロックの設置も有効です。

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人工海水で問題なく飼育可能です。比重は1.021~1.024程度が適正値です。
溶解量は水温によっても変化しますが、水1Lあたり約35gの溶解が目安となります。

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ナンヨウハギの飼育での注意点

ナンヨウハギの飼育を楽しむにあたっての注意事項や覚えておきたい事をご紹介します。

水槽サイズは成長を見越したものを用意

チャームでも取り扱いのあるナンヨウハギ。Sサイズでは最大約4cm、Mサイズでは最大約8cmの個体が販売されています。この時点では「そんなに大きな水槽を用意する必要があるの?」と思うかもしれません。しかし、ナンヨウハギは20~30cmほどにまで成長します。水槽を用意する時は、成長したナンヨウハギでも余裕がある水槽サイズを選択しましょう。

水質の変化に敏感

海水魚はサンゴに比べて多少の栄養塩の蓄積には強い傾向があります。しかし、多量な換水や水合わせを行わず導入するなどの急激な水質の変化には弱い一面があります。一度に多くの換水を行うのではなく、ろ過システムを併用しながら少量でこまめな換水を定期的に行うことをおすすめします。

白点病に注意

海水魚には「白点病に特に弱い種類」が存在します。この種類にナンヨウハギが該当します。他の海水魚に比べて特に白点病にかかりやすく、環境の変化やストレスで発症しがちです。念入りなトリートメント・観察を行ってから水槽に導入しましょう。

横たわる習性がある

ナンヨウハギには横たわって眠る習性があります。健康体にもかかわらず消灯後にナンヨウハギが横たわっていたら安眠しているサイン。最初は驚いてしまいますがそっとしておいてあげましょう。

ナンヨウハギのもう1つ習性として「死んだふりをする」ことが挙げられます。これは、一種の防衛本能による行動です。輸送時のストレスなどにより元気な個体でも到着時に死んだふりをすることがあります。死んでしまったと思って処分しないように気を付けましょう。
また、他の海水魚に比べ水質に敏感のため、導入先となる水槽の水質管理が適切でないとそのまま本当に死んでしまうこともあります。

死んだふりを見分けるには?

ナンヨウハギが死んだふりをすると水槽の底の方に横たわり動かなくなります。生きているかどうか確認したい時は割りばしなどを使って優しく体をつついてみましょう。生きていれば、エラがふわっと広がるなど何らかの反応を示します

毒のあるトゲを持つ

美しい色彩のナンヨウハギですが、ナンヨウハギが持つ毒針には気を付けなければなりません。ナンヨウハギは尾ビレの付け根の尾柄部(びへいぶ)に小さな毒針を備えています。この毒針は普段は尾柄部の溝に格納されておりあまり目立ちません。身の危険を感じると毒針を起こして防御態勢を取ります。
マリンアクアリウムではメンテナンス時などに素手を水槽に入れる機会も多いと思います。ナンヨウハギの毒針に刺されてしまわないよう、過度に刺激を与えるような行為は避けましょう。

毒針があるナンヨウハギを安全に扱うには?

尾びれの付け根、尾柄部に毒針を持つナンヨウハギを取り扱う時は、網ではなくプラケース等の容器を使用して飼育水ごと隔離しましょう。こうする事で毒針に刺されるリスクを格段に減少できます。


混泳について

魚との混泳

ナンヨウハギは温和なので、混泳可能な魚種は多いです。攻撃性を持たない魚種とであればほとんど混泳可能です。ただし、同種間では若干の小競り合いもするようです。

クマノミやテンジクダイ、ハゼやギンポの仲間などが相性が良いでしょう。

混泳相手混泳相性備考
ヤッコ・エンゼル
比較的トラブルの少ない組み合わせです。
極端にサイズ差がある場合は少し注意が必要です。
チョウチョウウオ・ツバメウオ
基本的に問題なく混泳可能です。
ハギ・ニダザイ
基本的に問題なく混泳可能です。
クマノミ
基本的に問題なく混泳可能です。
ハゼ・ゴビー
基本的に問題なく混泳可能です。
カエルウオ・ブレニー
基本的に問題なく混泳可能です。
ベラ
基本的に問題なく混泳可能です。
ハナダイ・ハナゴイ
基本的に問題なく混泳可能です。
ニセスズメ・バスレット
基本的に問題なく混泳可能です。
テンジクダイ
基本的に問題なく混泳可能です。
ジョーフィッシュ・サンゴアマダイ
ジョーフィッシュが神経質な性格をしています。
警戒して引きこもりがちになります。
フグ・カワハギ・モンガラ
基本的に問題なく混泳可能です。
ゴンベ・トラギス
ナンヨウハギが攻撃される可能性があります。
アナゴ・ウツボ
×ナンヨウハギが捕食される可能性があります。
チンアナゴ
チンアナゴが神経質な性格をしています。
警戒して引きこもりがちになります。
マンダリン・スクーター
マンダリンが神経質な性格をしています。
エサが行き渡らないと、痩せてしまいやすいです。
タツ・ヨウジウオ
×ブラインシュリンプ幼生など微小な生き餌を専食します。
食性が合いません。
カエルアンコウ・カサゴ
×ナンヨウハギが捕食される可能性があります。
エイ・サメ
×ナンヨウハギが捕食される可能性があります。
ナンヨウハギの混泳相性表
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。

サンゴ水槽との相性

ナンヨウハギとサンゴの相性は基本的には問題ありません。ただし、個体のエサの好みによってはソフトコーラルをかじる事もあるので注意が必要です。

幼魚のうちから飼育して人工飼料に慣れている個体であれば、エサが足りているなら好んでサンゴを齧る確率は下がります。ある程度成長してから採取された個体の場合は「海にいるときにサンゴの味を覚えてしまった可能性もあります。

サンゴ水槽に導入する際は導入後にサンゴがかじられていないか様子を見ておきましょう。

▼サンゴの飼育に関してはこちらを参考


ナンヨウハギ まとめ

ナンヨウハギ。

鮮やかなブルーを基調とした鮮やかな色彩を持った美しい魚です。知名度も高くそこそこ流通も多い魚種になります。温厚な性格でほとんどの魚種と混泳が可能なので、にぎやかな水槽をつくる事ができるでしょう。

知名度がある一方で飼育難易度は少々高めのナンヨウハギ。予備知識や前提条件が多い魚なので衝動的に買うと失敗しやすいでしょう。しかし、海水魚飼育の経験があり、今記事で解説したポイントをおさえていれば、飼育はそう難しい魚ではありません。

ナンヨウハギを飼育していれば、海水魚を良く知らない人からの注目度も上がる事間違いなし!
成長すれば迫力満点です。まだ飼育したことがない方はぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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