スズメダイの世界

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スズメダイの魅力

スズメダイの世界へようこそ。

スズメダイとは、スズキ目スズメダイ科の魚種のうち、クマノミ系を除いたグループの総称です。
色鮮やかで見栄えが良く、入手しやすく、比較的丈夫で飼育もしやすいため、はじめての海水魚飼育にはうってつけと古くからいわれています。
シュノーケリングやスキューバダイビングでもおなじみのグループで、沖縄県ならタイドプールなどで群れを簡単に見つけることができます。
沖縄県以外でも、高知県、和歌山県、静岡県、千葉県といった黒潮の影響を受ける地域でも観察できます。意外と身近で美しい海水魚です。

全体的に色鮮やかな色彩を持つグループで、青や黄色を基調とする華やかな種が多いです。
モノトーンの種類もいるので、それらの種を組み合わせるとより見栄えのするマリンアクアリウムとなるでしょう。

スズメダイの仲間は総じて小型で、販売サイズは3cm前後のものが多いです。
このため、小型水槽でも飼育できるのが魅力です。
最大サイズは種によって異なりますが、最小は5cm程度、最大でも15cm程度となります。

海水魚飼育に起こりがちなトラブルとしては「餌付け」や「水質」のトラブルが挙げられます。
しかし、スズメダイに関してはこれらが起こりにくいです。
餌に関しては人工飼料を与えれば即日食べてくれることが多いです。
水質に関しても、もともと潮位変化の激しい海域に適応しているため、ちょっとやそっとの変化には動じません。
このため丈夫で飼いやすく、古くから初心者におすすめといわれているのです。

アクアリウムで流通する種類は熱帯の海域に分布する小型種が中心です。
しかし、それだけでも数十種類ものスズメダイが見られます。
お好みの色柄の種を選べるのも、うれしいところです。

それではサンゴ礁を彩る小型美魚、
美しく丈夫で飼いやすいスズメダイの世界へ。

貴方を誘いましょう。

スズメダイとは

スズメダイとは、スズキ目スズメダイ科に属する魚類の総称です。
多くの種はサンゴ礁に群れを成して暮らす、色鮮やかな小型魚です。

デバスズメダイの群れ 生息環境イメージ

アクアリウムにおいてはこのうち、「クマノミ属」以外のスズメダイ科の魚種がこのグループに振り分けられています。

実は全員スズメダイ科
デバスズメダイ
(スズメダイ属)
コバルトスズメダイ
(ルリスズメダイ属)
カクレクマノミ
(クマノミ属)

そう、スズメダイの仲間は、分類上はクマノミと近縁関係にあるグループなのです。

▼こちらも参考

スズメダイの仲間は海水魚としては水質の変化や悪化にも強く、餌付きやすく丈夫で飼育しやすいグループです。

初心者向けの海水魚としても、古くからよく知られています。

標準和名:スズメダイという魚
いわゆるふつうのスズメダイはこちら。
西日本の釣り人にはおなじみの釣魚です。
堤防で簡単に釣れます。

標準和名が「スズメダイ」という魚もいます。
学名はChromis notata

西日本に住んでいる釣り人の間では、良く釣れるのでおなじみの魚として知られています。
小骨が多いので好みが分かれますが、特に九州地方北部では好んで食べる地域もあります。

一方で、アクアリウムにおいては流通のほとんどない魚種です。

アクアリウムにおいて単に「スズメダイ」と言う場合、本種ではなくデバスズメダイやルリスズメダイなど、クマノミ属を除く小型スズメダイの総称として用いられることが多いです。


スズメダイの魅力

デバスズメダイの群れ

とにかく飼育しやすい!

スズメダイは海水魚としては非常に丈夫なため、基本さえ押さえておけば細かい水質を気にせず飼育が可能です。

このため飼育のハードルが低く、初心者向けの海水魚として古くから位置づけられています。

海水魚飼育で悩みの種となりやすい、拒食のトラブルもほぼありません。

混泳に関連する注意点がありますが、そこだけ気を付ければ、はじめての海水魚飼育にもおすすめできるグループです。

愛らしく人によく慣れる

スズメダイの仲間は基本的に好奇心が旺盛で、他の海水魚に比べると人に慣れやすい傾向があります。

小さいながらも愛嬌たっぷりで、しかも安価で飼育しやすいので、まさにはじめての海水魚にうってつけと言えるでしょう。

スズメダイの仲間は種類が豊富で、お好みの色柄を選べるのもうれしいところです。

色々な種類を集めてみたくなりますが、海水魚の中でも屈指の気性の荒さで知られることが留意点です。

見た目は可愛らしくとも、性格に難がある点に注意を払う必要があります。


主なスズメダイ

比較的流通が見られる、主な魚種をピックアップして紹介します。

デバスズメダイ
コバルトスズメダイ
(ルリスズメダイ)
シリキルリスズメダイ
ネッタイスズメダイ
ミスジリュウキュウスズメダイ
ヨスジリュウキュウスズメダイ
ミツボシクロスズメダイ
ヤマブキスズメダイ
スプリンガーズダムセル
トールボッツダムセル
ローランドダムセル
ネオンダムセル
ブルーリーフクロミス
ソラスズメダイ
オヤビッチャ
ロクセンスズメダイ

デバスズメダイ

学名:Chromis viridis
最大サイズ:約8cm

西部太平洋からインド洋にかけて分布する、スズメダイの仲間です。
日本でも奄美大島以南に分布しています。

光の当たり具合によって体色が緑~青色に変化して見える美しい魚です。
生息地では、サンゴ礁の流れがある場所で大群を成して生活しています。

スズメダイの仲間は一般的に気が荒いものが多いですが、この種は例外的に性格は温和で他魚をいじめることもあまりありません。


コバルトスズメダイ

学名:Chrysipetera cyanea
別名:ルリスズメダイ
最大サイズ:約8cm

コバルトスズメの通称で知られるスズメダイの仲間です。
全身が美しいブルーに染め上がる、古くからの人気種です。

広域に分布する種類で、日本でも和歌山県以南の浅いサンゴ礁となる海域では良く見られます。

シリキルリスズメダイ

学名:Chrysiptera parasema
最大サイズ:約5cm

中~西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
ルリスズメダイに似ていますが、尾ビレとその付け根が黄色く染まる(尻黄シリキ)ことで区別できます。

日本では沖縄県以南に分布しています。

ネッタイスズメダイ

学名:Pomacentrus moluccensis
最大サイズ:約8cm

西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。

全身が鮮やかな黄色に染まる、古くからの人気種です。
熱帯の海域のサンゴ礁や岩礁に群れで生息しています。

その鮮やかな黄色の体色から、浅場SPSメインのリーフタンク等では非常に映える種類です。

ミスジリュウキュウスズメダイ

学名:Dascyllus aruanus
最大サイズ:約8cm

中~西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
モノトーンの体色が印象的な種で、主に枝サンゴの周辺に群れを作り生活しています。

「琉球」とつきますが、日本では和歌山県以南から分布しています。

ヨスジリュウキュウスズメに似ていますがラインが1本少なく、尾びれが黒くない点で見分けることができます。

ヨスジリュウキュウスズメダイ

学名:Dascyllus melanurus
最大サイズ:約6cm

中~西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
こちらは「琉球」の名の通り、日本では沖縄県以南から分布しています。

ミスジリュウキュウスズメに似ていますがラインが1本多く、尾びれが黒く染まる点で見分けることができます。

ミツボシクロスズメダイ

学名:Dascyllus Trimaculatus
別名:スリースポットダムセル
最大サイズ:約10cm

西部太平洋、インド洋に分布するスズメダイの仲間です。
日本では千葉県以南に分布しています。
全身が真っ黒に染まり、額と体側にある白いスポットが特徴的な種です。

幼魚の間はクマノミ同様、サンゴイソギンチャクやイボハタゴイソギンチャクに入ることが知られています。

ヤマブキスズメダイ

学名:Amblyglyphidodon aureus
別名:ゴールデンダムセル
最大サイズ:約15cm

西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
日本では沖縄県に分布しています。
やや深場に生息しており、体高がある中型種です。

体色は白ベースに頭部及び各ヒレが黄色をしており、繁殖期のオスは青みがかった色に変化します。

スプリンガーズダムセル

学名:Chrysiptera springeri
最大サイズ:約5cm

中~西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
濃い青色の体に黒色の班模様が美しいスズメダイの仲間で、産地によって模様が微妙に異なるのが特徴です。

コバルトスズメダイに近縁な種ですが、性格は他のスズメダイとは異なり、比較的温和で複数飼育も可能です。

入荷はやや少なめです。

トールボッツダムセル

学名:Chrysiptera talboti
別名:トールボッツデムワーセル、タルボッツダムセル
最大サイズ:約6cm

西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
ピンクベースに黄色い頭部、背びれの黒いスポットがかわいらしい種です。

本種はスズメダイの仲間としては小型種で、成長しても体色があまり変化しないのも特徴です。

ローランドダムセル

学名:Chrysiptera rollandi
最大サイズ:約5cm

中~西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
紺と白のグラデーションが美しい種です。

幼魚の時は頭の上部分に青色のラインが輪のように入りますが、このラインは成長に従って目立たなくなります。

産地により、模様の入り方が異なる個体群が知られています。

ローランドダムセルの地域変異
ローランドダムセル
バヌアツ産
ローランドラムセル
ニューカーレドニア産

バヌアツやニューカレドニア産の個体として入荷してくるローランドダムセルには、頭部に黄色い模様が見られます。

ネオンダムセル

学名:Neoglyphidodon oxyodon
別名:ブルーデビル、デビルダムセル
最大サイズ:約15cm

西部太平洋に分布するスズメダイの仲間です。
黒ベースに2本のメタリックブルーの縦縞、黄色がかった白のバンドが美しい種です。

成長するにつれラインは消失してしまい、最終的には黒一色に変化していきます。

また、気性の荒いスズメダイの中でもとりわけ気が強いことが知られています。
美しい種ですが、混泳させる際は細心の注意が必要です。

ブルーリーフクロミス

学名:Cromis cyanea
最大サイズ:約8cm

カリブ便で入荷するスズメダイの一種です。
深みのある青色が美しく、成魚になっても退色しない魅力的な種として知られています。

本種はデバスズメダイ同様、比較的攻撃性が低いのも特徴です。
飼育は他のスズメダイに準じ、餌付けも容易で飼育しやすい種です。

ソラスズメダイ

学名:Pomacentrus coelestis
最大サイズ:約8cm

日本でも比較的よく目にすることができるスズメダイです。
サンゴ礁や岩礁に群れで生息しています。

色鮮やかなスズメダイとしては比較的北方系の種で、日本海側では新潟県以南、太平洋側では千葉県以南で見られます。
コバルトスズメダイやシリキルリスズメダイとよく似ていますが、それらは沖縄県で多く見られる種です。
本州で見かけるものは、本種であることが多いでしょう。
青ベースの体色と体側下部~尾鰭の淡い黄色のコントラストが非常に美しい種類です。
本種は地域変異が大きく、黄色の部分が尾鰭のみのものや、腹部まで入るものなど様々な表現を持つ個体が知られています。

オヤビッチャ

学名:Abudefduf vaigiensis
最大サイズ:約20cm

広域に分布しており、日本でも多く見ることのできるスズメダイの一種です。
太平洋側では千葉県以南、日本海側では石川県以南の岩礁、サンゴ礁、防波堤等に生息しています。

日本海側には少なく、太平洋側で多く見られるようです。
地域によっては食用でも重宝されていますが、マリンアクアリウムでも人気のある魚です。

幼魚は容姿が同属のロクセンスズメダイに酷似していますが、成長に伴って背中に現れる黄斑が目立つため、容易に区別できます。

”ビッチャ”の由来

「オヤビッチャ」の名は地方方言の「ビッチャ=赤ん坊」に由来しており、成長して親になっても赤ん坊のように小さいという意味です。
ただし、本種はマリンアクアリウムにおいて飼育されるスズメダイとしては中型種に入ります。
あくまでも、食用魚としては小さいという意味合いなのでしょう。
最大で20cm程度にまで成長するので、最低でも60cm水槽以上がおすすめです。
群れさせるならば、90cm水槽以上での飼育が望ましいです。

ロクセンスズメダイ

学名:Abudefduf sexfasciatus
最大サイズ:約17cm

日本でも多く見ることのできるスズメダイの一種です。
オヤビッチャと同所的に見られることも多く、岩礁、サンゴ礁、防波堤等といった似た環境を好みます。

オヤビッチャに比べるとやや南方に寄った分布を示し、沖縄県では普通に見られるようです。
地域によっては食用でも重宝されていますが、マリンアクアリウムでも人気のある魚です。

幼魚は同属のオヤビッチャに酷似しています。
成長に伴って尾ビレに黒いラインが2本現れるので、この点で容易に区別できます。


スズメダイ飼育の基本

基本的な海水魚飼育用の設備がそろっていれば、問題なく飼育できます。
基本的に熱帯性なのでヒーターは必要です。
水温は24℃前後を保つようにすると良いでしょう。

水質の変化には強く、丈夫で飼いやすいとされるクマノミ以上に丈夫な傾向があります。

これは小型スズメダイの仲間は沿岸域に分布するものが多く、潮の満ち引きにより生じるタイドプールに取り残されることも多いためです。

タイドプールは水量が少ないので、水温や比重が刻々と変化します。
この変化に耐えられなければ、沿岸域で生き延びることはできません。
なので、変化が激しくても耐えられるような生態を獲得したのでしょう。

このため、水槽飼育では少しぐらいの水質の変化はものともしません。
「ごく基本的な海水魚飼育」を学ぶ上では最適な存在といえるでしょう。

スズメダイの仲間は野生下では
タイドプールに取り残されることが多い
コミュニケーションが楽しめる?

スズメダイの仲間は好奇心が強く、大型個体は自分より大きい相手に対してもあまり恐れません。
このため人間相手にも威嚇して、突いてくることがあります。

メンテンナンス時などに水槽に手を入れていると、突いてくる個体も珍しくありません。
ケガをするほど強くはないことが多いものの、思いのほか強い力で突いてきます。
ある意味では、”スズメダイとのコミュニケーションを楽しむ”と捉えることもできるでしょう。

水槽の選択

特に選びません。
フィルターが設置できるものであれば、どのサイズでもOKです。

30cmキューブ水槽で1匹、60cm水槽で2~3匹が目安です。
詳細は後述しますが、スズメダイの仲間は非常に気性が荒く、縄張り争いが絶えないためです。

デバスズメダイやスプリンガーズダムセルといった大人しい種は10匹単位でまとめて飼育も可能です。

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フィルターの選択

上部式フィルターまたは外部式フィルターが良いでしょう。
30cm以下の小型水槽の場合は、プロテインスキマー機能付きの外掛け式フィルターがベストです。

スズメダイの仲間のみを飼育するのであれば、オーバーフローほどの高度な設備は不要なことが多いです。

プロテインスキマーの選択

飼育生体の数が少ない場合は必須ではありませんが、可能であれば設置しておくことをおすすめします。

目安として60cm水槽でスズメダイが3匹以下で、他に生体を何も入れないのであればなくても飼育は可能でしょう。

スズメダイは元々水質の変化・悪化には強めの魚種です。
フィルターにプロテインスキマー機能が付いていない場合は、水槽サイズに合った外掛け式のプロテインスキマーを1台設置しておくと良いでしょう。

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底床の選択

海水魚飼育用の底床であれば、何を使用しても構いません。
「サンゴ砂」が最も一般的です。粒の大きさはお好みで構いません。

最初からバクテリアが添加されている「ライブサンド」を使うと、水槽の立ち上がりが早くなります。

砂利系の底床も使用可能です。


顆粒餌
フレーク

顆粒またはフレークの人工飼料が良いでしょう。どちらを与えてもよく食べます。

海水魚は餌付けに苦労することも多いですが、スズメダイに関してはエサでトラブルを起こすことはほとんどありません。
与えれば、すぐに餌付いてくれることが多いです。

混泳

スズメダイの飼育において最も注意が必要なのは混泳です。

スズメダイの仲間は基本的に気性が荒く、縄張り争いが絶えません。
このため基本的な前提として、混泳は難しい魚種となります。

スズメダイの仲間は野生下では群れを作るので、一見混泳できそうに見えます。
しかし、この混泳が成立するのは海の広さがあるからです。
大海原の水量に比べれば、水槽の水量はほんのわずかでしかありません。

スズメダイが満足な縄張りを維持するには、水槽のスペースでは全然足りないのです。
このため、より良い場所をめぐりお互いが激しくケンカしてしまいます。

しかしながら、上手に混泳を成立させるポイントは2点あります。

温和な種を選ぶ

混泳を成立させるポイントの1点目は、「デバスズメダイ」「スプリンガーズダムセル」といった温和な種を選ぶこと。

この2種はスズメダイとしては例外的に比較的温和な種です。

攻撃性が低くトラブルを起こしにくい魚種なので、混泳させたい場合はこれら2種から選ぶとトラブルが起こりにくいでしょう。

比較的温和なスズメダイ
デバスズメダイ
入荷が多く入手しやすい
スプリンガーズダムセル
入荷はやや少なめ

過密飼育にする

混泳を成立させるポイントの2点目は、あえて過密飼育にすることです。

目安として60cm水槽に20匹以上詰め込むと、縄張りの防衛コストが維持できなくなる(あまりにもライバルが多すぎると防衛が忙しくなりすぎ、逆に防衛しなくなる)ので、逆にケンカをしにくくなるという性質があります。

この場合水質の悪化が速くなるので、適切なタイミングでの水換えが重要になります。

幸い、スズメダイの仲間は比較的水質の悪化には強いので、1~2週間に1回程度の換水で維持は可能でしょう。

ストック水槽では大量に詰め込むことで、逆に縄張り争いが起きにくくなっています。
全く起きないわけではないので、多少のかじり合いは生じます。

他種との混泳

体型が似た種は攻撃対象にされることがあります。
このためクマノミやテンジクダイの仲間などは避けたほうが無難です。

底生のハゼやギンポの仲間であればスズメダイと同じく丈夫であり、体形も大きく異なるので攻撃対象にはされにくいです。
遊泳性のものは攻撃対象にされることがあるので注意が必要です。
底砂やライブロックを這うように移動する底生の種であれば、比較的混泳させやすいでしょう。

スズメダイより体のサイズが大きい個体を選ぶのがポイントです。
サイズ差がある方が、混泳水槽内ではスズメダイにプレッシャーをかけることができ、結果として攻撃頻度が少なくなります。

底生ハゼまたはギンポ・カエルウオ系なら可
ミズタマハゼ
オトメハゼ
ヤエヤマギンポ
フタイロカエルウオ

サンゴとの混泳

サンゴとの混泳相性は良いです。
スズメダイはサンゴに対しては、特に悪さをしません。

ただし、サンゴの育成はスズメダイに比べるとかなり難しくなるものが多いです。
またスズメダイの飼育において、サンゴは必須ではありません。
はじめてサンゴを飼育する場合は、まずはスズメダイの飼育にある程度慣れてから導入を検討することをおすすめします。

はじめてサンゴを入れる場合、比較的育成がしやすいソフトコーラルの仲間から始めると良いでしょう。

好日性(光合成を行えるタイプ)の「ウミトサカ」や「ウミキノコ」の仲間は、比較的飼育しやすいサンゴです。

ヌメリトサカは比較的育てやすい
サンゴとして有力です

サンゴを入れる場合は、フィルターは水槽の適応サイズよりも1ランク上の製品を使用し、プロテインスキマーも設置したほうが良いでしょう。
また、照明も必須になります。

病気

スズメダイの仲間は海水魚としては比較的丈夫な部類に入るので、病気にはかかりにくい魚種です。

しかし、導入してすぐや、長期間水換えをしなかった場合などに「白点病」を発症しやすいことも知られています。

見た目は淡水魚のもの同様、体表に白い斑点が付く病気です。
ただし、海水魚の白点病は淡水魚の白点病とは異なる寄生虫により引き起こされます。

治療には「マラカイトグリーン」を主成分とする魚病薬が有効です。

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マラカイトグリーンはサンゴやイソギンチャクはじめとする無脊椎動物が入っている水槽には使用できません。
このため、隔離しての薬浴が基本となります。

白点病は一度発生すると、治りにくい厄介な病気です。
日頃からの予防策としては「白点キラー」も有効です。

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こちらは魚病薬ではなく水質調整剤となります。
水中の原虫や菌の増殖を阻害し、発病や進行を予防することができる商品です。

既に白点病を発症している個体に関しては、自身の代謝能力で回復してもらう必要があるという点が、魚病薬との違いです。

適切な数での飼育、適切な量での餌やり、適切な間隔での水換えを守っていれば、スズメダイの仲間は病気にかかることはあまりありません。


スズメダイ用語集

ダムセル(ダムワーセル)・・・スズメダイの主要な英名です。主にchromis属以外のスズメダイを対象とします。
外国産のスズメダイ(日本に分布していないスズメダイ)は〇〇ダムセルの名で流通することが多いです。
スズメダイの仲間は分布が広域のものが多く、日本にも分布する種は和名で呼ばれることも多いです。
ただし、和名で流通するスズメダイであっても必ずしも国産であるとは限りません。

クロミス・・・chromis属のスズメダイはこちらの名前が割り当てられることが多いです。
ブルーリーフクロミスなどがその代表です。

デバスズメダイもchromis属ですが、日本にも分布しているので和名で呼ぶ方が一般的です。

ブルーリーフクロミス
入荷は少なめ。

デビルフィッシュ・・・スズメダイはその荒々しい気性から、海外では“デビルフィッシュ”と称されることも多いです。
例えばコバルトスズメダイは“サファイア・デビル”など、“〇〇・デビル”といった通称で呼ばれます。

性転換・・・一部のスズメダイの仲間には、成長の途中でメスからオスへと性転換するものがいます。
例えばコバルトスズメダイやミスジリュウキュウスズメダイはその代表です。


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