ひと目でわかる混泳早見表 クマノミ編

海水魚
海水魚混泳早見表魚同士の相性について

今回はクマノミから見た、主要な海水魚との混泳相性を早見表にしてみました。
クマノミは混泳水槽の中心的存在として入れられることも多いですが、その場合はいくつかの注意点もあります。

クマノミとそれ以外の海水魚を混泳させる際の判断の目安にご活用ください。


混泳におけるクマノミの傾向

混泳適性: 種類によっては

クマノミは海水魚の中でもトップクラスに混泳させやすいグループです。

ですが、種類によって性質は大きく変わります。

混泳に向いているのはカクレクマノミやぺルクラクラウンなどあまり大型にならない種類です。

ハマクマノミやスパインチークなど大型になるクマノミはテリトリー意識が強く、ペアを組んだ大型個体は気が荒くなります。

混泳させるときは、この点を注意しましょう。

代表魚種
カクレクマノミ
ぺルクラクラウン
ハナビラクマノミ
セジロクマノミ
ナミクマノミ
ハマクマノミ
スパインチーク
トウアカクマノミ

クマノミの魅力は、なんといってもその圧倒的なバリエーションです。
多種多様な柄を持った種がおり、そのうえほとんどが温和で混泳させやすい魚です。

インドトマトアネモネ
ツーバンドアネモネ
ブラッククラウン
アラルズクラウン
セバエアネモネ
モルディブアネモネ
ワイドバンドアネモネ
バリアリーフアネモネ
レッドサドルバック
アネモネ
オレンジフィン
アネモネ
レッドアンドブラックアネモネ
ホワイトボンネット
アネモネ
ちょっと注意が必要な種

ひとくちにクマノミといっても混泳しやすい種類と注意が必要な種類がいます。

小型クマノミ:カクレグループ、ハナビラグループ

混泳適性◎クマノミとしては小さめで、穏やかな性格の個体が多い

カクレクマノミ
ぺルクラクラウン
ハナビラクマノミ
セジロクマノミ

小型種グループは他の魚と問題なく混泳できるケースが多いです。
セジロクマノミだけは稀に大型個体で気の荒くなるものがいることがあるため注意しましょう。

大型クマノミ:ナミクマノミグループ、ハマクマノミグループ、スパインチーク

混泳適体が大きくなり、気も強くなるタイプ

ナミクマノミ
ハマクマノミ
スパインチーク
トウアカクマノミ

大型種グループは成長してペアを組むと非常にテリトリー意識が強くなります。
特にハマクマノミやスパインチークの大型個体になると、似た姿の魚を執拗に攻撃する性格のものもいます。

このグループのクマノミはペアのみで飼育することをおすすめします。

▼各クマノミについての詳しい解説はこちら

混泳に「絶対」はありません

混泳に成功しやすい組み合わせ、失敗しやすい組み合わせはあります。
しかし、100%絶対にうまくいく組み合わせは存在しません。

成功しやすいといわれる組み合わせでも、個体間の性格によっては失敗することもあります。
逆に失敗しやすいといわれる組み合わせでも、工夫次第で成功することもあります。
試行錯誤を要する点も混泳の奥深さといえるでしょう。

どうしてもトラブルを避けたい場合は、単独飼育を選ぶのが無難です。

同種と混泳させるときの注意点

ハマクマノミやスパインチークなど大型クマノミは同種同士で激しく争う傾向があります。

そしてクマノミは性転換する魚でもあります。
オス同士を混泳させると、体が大きく力関係の強い個体がメスに性転換してペアを組みます。

ハマクマノミ ペア
ナミクマノミ ペア
スパインチーク ペア
カクレクマノミ ペア

大型クマノミの場合、力関係が落ち着く前に弱い個体をボロボロにしてしまうことがあります。
ペアを組ませるために複数匹入れる場合は、下記の注意点を押さえてください。

ペアを組ませるときの注意点
  • 弱い個体が逃げ隠れできる十分なスペースと複数の隠れ家を用意しましょう。
  • 3~5匹以上の奇数匹を入れてください。
  • 2匹だけの場合、弱いほうが集中して攻撃を受け続けることになります。
  • 1個体が集中して攻撃されないようにターゲットを分散させる必要があります。
  • 1番弱い個体がボロボロになってしまったときに備えて隔離ケースを用意しましょう。

カクレクマノミやぺルクラクラウンは穏やかな性格の個体が多く、クマノミの仲間でも特に混泳しやすい種類です。

しかし、ワイルド個体は産地が違うと若干小競り合いをする可能性があります。
混泳を前提とした場合にはケンカをしにくいブリード個体がおすすめです。

ブリード個体はケンカしにくく、混泳させやすい傾向があります
気の荒い個体が多いスパインチークも
ブリード個体では同種で混泳させやすい傾向があります

クマノミと共生するイソギンチャクについて

イソギンチャクはサンゴの仲間なので
飼育にはクーラーとプロテインスキマーが必要です

イソギンチャクを一緒に飼う場合はサンゴ水槽と同じ設備が必要となります。
イソギンチャクが状態を崩すと一気に水槽崩壊してしまう可能性が高いため、まずは飼育設備を確認しましょう。

共生イソギンチャクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
併せてお読みください。


混泳相性一覧表

混泳の凡例

◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。

※混泳相手の種や個体の性格によっては、例外もあります。

混泳相手混泳相性
小型クマノミ
混泳相性
大型クマノミ
備考
ヤッコ・エンゼル
問題なく混泳できるケースは多いのですが、
個体の性格差が大きいため確実に安全とは言えません。

大型種との混泳には必ず隠れ場所を作ってください。
そして日頃の観察をしっかり行いましょう。
一部の種類にポリプ食性のものがいます。
そういった種類はイソギンチャクとの混泳ができません。
チョウチョウウオ・
ツバメウオ
クマノミとの混泳自体はほとんど問題ありません。

しかしポリプサンゴ食性を持ちます。
イソギンチャクとの混泳ができません。
ハギ・ニザダイ
ヤッコと比べると混泳はしやすいと言えます。
小型種とは問題ありません。

大型種とは個体の性格による相性で変わります。
やはり日頃の観察をしっかり行いましょう。
スズメダイ
×小型のうちは混泳可能ですが、おすすめしません。
大きく育つと気が強くなる種類がほとんどです。
クマノミ中心で飼育するなら混泳は避けましょう。

デバスズメダイは例外的に混泳しやすい傾向があります。
遊泳ハゼ・
ベントスハゼ
小型クマノミとは問題なく混泳可能です。

大型クマノミには背ビレなどを齧られることがあります。
混泳させるならカクレやぺルクラが良いでしょう。
共生ハゼ
×テッポウエビが大型クマノミを警戒して外に出なくなります。
テッポウエビが食べられてしまうこともあるため、
大型クマノミとは混泳を避けましょう。
カエルウオ・
ブレニー
基本的には問題ありません。

しかし、稀にギンポの大型個体に気の荒い個体がいます。
ケンカをしていないか、しっかり観察しましょう。
ベラ
クマノミとの相性は問題ないことが多いです。

しかし、ベラの仲間は甲殻類を好んで食べます。
エビは入れないようにしましょう。
ハナダイ・
ハナゴイ
小型クマノミとは問題なく混泳可能です。

臆病な種類が多いため、気の強い個体は厳禁。
飛び出しも多いのでフタをしっかり閉めましょう。
ニセスズメ・
バスレット
クマノミとの混泳は問題ありません。
しかし同種で激しく争います。

小型個体は打たれ弱い面があります。
体格差のある気の強い魚との混泳は避けましょう。
テンジクダイ
特に問題はありません。

大型のクマノミに追い散らされることがあります。
テンジクダイが攻撃されていないか様子を見ましょう。
ジョーフィッシュ・
サンゴアマダイ
大型クマノミが頭上を泳ぐのは落ち着かないようです。

混泳させるならカクレクマノミやぺルクラが無難ですが、
テリトリーが重ならないよう広い水槽で飼いましょう。
コショウダイ・
フエダイ
×※フエダイやコショウダイの仲間はフィッシュイーターです。
体格差があるとクマノミが食べられてしまう可能性があります。
ヒメジ
基本的に問題はありません。

この仲間は大きくなる種類が多いです。
混泳には90×45×45cm以上の水槽を用意しましょう。
大型フグ・
カワハギ・
モンガラ
××※大型フグやモンガラは鋭い歯を持っています。
口に入らないサイズでも噛み切られてしまうことが
あるため混泳は危険です。
小型フグ
小型種との混泳はほとんど問題ありません。

大型クマノミには追いかけられることもあるので注意しましょう。
ゴンべ・トラギス
サイズ差がなければ混泳には問題ありません。
※ゴンべのサイズが大きいと危険です。

甲殻類を積極的に捕食する性質が強いので
エビがいるなら混泳はさせないほうがいいでしょう。
アナゴ・ウツボ
××クマノミを捕食します。

リボンイールの仲間は例外です。
しかし、口に入るサイズの混泳は危険です。
チンアナゴ
×大型クマノミが頭上を泳ぐのはストレスになります。
カクレクマノミやぺルクラとの混泳が安全です。
マンダリン・
スクーター
基本的には問題ありません。

ただし小型個体は弱い面があります。
サイズ差があると突かれることもあるため注意しましょう。
タツ・ヨウジウオ
×カクレやぺルクラの穏やかな個体となら可能です。

混泳魚にエサを横取りされて食べられなくなるので
同種か近い種類のみの飼育が望ましいです。
カエルアンコウ・
カサゴ
××クマノミを捕食します。
エイ・サメ
××クマノミを捕食します。

クマノミと混泳ができるオススメの海水魚

  • クマノミに対して攻撃性がないこと
  • クマノミの口に入るサイズでないこと
  • クマノミとの極端なサイズ差がないこと

以上3点を満たしている魚種であれば、大きな問題は起こりにくいと言えます。
しかし、海水魚の混泳に絶対はないので何かトラブルが起こっていないか日々の観察はしっかり行いましょう。

大きくなり過ぎず、穏やかなカクレクマノミは混泳に向いているクマノミです
テンジクダイ系

もっとも無難に混泳可能なグループがテンジクダイの仲間です。

群れるタイプのテンジクダイはテリトリー意識はそこまで強くありません。
狭い水槽では稀に小競り合い程度は起こりますが、スズメダイほど深刻なことにはなりにくいです。

注意点としては、口に入る小さなサイズの魚は食べてしまうことがあります。
クマノミが産卵の兆候を見せたら別の水槽へ移動させましょう。

マンジュウイシモチ
スカシテンジクダイ
イトヒキテンジクダイ
ウスモモテンジクダイ
キンメモドキ
プテラポゴン・
カウデルニー
アマミイシモチ
ウスモモテンジクダイ
ハナダイ・ハナゴイ系

他魚に対する攻撃性はほとんどありません。

逆に臆病で警戒心の強い性格をしているため気の強い魚との混泳はあまり向いていません。
この仲間は驚いた節に水槽から飛び出しやすい傾向があるため、フタはしっかり閉めましょう。

遊泳性が強い種類が多いので、なるべく広い水槽を用意してあげましょう。

アカネハナゴイ
ケラマハナダイ
キンギョハナダイ
オス
キンギョハナダイ
メス
インドキンギョハナダイ オス
インドキンギョハナダイ メス
タイガークィーン
アンティアス
パープルクィーン
アンティアス
バートレットアンティアス オス
バートレットアンティアス メス
フチドリハナダイ
オス
フチドリハナダイ
メス
遊泳性ハゼ

ハゼの仲間ですが底にいるのではなく、水中を漂うように遊泳するグループです。
穏やかな性格で美しい種類も多いのが特徴です。

サイズが小さすぎる種類も多いのでクマノミとのサイズ差に注意しましょう。
体の大きくなるハマクマノミやスパインチークのいる水槽にオヨギイソハゼなどの小型遊泳性ハゼを入れると食べられてしまうことがあります。

ハタタテハゼ
アケボノハゼ
クロユリハゼ
ゼブラハゼ

これらの小型遊泳性ハゼは体長が小さく、大型クマノミとの混泳は適していません
 サイズ差があると食べられてしまう可能性があるため、混泳は避けましょう。

オヨギイソハゼ
アオギハゼ
アカメハゼ
ドワーフシグナルゴビー
ベントスハゼ

ベントスハゼは常に砂を口に含んでモゴモゴしている習性があることから底砂の掃除屋として活躍します。
飼育する条件は底砂がサラサラとした砂であることです。

この仲間は10cmを超える種類も多いため、飼育するには底面積の広い水槽(60×45×45cm以上)が望ましいです。

オトメハゼ
ミズタマハゼ
アカハチハゼ
サザナミハゼ
カエルウオ・ブレニー系

ヤエヤマギンポなどコケ取りにも活躍するカエルウオの仲間や、オウゴンニジギンポなど遊泳性の高いギンポの仲間です。

遊泳性ギンポにはコケ取り能力はあまりないので、茶ゴケ掃除にはヤエヤマギンポと同じ体形のカエルウオの仲間を選びましょう。

ヤエヤマギンポ
インドカエルウオ
ブラック
フタイロカエルウオ
スターリーブレニー
オウゴンニジギンポ
コンビクトブレニー
ハナダイギンポ
スポットテールブレニー
マンダリン・スクーター系

和名ではテグリ、英名ではスクーターブレニーやドラゴネットと呼ばれるグループです。

ベントス食性でヒラムシなどの小さな無脊椎動物を食べることから、ライブロックの掃除屋としても活躍してくれます。
稀に痩せた個体がいるので、冷凍コペポーダなど栄養価の高いエサも与えましょう。

おっとりした性格の癒し系な種類が多いですが、それゆえに大型クマノミに突かれることもあります。混泳させるならカクレクマノミやぺルクラクラウンなどの穏やかな種類が適しています。

マンダリン
スポッテッドマンダリン
スクーターブレニー
スターリードラゴネット
ベラ系

小型ベラの仲間です。
他の種類に対してはあまり関心を持ちませんが同種に対しては縄張り争いをします。
特にフェアリーラスと呼ばれるタイプのベラは同種で激しくケンカをするので注意が必要です。

ライムラスなど一部の種類に砂に潜るものがいます。
飼育にはサラサラした細かい砂を用意しましょう。

ニセモチノウオ
ホンソメワケベラ
ライムラス
イエローフィンフラッシャーラス
おとなしめのスズメダイ

気性の激しい種が多いスズメダイの仲間でも例外的に混泳ができる種類もいます。
それでも多少のテリトリー意識を持っているため、混泳させるには余裕のあるスペースと小競り合いをした際に隠れられる場所が必要です。

激しいケンカをしていないか日々の観察をしっかり行いましょう。

デバスズメダイ
ブルーリーフクロミス
トールボッツ
ダムセル
スプリンガーズ
ダムセル

クマノミと混泳できない、避けたほうがいい海水魚

気の強いスズメダイ

デバスズメダイなど一部の例外をのぞいたスズメダイの仲間。 気が荒くなる種類は×

ミツボシクロスズメダイ


多くのスズメダイが小さいうちは混泳が可能ですが、成長するとテリトリー意識が非常に強くなる種類が多く見られます。

大型水槽で多数の混泳なら隠れ場所も多く、ターゲットが分散されやすいので一緒に入れても問題なく混泳できることがあります。

小型の水槽ではクマノミが激しく攻撃される可能性が高いため、クマノミの繁殖も想定した飼育では絶対に避けたほうがよい相手です。

特にミツボシクロスズメダイなど、クマノミと同じようにイソギンチャクと共生できる種類は自然下でも競合相手となっているため同居は避けましょう。

ネオンダムセル
オレンジテール
ブルーデビル
ジュエルダムセル
ヨスジリュウキュウ
スズメダイ
バリダムセル
サージダムセル
フタスジリュウキュウ
スズメダイ
セナキルリスズメダイ
チョウチョウウオ、ポリプ食性の魚

チョウチョウウオ、一部のハギなど。サンゴやイソギンチャクを食べる魚 

フウライチョウチョウウオ


クマノミ自体との混泳は可能でもイソギンチャクと混泳できない種類です。チョウチョウウオの仲間やソウシハギなどのポリプ食性の強いハギなど。
カゴカキダイもイソギンチャクを食べるので注意が必要です。

イソギンチャクを入れない混泳水槽であれば同居は可能になります。

ミスジチョウチョウウオ
カゴカキダイ
フチドリカワハギ
ソウシハギ
中大型魚、肉食魚系

大型のウツボ、エイの仲間、大型ハタ、スナッパータイプのフエダイなど。 全般的に不可

トラウツボ


ハタやカエルアンコウなど口が大きく丸呑みしてしまう種類もいれば、モンガラや大型フグのように口が小さくても鋭い歯で獲物を噛み切って食べてしまう種類もいます。

基本的にはクマノミよりも大きい魚は混泳させないほうが安心です。

リーフスティングレイ
ハリセンボン
ガルフトードフィッシュ
ゴマフエダイ
ハナミノカサゴ
カエルアンコウ
ウエストアフリカン
バンデッドグルーパー
モンガラカワハギ

クマノミの混泳 まとめ

混泳をさせるにはまずクマノミの種類から確認しましょう
  • 小型クマノミは基本的に温和な性質で、混泳させやすいです。
  • 大型クマノミは育つとテリトリー意識が強くなるため、混泳できる魚は限られます。
  • 大型クマノミはペア組んだ相手以外の同種と激しく争う傾向があります。
  • イソギンチャクと一緒に飼育したい場合はサンゴ水槽と同じ設備が必要です。
  • クマノミの繁殖を目指す場合はペアのみの飼育がおすすめです。

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