アクアリウムをはじめて困ることの1つに『水が黄色くなってきた。』ということが挙げられます。
今回は、そんな水の黄ばみについて、原因と対処法などをご紹介しましょう。
黄ばみの原因と対処方法
流木のアク
流木のアク抜き方法
流木を水槽へ導入・立ち上げ設置前に、アク抜き処理を行うようにします。
1.数日間、別の容器に水を張って沈めておく。(アク抜き剤も導入。)2~3週間
2.鍋で煮処理を行う。(アク抜き・除菌・空気抜きの効果があります。)1時間程度
水の黄ばみの一番の原因は流木のアクです。アクは腐植酸といわれるもので、タンニン・フルボ酸・フミン酸などの物質になります。
アクによる水槽内生物への影響はありません。水質が弱酸性に傾き、魚や水草にとっては良い環境・水質になります。
ただし、アク抜きされていない流木・流木を多く使用したレイアウトの場合、黄ばみが発生しやすくなります。
※観賞としてクリアな水ではなくなり、遮光されてしまうので光量が低下します。
※流木の種類によってはアクが多く、いくら煮込んでもアクが抜けない流木もあります。
・流木を煮込んでアクを抜く ・ブラックホール(活性炭)・流木を水槽から取り出す
チャームでは流木をセットした時のアク(黄ばみ)を抑えるために、煮込み済みの流木を販売しております。
流木のアク抜きするのが大変・面倒だという方や、水槽にすぐセットして使用したいという方には『煮込み済み』と表記のある流木をオススメします。
※アク(黄ばみ)がゼロになるわけではありませんが、アク抜きをされていない流木を導入するよりも手間が大きく減ります。
水の富栄養化
黄ばみの原因の二つ目は、水の富栄養化による濁りです。簡単に言うと、水中に栄養分が多くなりすぎているということです。
富栄養化とは、水中に窒素・リンが必要より多く増え、それを栄養とする植物プランクトンが急増していくような状態をいいます。
※リンや窒素は湖沼・海域の生態系を構成する細菌・動植物に必要な元素です。
富栄養化は、『ソイル』『給餌(残餌)』『魚・エビなど生体の排せつ物』『水草の枯葉』などが蓄積することで起こります。
※『赤潮』は富栄養化によりプランクトンが異常発生したものです。
・水換え ・バクテリアの追加 ・フィルターの強化
バクテリア
残餌やフンなど、富栄養化につながるものを分解します。 バクテリアが少なければろ過が滞り、富栄養化につながります。
※バクテリアが死んでしまう原因として、水換えやフィルターの掃除などがあげられます
水換え
一番効率の良い方法が水換えで、黄ばみ・水質の改善になります。
プロホなどで底床掃除もかねて行うようにします。
※バクテリアも一緒に吸ってしまうので、水換えは1/3程度行うようにしましょう。
水換えについては下記の記事にまとめてあります。
フィルター強化
フィルター内のろ材、スポンジ、パイプなど汚れがたまりすぎると、黄ばみや濁りの原因になるのでフィルターの掃除をします。
設置しているフィルターが水槽の水量に適していることも防ぐ方法になります。
ろ過能力が足りていないと思ったら、水槽サイズのワンランク上のフィルターを選ぶ、サブフィルターを入れるということも改善につながります。
ソイル
黄ばみの原因3つ目は、ソイル自体から出る黄ばみです。
製品の種類によって黄ばみが発生します。ソイルは土を焼いたものなので、土に含まれていた植物質などから出る有機酸が原因だと思われます。
ソイルによってはpH調整のために入れているフルボ酸が溶出して黄ばみを発生させます。
・ブラックホール
ブラックホール(活性炭)
水槽の黄ばみ除去といえば、こちらのブラックホール(活性炭)!アクアリストの中でも定番のロングセラー商品になります。
流木・ソイルから出る有機物・アクなどに使用することが多いですが、水の臭いなど水槽内で発生した着色系の濁りにも効果が見られます。
残餌
エサも黄ばみの原因の一つになることがあります。
毎日のルーティン作業になるエサやりですが、このエサやりも黄ばみの原因になりえます。
人工飼料は多くの成分が含まれており、エサから溶け出した成分によって水に色がついてしまうこともあります。
・水換え ・すぐに取り出す(残餌)・エサの量を抑える
エサの量を抑える
残餌をなくすために、与える餌の量を抑えるようにするか、1回に与える量を減らして1日に与える回数を増やし、下へ餌が落ちないようにする方法があります。
水草の枯葉
水草が枯れてしまうと水中のリン酸が殖え、水槽内を濁らす原因になります。
※購入した水草を導入前に洗うか、別の水槽で様子を見ることでゴミや農薬、スネールなどの防止にもなります。
・すぐに取り出す(枯葉) ・水換え
他にもあるこんな濁り
白濁り
「水槽の立ち上げ直後」「魚の導入直後」「飼育開始から数カ月後」などに多く見られます。底床などに含まれるゴミやバクテリア不足、大量の微生物が水中に舞ってしまうことが原因になります。
※汚れなどからくる原因ではないようです。時間がたてば収まりますが、中々改善が見られない場合は水換えも行うと良いです。
グリーンウォーター
富栄養化による植物性プランクトンの大量発生で起こります。黄ばみの原因と同じく富栄養化により発生することがあります。グリーンウォーターはメダカと金魚の飼育では有効ですが、水槽の観賞性が悪くなるため、水槽飼育では対策が必要です。
・液肥を入れすぎない ・照明の強さ、照射時間の調整 ・アオコ除去剤を使用する
遮光(光量を抑える)
光があれば植物は光合成を行うため、藻類の発生につながります。
照明をお使いの場合は、光量を抑える方法・照明の時間を減らすなどの対処方法があります。直射日光が入りやすい場所に水槽がある場合は、設置場所の移動、カーテンなどで少し抑えてあげると良いかと思います。
※コケ・藻類も植物になります。水草水槽などで肥料などを入れている場合は肥料を控えるか、一時的に止めて様子を見るのも手です。
アオコ除去剤
グリーンウォーター(アオコ)には通常のコケ防止剤や除去剤では効果が弱いことがあります。アオコの抑制効果を表記してある商品を選びましょう。
ほとんどの商品は水草への影響があるので、魚やエビだけを飼育している水槽にお使いください。
生物ろ過
生き物の中には、水中の有機物を摂取するものもいます。タニシやシジミなどの貝類や、マツモや浮き草などの根を張らない水草など水中の養分を摂取する能力があります。
※生物だけで完全に管理できるものではありませんのでご注意ください。
※シジミは底床に潜る習性があり、水槽内で行方不明になることが多くあります。見つからないまま死んでしまうと水質悪化の原因になります。導入する場合、ネットや小さな容器などに入れておくと行方不明を回避できます。
グリーンウォーターについては下記の記事でご紹介しています。
泥での茶濁り
ソイル・ビオトープで水を勢いよく注ぐと、土(ソイル)が水中内で舞って濁りが起きます。時間がたてば収まることがほとんどなので、心配する必要はありません。
泥で濁った睡蓮鉢にメダカ入れていいの!?
当然なのですが、睡蓮の土は泥なので、ビオトープセットを設置した直後は驚くほど水が濁ります。こんな濁った水に、一緒にやってきたメダカさんを入れてしまっていいものなのか…と悩む方も多いのですが、大丈夫です。本来野生の魚は雨が降って茶色く増水した川でもしっかりと生きています。
鉢の濁り自体も数日で沈殿し水は透き通ってきます。濁った水に水合わせをして速やかに導入してください。
落ち着け、ジブン。 生き物編
・手をかけずに放置 ・水入れの際に水の勢いをなくすため、受け皿や新聞紙など使用する
まとめ
黄ばみ・濁りは多様な要因からなります。水換えや活性炭などの使用で解決できることが多いです。
水質の急激な変化を見逃さないことも大事です。黄ばみ・濁りが何から来ているのか調べて対策を取るようにしましょう。
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