水草が溶けちゃいます<答えて!チャーム先生>

チャーム先生
チャーム先生

アクアリストの皆さーん!今日も元気に「オーストラリアンノチドメ」はどこで単語を区切っていいのか分からず悩んでいますかー?「ノチ」「ドメ」なのか「ノ」「チドメ」なのか「ノチド」「メ」なのか…。
皆さんの素朴な悩みをその道のスペシャリストである「チャーム先生」にズバッと解決してもらいましょう。

水草が溶けちゃう

ライトもつけてるし、フィルターだって回してる。水換えもちゃんとやってるのに、植える水草、植える水草みんな溶けちゃう。もしかしてcharmの水草弱ってるんじゃないの?どうしてくれるのcharmさん!!と、腹を立てる前にcharm先生に聞いてみよう。

迷えるアクアリスト
迷えるアクアリスト

どう頑張っても水草が溶けちゃうんですけど。最初から弱った水草だったんじゃないですか。

チャーム先生
チャーム先生

水草の種類によって溶ける理由はいろいろだいね。わっきゃないよ。
標準語訳)水草の種類によって溶ける理由はいろいろです。理由を突き止めて対処しましょう。

水草不調時の5つのチェックポイント

水草が溶けてしまうのは水草ごとに原因があります。その環境がその種類の水草に果たして合っているのか、トリミングの時にやらかしていないのか、じっくり原因を探りましょう。
原因探求のための基本的なチェックポイントは5つ。この中のいずれかが、その水草の育成条件を満たしていないために溶けてしまうのです。
まずは下記5項目の確認をしてみましょう。

水質

多くの水草は弱酸性の軟水を好みます。
自分の水槽の水質はどんな水質なのかご存じですか?一度、自分の水槽の水質を計ってみてはいかがでしょうか?

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水温

多くの水草は24℃前後の水温が適温といわれています。実は熱帯魚よりも少し低めを好むものが多いのです。また、日本産の水草や北米原産の水草は20℃前後を好みます。
自分の水槽の水温は何度に設定されていますか?水温が高すぎてしまったり低すぎてしまったりということはないでしょうか?

光量

光は水草が育つ上で非常に重要な条件です。多くの水草の育成には60cm水槽で3000lmの光の強さのライトが必要です。今、水槽で使用しているライトは水草の育成向きのライトでしょうか?
また、照射時間は8~10時間が一番水草が育つ長さです。極端に照射時間を短くすると水草の育成にも影響が出てきてしまいます。

お勧めはやっぱりアクロLED。

CO2

多くの水草をきれいに育てようと思った場合、基本的にCO2の添加は必須と考えてください。自分の水槽に、しっかりとCO2の添加をしていますか?
もちろん例外的にCO2の添加なしで育てられる水草もいくつかあります。

肥料

自分の水槽の水草に肥料はちゃんと与えていますか?……え?魚とエビがいるから肥料はいらない?そんな水槽の場合、もしかして肥料が不足している可能性もありますよ。
植物の基本栄養素は「窒素」「リン」「カリウム」+「微量元素」。水槽で水草を育てると不足してしまうのは主に「カリウム」と微量元素である「鉄」といわれています。手軽に追肥ができる商品はたくさんあります。ぜひ肥料を与える習慣を身に付けてみませんか。

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まだまだある水草が溶ける理由

同居の生き物に食べられている

プレコや金魚、コイ系の熱帯魚などは水草をかじったり引き抜いたりします。また、一部のカラシンも安心できません。草食性の強いモンクホーシャなどのカラシンも食害を引き起こすことがあります。

また、コケ対策で入れているエビもかなりの頻度で水草をかじって穴だらけにすることがあります。
そして食害ナンバーワンは貝。コケを取ってくれる一方、コケが無くなると水草まで穴をあけてしまうのです。

草食性の強いモンクホーシャ
よくコケを取る一方、水草もかじるヤマトヌマエビ
食害ナンバーワンは貝。これは石巻貝です。

穴が開いたりかじられたりした部分が傷つき、そこから水草が溶けてしまうこともあるのです。
基本的にえさ不足となると水草をかじりますので、飼育生体たちが満足してくれるようにしっかりと適切な給餌を行いましょう。

食害で穴の開いた水草
水草を食べつくす勢いのヤマトヌマエビ
食害に遭うと水草が水面に浮きます。

水中化してるだけ

水上で育てられた水上葉を植えると、一旦溶けてから水中葉が展開していきます。これは水上葉が水中化するために避けては通れない「溶け」なのです。

もう何も言わずにこれ読んで?

コケ抑制剤・除藻剤を使っている

もしかして…もしかしてですが、コケ抑制剤や除藻剤を使っている水槽に水草を入れていたりしませんか?コケ抑制剤や除藻剤は、水草の育成に影響をあたえます。たとえ「水草水槽にも使用OK」と書いてある商品だったとしても、少なからず影響が出てしまうこともあるのです。

溶ける理由を水草ごとに解説

トニナ・スターレンジ

トニナ・スターレンジは難易度の高い水草で、水温が高かったり水質があっていなかったらすぐ溶けてしまいます。
限られた水質で育つ育成範囲の狭い水草で、強酸性・軟水を好みます。日本の水道水は全国平均pH7.5の弱アルカリ性のため直接水道水で育成するのは困難と考えてください。育成にはpH・kH・GHを著しく下げる効果のあるソイルなどを用い、それでもpH・GHが下がらなければRO水を作ってCO2添加でpHを下げるなど工夫が必要です。高温にも弱く、最適な水温は22~25℃。夏などはファンやクーラーなどでの対策が必要になります。28℃以上になると調子を崩す可能性が高まります。

アヌビアス

いろいろなものに巻き付けた状態で販売されるアヌビアス

アヌビアスが溶ける理由は根茎などにダメージを受けている可能性があります。ダメージを受けている箇所ははさみできれいに切ってあげましょう。
基本的には環境にうるさくないアヌビアスですが、急な温度変化(特に低水温)や底床に埋め込んでしまった場合などに調子を落とすことがあります。真新しいソイルを使用した水槽や、RO水で維持している水槽など、極端に硬度の低い水槽でもやはり調子を落とすことがあります。いくら育成難易度の低いといわれるアヌビアスでも注意すべき点はしっかりと守りましょう。

エキノドルス/アマゾンソード系

エキノドルス レナ ラタイ便

エキノドルス/アマゾンソード系のロゼット状の葉を展開する水草に多い溶ける原因は植え替えにあります。
しっかりと根を張るエキノドルスは、肥料分の吸収の多くを根から行うため、植え替えを行うと株が弱ってしまいます。そのため、頻繁に植え替えを行うと株自体の体力を消耗しきってしまい、成長が止まったり、最悪枯死してしまう場合もあるので注意が必要です。
どうしても植え替える必要がある場合は、思い切って根をバッサリ切ってしまうと良いです。

バリスネリア

バリスネリアは育成が簡単な水草の代表種ですが、水草としては例外的に弱アルカリ性を好み、pHが下がりすぎると溶けてしまうことがあります。
弱アルカリ性~中性かつ若干の硬度がある水質での育成を心がけましょう。
また、「水草その前に」で処理をすると溶けてしまうことがあります。

カボンバ系

カボンバ系水草は、実は非常に育成難易度が高いもの。カボンバが比較的よく売られているからといって育成難易度が簡単なような錯覚を覚えますが大間違いなのです。特に「レッドカボンバ」「イエローカボンバ」などに手を出すと、水質管理がうまくいかずに溶けてしまうことが多くあります。
レッドカボンバは通常のカボンバと違い、軟水でないと調子を崩します。また、イエローカボンバは通常のカボンバに比べて育成が難しく、極端にpHが低い水槽では溶けてしまう場合があります。

クリプトコリネ系

クリプトコリネ系の水草は非常に繊細です。移植や植え替え直後、一度は葉っぱを落とす(溶ける)ものと理解しておくといいでしょう。植え替えたら溶けるのがデフォルトです。それを知っているといざ溶けた時に焦らないで済みます。

溶けた水草はどうすればいいのか

溶けだした水草を発見したら、その部分はすぐに水槽から取り出しましょう。溶けた水草が水質悪化の原因となってしまうからです。溶けだした部分をハサミでカットして取り除くと良いでしょう。
その後、何が原因なのかを考えて、水槽環境の見直しを行ってください。

まとめ

水草用ライトの使用、CO2添加、水草用ソイル使用でほとんどの水草の育成はグッと簡単になります。もし水草育成に悩んでいるのでしたら思い切って使用機材の見直しをしてみるのが一番の近道かもしれませんね。

今日のチャーム先生

本日登場してもらったチャーム先生は、関東平野も途切れた群馬県の山沿い出身の生粋の水草アクアリスト先生です。charmの地元群馬に生まれ育ったワイルド個体。おばあちゃん子なので同年代の群馬県民よりも上州弁がきつめです。
好きな水草はエキノドルス オゼロット
半ズボン率の高い永遠の水草少年。それが今日のチャーム先生です。

チャーム先生は恥ずかしがり屋。顔出しは絶対NGとのこと。
投稿者
黒デメキン

犬と馬とリクガメが好き。
友人の自宅で生まれた黒出目金を稚魚から2匹飼っている。
口癖は「自分、アクアリウムに興味がない初心者なんで」。
うっかり詳しいなんて社内で言った日には、アクアリウム知識マウントの争いに巻き込まれて不要な怪我を負わされてしまうのです。

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