ブセファランドラの上手な育て方

種類解説(水草)
種類解説(水草)育成テクニック

みなさんこんにちは、Tです。今回のテーマは陰性水草の中でもレイアウター・コレクター共に大人気の「ブセファランドラ」の育成方法についてです。育成している読者の方も多いのではないでしょうか?それではいってみましょう。

ブセファランドラの特徴

分類サトイモ科ブセファランドラ属
別名ブケファランドラ
pH5~7.5
GH0~6
CO2無くても可
1滴/3秒
主な原産地インドネシア ボルネオ島

ブセファランドラはインドネシアの固有種でボルネオ島原産の水草です。クリプトコリネ等と同じサトイモ科に属し、アヌビアスなどと同様に石や流木に活着する性質があります。非常に多くの品種があり、花を咲かせる水草の中では珍しい種類です。アクアリストの間では「ブセ」の愛称で親しまれています。

ブセファランドラの花。仏炎苞(ぶつえんほう)といわれます。

バラエティーに富んだ品種も魅力の一つ。

代表的な品種

まずは代表的な種を紹介します。

ブセファランドラsp.クダガン

学名:Bucephalandra sp.“Kedagang”

光沢のあるラメが輝く葉が美しい品種です。ブセファランドラの中でも特に人気で、ポピュラーな品種と言って良いでしょう。青みがかった葉と赤い茎のコントラストも魅力の一つです。

豆知識

学名に記載されている「Kedagang」。クダガンとは地名のことですが、実は「Kedangan」が正確。世界に先駆けて日本に入荷された際、「Kedagang」と誤植してしまい、それが世界各地に広まっていきました。

ブセファランドラ・グリーンウェービー

学名:Bucephalandra sp.

他のブセファランドラよりも明るい緑色をしており、水槽内を明るい雰囲気にしてくれます。グリーンウェービーの名前のとおり葉のふちが波打っているのが特徴です。

ブセファランドラ・ティア

学名:Bucephalandra sp.

株が比較的小さい頃は、葉が丸いですが成長すると少し細長くウェーブかかかった形になっていきます。ラメ質が多く、密生させると非常に美しい品種です。

ブセファランドラ・アップルリーフ

学名:Bucephalandra sp.

葉の大きさが中~大型になる種類です。株が小さい時は丸型で緑色の葉ですが成長と共に赤みが増し、りんごの葉のような楕円形になります。大きく育つと葉脈のグラデーションが美しく発色し、きめ細やかな光沢とラメ質が現れます。

育成のポイント

ここからはブセファランドラの育成のポイントをご紹介していきます。

水草の性質

底床に植えて育成することも可能です。しかし、活着する性質を持っているので基本的にはレイアウト素材に巻きつける等、水草の性質を活かした育成方法をおすすめします。成長はとても遅いです。

葉が黄色?

ブセファランドラの葉が黄色に!何かの症状と思われがちですが、株の根元や新芽が黄色いのは成長しているサインなので安心してください。葉の先端から黄色くなっている時は、何かのトラブルを抱えている場合が多いです。

水質

多くの水草に適した弱酸性から中性で問題ないでしょう。大磯砂での管理のほうがきれいに育つ傾向があり、若干の硬度が必要と考えられています。また、水質の悪化に敏感なので注意しましょう。

水温

水温の目安は約20~約26℃です。冬は加温、夏は保冷を行って常にこの水温帯を維持できるように心がけましょう。

ブセファランドラは弱い光でも育つ陰性水草(いんせいみずくさ)の一種なので、光量はそこまで必要ありません。弱い光を7時間程度照射 することがきれいに育成するポイントです。

CO2

CO2は無添加でも育成が可能です。CO2を添加すると生長スピードが格段に上がります。
じっくりと生長を楽しみたい方は無添加で育成、レイアウト完成を早めたい方は添加して育成する事をおすすめします。

肥料

ブセファランドラの仲間は肥料が不要な種類が大半です。成長が遅い水草の為、肥料添加をすることでコケがつきやすくなってしまう可能性があります。

底床

基本的にレイアウト素材に活着させるのであまり気にする必要はありません。一緒に入れたい生体や水草に合わせて底床を選びましょう。

OK
ソイル(弱酸性に傾ける)
大磯砂(弱アルカリ性に傾ける)

砂(弱アルカリ性に傾ける)
砂利(弱アルカリ性に傾ける)

これらの底床は水質を弱酸性または弱アルカリ性に傾ける作用を持ちます。水質の適応範囲が広いブセファランドラなら、これらの底床を使用して育成が楽しめます。

NG
サンゴ砂(強アルカリ性に傾ける)

こちらの底床は水質を強アルカリ性に傾ける作用があります。ほとんどの水草・熱帯魚の育成や飼育には向いていません。海水魚や一部のアフリカンシクリッドの飼育には最適な底床です。

管理のポイント・注意事項

殖やしかた

根茎を切り分ける「株分け」で殖やします。切り分けて流木や石に巻き付ければ成長していきます。また成長したら根茎を切り分けるを繰り返し行うことで、どんどん殖やすことができます。

コケの発生

ブセファランドラは成長がとても遅いため、水槽内の栄養素が多くなると葉にコケが発生しやすくなります。コケは発生の予防に努めることが大切なので、あらかじめミナミヌマエビなどの生体を導入して対策しておきましょう。その一方、食害の標的にもなりやすいため、コケが除去できたら別の水槽に生体を移しておくなどの処置を取りましょう。

溶けてしまう

ブセファランドラの葉や茎が溶けてしまう原因にはいくつか原因があります。

栄養不足
物理的ストレス
急激な環境の変化
周辺機器の問題

栄養不足

ブセファランドラは根から栄養を吸収しますが、近くに栄養となるものがない場合、葉が溶けたり白くなったりします。

物理的ストレス

レイアウト素材に固定させるために巻いたビニタイ等がきつすぎるなど、通水性が悪くなったことでそこから腐って溶けてしまうことがあります。

急激な環境の変化

水温や水質など、育成している環境が急激に変化すると、対応しきれず葉が溶けてしまう場合があります。ブセファランドラは水質の変化・悪化に敏感なため、十分に注意しましょう。

周辺機器の問題

CO2の添加量は適切か?フィルターに問題はないか?適切な規格か?など、周辺機器がトラブルを抱えていたり、そもそも適切な規格でなかったりする可能性を考えます。機材のメンテナンス・チェックを行うと共に、もう一度スペックなどを見直しましょう。

葉の変色

株の根元や新芽が黄色い場合は、水中葉であれば肥料不足などが考えられます。一度に大量の肥料を添加するとコケが発生やすいので、様子を見ながらごく少量ずつ添加をしてみてください。水上葉であれば、肥料不足に加え、酸欠の可能性があります。酸欠の場合は、根が鉢の中で密になっている場合が多いので、植え替え作業を行いましょう。

水草担当者秘蔵の品種を激写!

情報サイトの編集長Sより、「水草管理エリアにブセファランドラの達人がいる。珍しい品種を隠し持っているかもしれないので、取材してくるといい」との提案が。

これは取材しない手はない! さっそく、水草管理エリアに突撃します。今回取材したのは、チャーム内でも「水草で右に出る者はいない」と言われる佐々木さんです。

佐々木さん
チャームの水草管理エリアの中でも「水草のことで困ったら佐々木さんに聞け」と言われるほど知識が豊富。特に、ブセファランドラが大好きで、魅力的なブセファランドラを提供できるように入荷、育成を担当している。少々恥ずかしがりやな一面も。

佐々木さんから、「これは相当マニアックなブセだ」と目を輝かせながら2品種を紹介してもらいました。

テバカン

学名:Busephalandra sp. Tebakang

有名なTBさんが2011年に日本に導入したブセファランドラです。葉先が丸く、葉縁にウェーブが乗る美種!現在増殖中です。

TBさん(Team Borneo)について』

業界を代表するプランツハンターで、日本にブセファランドラを広めたパイオニアです。

ゴライアス

学名:Bucephalandra cf. Goliath

ブセファランドラの中でも大型になる種類の1つです。「最大40cmくらいになる激ヤバのブセなんだ!」と興奮気味にご紹介いただきました。写真のゴライアスは養生中で、増殖にも挑戦しているとのこと。販売は未定だそうです。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は水草好きが一度は通るであろうブセファランドラの魅力をお伝えしました。非常に多くの品種が展開されていますが、それぞれに個性があってコレクション性も高く、集めてみるのも面白いでしょう。育成したことがない方はこれを機に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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