みなさんこんにちは、Tです。今回は大きな葉が特徴の「エキノドルス」についてご紹介します。大型に成長する種類も多く、水草レイアウトにインパクトやアクセントを加えてくれる種類です。
それではいってみましょう。
エキノドルスの特徴
分類 | オモダカ科エキノドルス属 オモダカ科アクアリウス属 |
pH | 5~7 |
GH | 0~6 |
CO2 | 無くても可 1滴/3秒 |
エキノドルスは主に南米原産の水草です。大きな葉・高い草丈がある種類が多く、センタープラントとして活躍します。海外のファームでは非常に多くの改良品種が作出されており、葉の形や色味・大きさは品種によってさまざまです。
代表的な品種
まずは代表的な種を紹介します。
アマゾンソード
学名:Echinodorus amazonicus
明るい緑の葉を持つやや大きくなる種類で、ハイグロフィラやアヌビアスと並ぶ入門種としてオススメの種類です。オゼット系の中では知名度が高い水草で、CO2添加も必須ではありません。魚メインの水槽でも育つことから、エンゼルフィッシュの産卵床としても利用されています。大きく育てたものは葉が数十枚に及ぶこともあり、小型魚などの隠れ場所としても最適です。明るい緑の葉の隙間から色とりどりの熱帯魚が見え隠れする様子は非常に見ごたえがあります。
通常アマゾンソードよりも葉幅が広いタイプのアマゾンソード ブロードリーフ
エキノドルス・ウルグアイエンシス
学名:Echinodorus uruguayensis
深緑色の美しく細長いテープ状の葉を展開する大型種の代表です。
育成は比較的容易で、ソイルを使用した環境で弱酸性の水質を保ち底床肥料を中心に管理を行います。
茶色の斑が入った改良品種 エキノドルス ウルグアイエンシス バリエガータ
エキノドルス・テネルス
学名:Echinodorus tenellus
エキノドルスの中では最も小型の種類です。レイアウト水槽内ではグロッソやヘアーグラスと混植し自然なイメージを出す目的で好んで使用されます。前景草としては育成が簡単な部類に入りますので、小型魚やエビ等の小さな生体を重視した水槽での使用にも向きます。
葉が幅広いブロードタイプ
エキノドルス・オゼロット
学名:Echinodorus “ozelot”
Ech.スキルウェテリィ レオパードとEch.バーシーの交配でできたものです。丈夫で育成が容易で、成長が速いです。新芽のみ全体的に赤くなり、葉が古くなるにつれてオゼロットグリーンのような色合いとなります。
明るい緑色が特徴のオゼロット グリーン
エキノドルス・ハディレッドパール
学名:Echinodorus sp.
鮮やかな赤い丸葉が特徴的な種です。大きく成長しても30cm程度とあまり大型化しないので、90cm水槽のセンタープラントとして活躍するでしょう。新芽が特に鮮やかに色付きます。植え込むときは、新芽が見えるようにすると見栄えよく育ちます。
エキノドルス・ルビン
学名:Echinodorus “Rubin”
細葉で赤みの強い品種です。比較的大型になる種で、大型水槽で育成するとセンタープラントらしさが出て良いでしょう。最近ではルビンの名前で出回るものは、昔よりも葉幅が細いタイプが多く見受けられます。
通常より草丈が低い エキノドルス・ルビン ナローリーフ
エキノドルス・オパクス
学名:Echinodorus.opacus
深緑系原種エキノドルスの代表種です。生長が遅く、小型で丸葉のため人気の高い種です。葉脈は5本で薄緑色ではっきりとしています。葉脈と葉色のコントラストが大変美しいです。花茎を上げることはほとんど無く、24~25℃未満の低水温、水上なら極度の湿度がある場所で自生しています。
エキノドルス・サターン
学名:Echinodorus.opacus
原種系、深緑エキノドルスの中で最も葉がゴワゴワとして葉面の凹凸が激しいエキノドルスです。また生長が原種系の中では最も遅い部類に入ります。葉形は卵形ないし円形に近く、葉の基部は浅い心臓形です。葉脈は通常5本で、葉脈間の筋ははっきりとし、葉表の凹凸は葉脈と筋によって強調されます。葉身は葉柄よりも短いです。葉は根茎から概ね交互に出ます。
エキノドルス ポルトアレグレンシス
学名:Echinodorus opacus
オパクスやサターンと比べて長くウェーブがかった葉が特徴です。かつては深緑エキノドルスの入門種として親しまれていました。産地により葉の長さや葉幅が変わってくる傾向があり、バリエーションも多く流通していました。現在ではオパクスやサターンと比べて日本国内での流通はほとんど見られなくなっています。
育成のポイント
ここからはエキノドルスの育成のポイントをご紹介していきます。
水草の性質
底床に植えて育成します。根をしっかりと張って成長する種類なので一度植え付けた後の不用な植え替えは極力避けましょう。水草の移動が頻繁に行われることが予想される時や、環境が合えば際限なく大きくなるエキノドルスをレイアウトのために大きくしすぎたくない場合は鉢植えで管理すれば問題ありません。
水質
多くの水草に適した弱酸性から中性で問題ないでしょう。
水温
エキノドルスの育成に適正な水温の目安はおよそ20~26℃です。特に、夏場の水温上昇に特に注意します。
光
エキノドルスは環境の変化によってその姿を変える種類が多いです。特に葉の色味は影響されやすいことが知られています。水草育成用のLEDライトを使用すれば、問題なく育成が可能でしょう。
CO2
CO2は無添加でも育成が可能ですが、CO2を添加した方がきれいな草姿を維持することが可能になります。特別な事情が無い限りは添加するのがおすすめです。
肥料
エキノドルスの仲間は、根から栄養分を吸収する種類が多いです。植えこむ前に固形肥料を底床に適量混ぜておくことをオススメします。また、育成中に水草の葉の色が薄いなど、栄養不足の症状が出た場合は根から離れたところに固形肥料を埋め込みます。肥料が根と近すぎると肥料やけを起こす可能性があるので注意しましょう。
底床
大磯砂などの底床に肥料を混ぜ込んで育成することも可能ですが、ソイルを使用した方が立ち上がりが早くなります。一緒に導入したい水草や熱帯魚との相性を考慮した上で選択しましょう。
管理のポイント・注意事項
殖やしかた
エキノドルスの殖やし方は「ランナー」「株分け」「シュート」の種類があります。
ランナー
エキノドルスの中でも草丈が低く、前景草向きの種類はランナーで殖やすことが可能です。
該当する種類
エキノドルス・テネルス
エキノドルス・テネルス ブロードタイプ
株分け・シュート
中型~大型エキノドルスがこの増殖方法に該当します。「株分け」はハサミなどで株を切り分けて増殖させる方法、「シュート」は花芽と呼ばれます。シュートは水上に飛び出すことも多く、その名の通りつぼみや花、芽を付けます。その部分を切り取って水耕栽培を行い発根させる増殖方法です。
該当する種類の一例
アマゾンソード
エキノドルス・ウルグアイエンシス
エキノドルス・オゼロット
エキノドルス・グリーンフレーム
コケの発生
エキノドルスは比較的成長が早く、必要栄養量も多いです。だからといって肥料を多く添加しすぎてしまうとコケ発生の原因となってしまいます。また、エキノドルスの枯れ葉は大きいものが多く、水槽内に放置しているとフィルターのストレーナーに引っかかってしまうことが多いです。コケ発生の一因になるので発見し次第早めに取り除きましょう。コケが発生したら、ヤマトヌマエビなどのクリーナーを多めに追加するなどの対策を取りましょう。
エキノドルスとクリーナーのオトシンクルスとは相性が良く、大きな葉で休んでいるほほえましい光景も観察できるかもしれません。また、エキノドルスの枯葉はオトシンクルスのエサとなり、オトシンクルスの生存率をアップしてくれます。
溶けてしまう
エキノドルスが溶けてしまうのはいくつかの原因があります。
栄養不足
物理的ストレス
栄養不足
エキノドルスは根から栄養を吸収しますが、栄養不足になると株の成長が鈍化します。そのまま放置していると株の成長が完全に止まってしまい、最悪の場合株全体が溶けてしまいます。
物理的ストレス
急激な環境の変化に敏感なエキノドルス。特に頻繁な植え替えによって、株がいじけてしまうケースが多いようです。不用な植え替えは極力避けるようにしましょう。
葉の変色
エキノドルスは古い葉から順に葉を落としながら、新しい葉を展開していきます。葉が落ちる時は、全体的に黄色く変色します。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は水草好きが一度は通るであろうブセファランドラの魅力をお伝えしました。非常に多くの品種が展開されているブセファランドラ。品種によってそれぞれ個性がありコレクション性も高いので、集めてみるのも面白いでしょう。育成したことがない方はこれを機に、育成にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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