どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介するのはシュードムギルsp.ティミカ。
水草レイアウト水槽の定番からはやや外れますが、コアな人気のあるレインボーフィッシュです。
ベースの体型はバタフライ・レインボーに似ていますが、こちらはヒレが赤くなる点が特徴です。
黄色いボディに背ビレと尻ビレが白く染まり、黒く細かなスポットが入ります。
状態良く飼育して仕上がると、尾ビレの両端が赤く染まります。
シュードムギルsp.ティミカとは

生物学的情報 | |
---|---|
名前 | シュードムギルsp.ティミカ |
学名 | Pseudomugil luminatus Pseudomugil sp.“Timika” Pseudomugil paskai? Pseudomugil sp.“Red Neon” |
別名 | シュードムギル・パスカイ ファイアーレッド・レインボー |
分類 | トウゴロウイワシ目トウゴロウイワシ亜目メラノタエニア科シュードムギル亜科 |
食性 | 雑食 |
分布 | イリアンジャヤ西部 ― ティミカ |
飼育要件 | |
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飼育しやすさ | ★★★★☆ 容易 |
入手しやすさ | ★★★★☆ そこそこ見かける |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 5cm程度 |
適正水温 | 20~28℃ |
pH | 生存可能:6.0~8.0 適正範囲:7.0~7.5 |
備考 | 水質の変化やスレに弱く、導入時注意 |
シュードムギルsp.ティミカはイリアンジャヤ西部 、 ティミカ原産のレインボーフィッシュです。
流通名は「ティミカ産のシュードムギル属の何か」といった意です。
しかし実は不明種ではないらしく、「Pseudomugil luminatus」か「Pseudomugil paskai」ではないかといわれています。
アクアリウムにおいてはもっぱら、「sp.ティミカ」の名で流通します。
本種はバタフライ・レインボーのオレンジ版といった種で、オスの背ビレと尻ビレは大きく伸長し、そのシルエットはよく似ています。バタフライレインボーと同様、メスの伸長は控えめです。
「ポポンデッタ・フルカタ」と同じPseudomugil属に分類されており、水草レイアウト水槽でも同様に群泳させることで引き立ちます。
本種はバタフライ・レインボーに比べると主張が強いオレンジの発色を示します。
この鮮やかな発色を引き立てるレイアウトを心がけると良いでしょう。
60cm水槽で20~30匹ぐらいを目安に泳がせるとレイアウトが引き立ちます。
とはいえ、適応力の高い魚種のため、ソイルと流木を組み合わせたスタンダードな流木レイアウトにも適応できます。
しかし、低硬度、低pHに偏らせた環境にするのであれば、テトラやラスボラなどを採用した方がより良い発色が見られるでしょう。
逆に言えば硬度を上昇させる素材をどうしても入れたいレイアウトに赤系の小型魚が欲しいとき、
sp.ティミカはベストマッチな組み合わせかもしれません。
シュードムギルsp.ティミカ似のレインボーフィッシュ
バタフライ・レインボー
デリケートブルーアイ・レインボー

学名:Pseudomugil tenellus
ニューギニア南部、オーストラリア北部原産のレインボーフィッシュの仲間です。
他の種に比べやや地味な体色からか、注目を浴びることは少ない種です。
しかし飼い込むほどに味わい深い魅力を発揮し、体側の金の輝きとブルーに光る目、ひときわ赤く色づく赤い背ビレは美しく、ゴージャスな雰囲気が出てきます。
デリケートの名称から飼育が難しそうな印象を受けますが、実際はブルーアイ系のレインボーフィッシュの中でも飼育は容易な部類です。
温和なので混泳にも最適です。
有用なアイテム
シュードムギルsp.ティミカの飼育に関しては教科書通りの飼育で十分対応できます。
導入時にやや弱い傾向を見せるため、水合わせは丹念に時間をかけて行いましょう。
一旦環境に慣れてしまえば、初心者の方でも飼育しやすいレインボーフィッシュです。
レインボーフィッシュ全般に共通する基本的な性質については、レインボーフィッシュ共通ページをご覧ください。
混泳について
シュードムギルsp.ティミカは非常に混泳向きのレインボーフィッシュです。
同程度のサイズのレインボーフィッシュ同士であれば基本的に問題ありません。
グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラ……
人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。






赤やオレンジが際立つ小型魚いろいろ
レイアウト重視でシュードムギルsp.ティミカとの混泳相手を選ぶ場合、2点コツがあります。
まず一つは、レインボーフィッシュを組み合わせる場合、なるべくサイズが同程度でシルエットが異なる種が良いでしょう。
「ネオンドワーフ・レインボー」や「ニューギニア・レインボー」などがオススメです。
もう一つは、テトラ類との混泳です。
性格的には一部を除き概ね問題ありませんが、本種の発色に合わせたい赤系の発色のテトラ類はpHが高いと鮮やかな発色を見せてくれず、弱酸性の水質で最高潮の発色を見せます。
この点が本種の性質とはややかみ合いません。
この場合は、本種がテトラの要求する環境に合わせる形であれば実現可能です。
本種の方が適応力が高く、緩やかな変化であれば適応できます。
ただし、pHを下げ過ぎると本種が調子を崩すことがあります。
pH6.5くらいを維持しつつ、様子を見ると良いでしょう。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー![]() | ◎ | |
プラティ・卵胎生メダカ![]() | ◎ | |
カラシン・小型テトラ![]() | ◎ | テトラ類は弱酸性を好みます。 |
コイ・ラスボラ![]() | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ![]() | ◎ | ローチ、タニノボリ系は好相性です。 ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。 |
フライングフォックス/アルジイーター![]() | ◎ | |
ドワーフシクリッド![]() | 〇 | サイズ差に注意 |
アフリカンシクリッド![]() | × | |
エンゼルフィッシュ![]() | △ | サイズ差に注意 |
ディスカス![]() | △ | サイズ差に注意 |
ベタ・グラミー・アナバス![]() | ◎ | |
コリドラス![]() | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア![]() | ◎ | |
プレコ![]() | ◎ | |
レインボーフィッシュ![]() | ◎ | |
ハゼ・ゴビー![]() | 〇 | |
フグ・パファー![]() | × | |
エビ・ビーシュリンプ![]() | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、レインボーフィッシュに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
レインボーフィッシュがトラブルの火種になることは少ないですが、レインボーフィッシュ以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
レインボーフィッシュ以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
繁殖について
繁殖については情報が少ない種です。
近縁と思われるバタフライ・レインボーでは繁殖方法が知られているため、下記の方法が有効かもしれません。
水草の繁茂したレイアウト水槽で本種を単独飼育していると水草などの基質に粘着卵を産みます。
ウィローモスなどをよく茂らせておくと良いでしょう。

ふ化後の稚魚は小さいのでインフゾリア等を用意する必要がありますが、ある程度育てばブラインシュリンプ幼生を食べられるようになります。


シュードムギルsp.ティミカ まとめ

シュードムギルsp.ティミカ。
鮮やかなオレンジの大きな背ビレと尻ビレを広げて舞う姿は、バタフライ・レインボーに近くもまた異なる趣があります。
状態良くじっくり飼育すると、オスは各ヒレが伸長し、全身が燃え上がるようなオレンジに染まります。
飼い込めば飼い込むほど、体の後半部が濃いオレンジに染まり、見違えるような美しさを見せてくれるでしょう。
ライトグリーンの草原にも、深い緑の陰性レイアウトにも、よく合うレインボーフィッシュです。

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