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今回は、カラーバリエーション豊かでコレクション性の高い小型のカニ、ドワーフクラブのご紹介です。
パルダリウム・テラリウムなど飼育環境でのバリエーションも多く、おしゃれな飼育容器も選べることからお部屋のデザインも楽しめます。
アクアリウムを始めるきっかけの種としても良いでしょう。
そんなドワーフクラブの中のゲオセサルマ属にスポットを当てたいと思います。
生物学データ
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学名:Geosesarma bicolor
分類 | ゲオセサルマ属 |
甲長・甲幅 | 2cm・1.5cm |
食性 | 雑食 |
原産地・分布 | インドネシア・スラウェシ島・ボルネオ島 |
ドワーフクラブは、インドネシア・スラウェシ島・ボルネオ島に生息する、色彩豊かな甲長2cm程度の小さな淡水カニです。
夜行性なので昼間は物陰に隠れていますが、夜になると活発に動きます。
身体が小さいためスペースを取らず、性格も温厚なので、広さのある飼育ケージを準備すれば、複数匹での飼育が可能です。
陸封型(大卵型)で幼生期はゾエアでなく、稚ガニで生まれることから水槽内での繁殖も可能となります。
陸棲の強いカニの種類で、水中飼育というよりは、テラリウム・ビバリウムなど陸地を作ったレイアウトを楽しめます。
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ゲオセサルマ(Geosesarma)属の仲間
バンパイア・クラブ
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紫と黄色の色彩がきれいなドワーフクラブ。名前の由来は鮮やかな黄色い目を持つことからつけられたといわれています。
流通が多く、ドワーフクラブの人気種の一つです。
レッドデビル・クラブ
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ハサミと背中に鮮やかな赤色をもつドワーフクラブ。バンアパイアクラブと違い、腹甲・脚が黒いことが特徴で、背中に模様が入る個体もいます。「ディープレッドバンパンア」という別名もありバンパイアクラブ同様に人気種です。
タンジェリンバンパイア・クラブ
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オレンジの背中に紫のハサミと黒い目。体格もバンパイアクラブとは違い、小さくまとまった印象を持ちます。「タンジェリンクラブ」「ブラックレッグバンパイアクラブ」「ブラックオレンジバンパイアクラブ」といった別名があります。
ブルーバンパイア・クラブ
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背中が濃い紫の下地に淡い水色がのっていて、ハサミはオレンジ、脚は黒で目は黄色のカラーを特徴としています。別名は「レインボーバンパイアクラブ」。流通数が多い、人気種の一つです。
レッドデビルカーニバル・クラブ
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ハサミ・目・脚の全てが赤く、レッドデビルより少し明度が高い赤といったイメージのカラーです。「レッドルビークラブ」「バンパイアクラブ・レッドルビー」とも呼ばれています。流通は非常に少ない希少種です。
イエローバンパイア・クラブ
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バンパイアクラブと色彩は同じですが、目が黄色やオレンジにになることがない点で判別されているようです。「ヴァンパイヤクラブ」「スーパーレッドカーニバルクラブ」という別名ももちます。流通はなく、見かけることはごく稀でしょう。
レッドデビル・クラブ フルカラーパープルアーム
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レッドデビルクラブの名前を持ちますが、ハサミは紫・背中・脚がオレンジというちょっと変わったカラーのドワーフクラブです。流通がほとんどなく、今では見かける機会がありません。
ディープオレンジ・クラブ
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ボルネオ島原産。深みのあるオレンジ色がきれいで背中に大きな白い模様が入る個体もいます。「マンダリン・クラブ」「ハロウィン・クラブ」「カリマンタン・レッドクラブ」という別名があります。
今はまったくと言っていいほど見かけることがなくなっています。
ゲオセサルマ属でもまた分岐した種もいるようです。陸棲の強い種としてご紹介しましたが、中には木の上、木の葉で生活する種もいるようです。
今回紹介できませんでしたが、レピドテルプーサ属は片方のハサミが大きいのが特徴的です。
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ドワーフクラブではあっても、どこに属しているかわからないような個体もいるようです。
ドワーフクラブはワイルド採取個体を入荷しているため、色・柄(有無)の違い、入荷時でのハサミ・脚の欠損があります。
発送時のハサミ・脚の欠損もあります。
欠損したから弱くなるということはありません。
脱皮のタイミングで再生します。(再生速度は遅くなります。ご理解ください。)
単独飼育はこれでOK!
ドワーフクラブはこれでOK!
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陸棲・水棲・半水生と多くの情報が多いこと、ドワーフクラブの中でも生活習慣が異なる個体もあり、飼育環境で悩む方も多いことでしょう。
夏場の高温や冬場の乾燥・低温管理と季節による温度調整をしっかり行う必要があります。
30cmキューブ水槽・底床(お好みの物)・水入れ(身体が浸かる水深)・エサ皿(底床管理の為)があれば飼育可能です。
飼育環境
水槽サイズ
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生体のサイズは小さく、陸棲が強いため、水入れなどを準備できれば容器に困ることはないでしょう。インテリアの一部として選んでみてもいかがでしょうか。
水槽飼育をお考えの場合、30cmもあれば複数匹飼育が可能です。
脱走が上手く、障害物や多少の壁であれば登ってしまうので十分な深さのある容器か、フタを用意する必要があります。
フィルター
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陸棲の強いカニのため、水を多く使うことは少ないです。基本的にフィルターは使わず、定期的に水換えを行う飼育方法で問題ないでしょう。
※水換えの際は必ずカルキ抜きを行いましょう。
室温・水質
熱帯地域に生息しているため、飼育時は20~28℃が適温です。15℃以上であれば生存可能といわれていますが動きは鈍くなります。
水質は中性~弱アルカリ性が最適です。
高温に強いかというとそれほど強くはありません。夏の日中、閉め切った部屋に置いておくと暑さで死んでしまうこともあります。夏の高温にも十分注意します。
湿度が保てるよう飼育容器にフタなどをします。ただし、蒸れにも弱いため、完全に密封することやガラス面がくもるほどの湿度には注意が必要です。
冬の寒い時期には、爬虫類などで使用されるヒーター類、エアコンで室温管理をする必要があります。
※水換えの際は必ずカルキ抜きを行いましょう。
底床
底床にはさまざまなものが利用できます。
大磯砂・ソイル・ミズゴケ・赤玉土・ヤシ殻・バークチップなどレイアウトして植物を植えることを考えると多くの物が使用可能です。
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園芸用のミズゴケには漂白剤がついている可能性があるので注意しましょう。
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ドワーフクラブは高めのpHと硬度を好むとされ、サンゴ砂を少量使って飼育している例もあるようです。
pHを下げる効果があるものを使いすぎないこと、水場を深く作る際にはpHを著しく下げるものを水につけないようにしましょう。
ミズゴケは湿度を上げる効果が大きく、乾燥する季節に重宝します。
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レイアウト
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石・流木・植物をレイアウトを楽しむこともできます。
植物は水質浄化にも役立ち、密生させれば隠れ家としても機能します。
コケやウィローモスは簡単に育成できます。陸地部分はソイルか赤玉土にし、コケ・ウィローモスを重ならない敷き詰めて常に湿らせるようにします。
山などでの自然採取のコケも使えますが、育成が難しい場合もあるため、枯れた部分をこまめに取り除くことを忘れないでください。
ハイドロカルチャーや亜熱帯の植物、アクアリウムの延長としてよく加湿して栽培されている湿地性の植物なども使用可能かと思います。
餌
雑食性で、動物性と植物性の両方のエサを食べています。
大食漢で餌を食べる量が多く、水が汚れやすいです。食べ残しは早めに取り除き、水換えの頻度を上げるなどして、水場の水質に注意してください。
キチン質、タンパク質、炭酸カルシウムの摂取が大事ですが、一般的な人工飼料では必要な栄養素が不足することがあります。
冷凍赤虫・乾燥赤虫・クリル・乾燥イトミミズなどの乾燥餌や冷凍餌は水に溶いて与えましょう。
人間の食べる食材でいうと、野菜類は良い植物性のエサに、煮干し・しらすはカルシウムの多い動物性のエサになります。
落ち葉も好物の一つで与えてる方もいるようです。
混泳
小型種のため混泳が可能ですが、混泳を行う場合は植物や石、流木などで隠れ家を多く用意し、餌も多く与えるようにします。
餌が少ないと共食いの原因になります。
同種以外の生き物との混泳は考えない方が良いでしょう。
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繁殖
雌雄判別は、ハサミ脚がオスの方がふっくらとしていて、メスは細い、腹甲の形がオスの方が三角形でメスは半円のような形になります。
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淡水で一生を過ごす陸封型で、ふ化した卵から稚ガニが産まれることから水槽内での繁殖が可能です。ただし、エビやザリガニと違って成長が遅く、繁殖可能な成体になるのに1~2年かかるといわれています。
ペアで飼育の際、メスの脱皮直後に交尾をし、メスは栄養をつけてから抱卵するので餌が足りないということがないようにします。
抱卵すると腹に卵が付き、ふ化しても稚ガニはしばらく親ガニにくっついていて育ちます。
(ふ化した稚ガニを背中で子育てする種もいるようです。)
水中で交尾が行われるため、全身が入る位の水深の水場を用意します。
交尾は非常にリスクが高いため、匹数の2倍以上のサイズの広さと隠れ家があると安心です。
成功確率を上げるために2・3ペアを用意します。稚ガニ生存率を考えて、交尾後のメスを別の飼育環境へ移すと良いでしょう。
まとめ
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ドワーフクラブはビギナーの方でも容易に飼育可能です。
色彩も美しく豊富なバリエーション。サイズも小さいので場所も取りません。
お部屋のインテリアアクセントとして飼育してみてはいかがでしょうか。
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