コリドラス・メリニ<熱帯魚解説>

コリドラス
コリドラス種類解説(熱帯魚)

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回ご紹介するのはコリドラス・メリニ。
明るい茶色の地肌をベースに、目と背ビレに斜めに入る黒いバンドが美しい人気の種です。
流通もまずまず見られるポピュラーなコリドラスではあるものの、実は繊細な一面を持ちます。

飼育は若干難しめで、他のポピュラー種と同じ感覚で飼育すると調子を崩すことがあります。
弱酸性での飼育がポイントです。

コリドラス・メリニとは

生物学的情報
名前コリドラス・メリニ
学名Corydoras melini
分類ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科
食性雑食
ノーズショートノーズ
メリニ系
分布コロンビア ― メタ川
飼育要件
飼育しやすさ★★★☆☆
標準
入手しやすさ★★★☆☆
ふつう
混泳しやすさ★★★★★
とても混泳向き
最大体長5cm程度
適正水温22~27℃
pH生存可能:5.0~8.0
適正範囲:5.5~6.5
備考導入時の水質の変化に敏感です。
弱酸性を好みます。

コロンビア、メタ川原産のコリドラスです。
明るい茶褐色のボディに、斜めに入るブラックバンドが美しく人気の種です。

一時期、日本への輸入が途絶えた時期もありました。
現在ではコロンビアから比較的コンスタントに入荷し、見かける機会も多いコリドラスです。

流通の多いポピュラー種の割に飼育は若干難しく、水質の変化にはデリケートで弱酸性の水を好みます。

弱酸性を好む茶色系コリドラス
メリニ
メタエ
ロクゾソヌス
アクセルロディ

「茶色系」と呼ばれるコリドラスは総じて弱酸性の水質を好む傾向があります。
できるだけpHは6.5以下に下げたほうが調子良く飼育ができるでしょう。

コロンビア原産の種に、このような特性を持つコリドラスは多いです。

pHを下げるアイテム
パワーハウス
ソフトタイプ
リバースグレイン
ソフト
テトラ pH・KHマイナス
やしゃぶし

メリニはよく似た柄を持つメタエと同じ、メタ川に由来しています。

どちらも、流通量が多い割に飼育難易度がやや高く、弱酸性の水質を好む茶色系コリドラスという点まで共通しています。
まるで兄弟のような関係性です。
(完全に別種ではありますが……。)

コリドラス メタエ
メリニとはよく似た模様を持つ、
兄弟関係のようなコリドラスです。

メタ川はブラックウォーターで有名なオリノコ川の支流にあたりますが、メタ川自体はクリアウォーターの河川となるようです。

メリニは基本的にワイルド個体が主に流通します。
メタエと違って、ブリード個体の流通は見られません。

このことから、繁殖に関してはメタエより難易度が高いものと推測されます。

目が細かい砂を使おう
田砂

コリドラスと田砂は定番の組み合わせです。

田砂の砂粒はほどよく細かいうえに角が丸く、コリドラスのデリケートな髭を傷つけない点が評価されています。

他にも、“ほどよく細かく、粒の角が丸い”砂であればコリドラスと好相性です。相性の良い組み合わせを探してみましょう。

コリドラサンド
ナチュラルネグロサンド
No.111 Spring Water
アマゾン川の白砂

一応、大磯砂でも飼育は可能です。

しかし、メリニをはじめとした茶色系のコリドラスに関しては、できるだけpHに影響が少ない砂を採用したほうが良いでしょう。


メリニ似のコリドラス

いずれも茶色系コリドラス共通の性質として、一般的なコリドラスより低めのpHを好みます。
弱酸性寄りの水質で飼育したほうが、調子良く飼育できるでしょう。

コリドラス・メタエ

学名:Corydoras metae

コリドラス・メタエはコロンビア、メタ川原産のコリドラスです。

古くから知られるポピュラーな種で、やや寸胴な体型と茶色の体色がかわいらしい種です。

アイバンドを持ち、背ビレから尻ビレ付け根にかけて黒のバンドが入ります。
メリニと異なり、背のバンドが脂ビレの根元にかかるのが相違点です。

メタエとの比較
メタエ
  1. 黒いバンドが脂ビレの根元にかかる
メリニ
  1. 黒いバンドが脂ビレの根元にかからない
    (脂ビレを避けている)

どちらもコロンビア産の茶色系コリドラスとして比較的多くの流通が見られる種です。
一見そっくりな2種ですが、脂ビレ付近の黒いバンドの入り方で区別ができます。

コリドラス・パンダ

学名:Corydoras panda

ペルー原産のコリドラスです。

かわいらしい名前から人気の種で、ベージュのボディに尾筒の黒のスポット、パンダに例えられるアイバンドが特徴的な種です。

前半分だけ見れば、アイバンドと黒い背ビレはメリニにそっくりなコリドラスです。
メリニとパンダとの違いは、体の後半部で見分けられます。

パンダは背ビレより後方の模様はバンド状ではなく、スポット状になる点が特徴です。

パンダとの比較
パンダ
  1. 尾の付け根に黒いスポットが乗る
メリニ
  1. 背に黒いバンドが入る

前半分はそっくりです。
後ろ半分は全く異なり、パンダは黒いスポットが尾の付け根に入ります。
これに対し、メリニは背に黒いバンドが入ります。

コリドラス・デビットサンジィ

学名:Corydoras davidsandsi

ブラジル、ウニニ川、ネグロ川原産のコリドラスです。

コリドラス・メリニやメタエに似たメラニンパターンを持つことから、ニューメリニなどとも呼ばれるセミロングノーズ種です。

茶色系コリドラスとしては明るめの体色を持つ種で、アドルフォイのようなオレンジの発色が頭部にうっすらと広がり、美しいコリドラスとして人気が高いです。

背ビレ付け根から尾ビレに見られる黒いラインが、脂ビレの付け根を通って尾ビレ下部まで及ぶことからメリニ、メタエなどの似た種と区別されます。

コリドラス・メガメリニ

学名:Corydoras sp.

ブラジル、ウニニ川、ネグロ川原産のコリドラスです。

ブラジル、ネグロ川原産のコリドラスです。
セミロングノーズの吻を持つやや大型になる種類で、メリニと同様の斜めに入るブラックバンドが特長の種です。

メリニに比べ体高が高く、サイズも7cm程度と大きくなるため、大型水槽での飼育が適しています。

コリドラス・ロングノーズメリニ

学名:Corydoras davidsandsi

コロンビア、メタ川水系原産のコリドラスです。

メリニによく似た模様を持つロングノーズ種で、メリニに混ざって輸入されることもあります。

メリニのような茶色の体色にバンドが背ビレから尾ビレの下葉まで見られますが、体側には不規則な模様を持つ点がメリニとは大きく異なります。

ロングノーズ種のため遊泳空間は広めに取ったほうが良く、食がやや細い点と低めのpHを好む点に注意が必要です。


有用なアイテム

おすすめの組み合わせは次の通りです。

水槽フィルター底床
30~90cm外掛け、上部、外部タブレット、顆粒(沈下性)

30cm水槽以下であれば外掛け式、それ以上のサイズの場合は上部式か外部式がおすすめです。

本種は弱酸性の環境を好みます。
底床にソイルの採用が難しいので、フィルターに弱酸性に傾けるろ材を追加すると良いでしょう。
ブラックウォーターも有効ですが、野生下で本種が生息するメタ川はクリアウォーターとなるようです。

冒頭にも述べた通り、底床には基本的に目の細かい砂を敷きましょう。

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コロンビア産の茶色系コリドラスという点を意識し、pH低めの管理が上手に飼育するコツです。

コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。

コリドラス
「コリドラス」の記事一覧です。

混泳について

メリニは非常に混泳向きのコリドラスです。
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。

テトラやラスボラといった、人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。
弱酸性の環境で発色が良くなる魚種と組み合わせると良いでしょう。

混泳相手混泳相性備考
グッピー
グッピーは弱アルカリ性を好みますが、メリニの要求に合わせ弱酸性で飼育したほうが良いでしょう。
プラティ・卵胎生メダカ
プラティは弱アルカリ性を好みますが、メリニの要求に合わせ弱酸性で飼育したほうが良いでしょう。
カラシン・小型テトラ
コイ・ラスボラ
ローチ・ボーシャ・タニノボリ
ローチ、タニノボリ系は好相性です。
ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。
フライングフォックス/アルジイーター
ドワーフシクリッド
アフリカンシクリッド
×
エンゼルフィッシュ
ディスカス
ベタ・グラミー・アナバス
コリドラス
オトシンクルス・ロリカリア
大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。
サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。
※一般的なオトシンクルスやオトシンネグロは特に問題はありません。
プレコ
大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。
サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。
※タイガー、ブッシープレコ系はトラブルを起こしにくいでしょう。
※セルフィン、ロイヤルプレコ系は力関係を要観察です。
レインボーフィッシュ
ハゼ・ゴビー
遊泳層がかぶるため、攻撃性の高い種では注意が必要です。
フグ・パファー
×
エビ・ビーシュリンプ
稚エビは食べられる可能性があります。
コリドラス・メリニの混泳相性表
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとはいえません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。

基本的には、コリドラスに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
コリドラスがトラブルの火種になることは少ないですが、コリドラス以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。

コリドラス以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。


コリドラス・メリニ まとめ

コリドラス・メリニ。

模様がよく似たメタエとは兄弟のような関係で、同じコロンビアのメタ川に分布するコリドラスです。

古くから知られるポピュラー種の割には、飼育にはひとクセある部類のコリドラスです。
バンドの入り方でメタエと見分けることができ、本種のバンドは脂ビレの付け根にかからない点で区別できます。
また、メリニの方が若干地肌の茶色が明るめの色合いであることが多いです。

メリニはメタエと異なり、ワイルド個体の流通がそのほとんどです。
ブリード個体の流通はありませんが、流通量自体は多いので入手にはさほど苦労しないことが多いでしょう。

弱酸性の環境で飼育するとより良い結果が得られるので、茶色系で固めてみるのも面白そうですね。
このような環境は赤系のテトラ類の発色が良くなる環境でもあるので、混泳させてみるのも良いでしょう。

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投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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