ひと目でわかる混泳早見表 アフリカンシクリッド編

シクリッド
シクリッド魚同士の相性について

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回はアフリカンシクリッドから見た、主要な熱帯魚との混泳相性を早見表にしてみました。
アフリカンシクリッドとそれ以外の熱帯魚を混泳させる際の判断の目安にご活用ください。

混泳におけるアフリカンシクリッドの傾向

アフリカンシクリッドの代表 アーリー
アフリカンシクリッドは基本的に他グループの魚とは
混泳は避けたほうが無難

混泳適性:×

アフリカンシクリッドはマラウィ湖、タンガニーカ湖といったアフリカの古代湖を中心に分布する、シクリッド類の総称です。

基本的に強い攻撃性を持ち、混泳に向かない熱帯魚の代表です。
弱アルカリ性に偏った硬水という一般的な熱帯魚とは正反対の特殊な水質を好むため、水質の観点でも相性が良くない魚種が多いです。

アフリカンシクリッドは、アフリカンシクリッドだけで飼育するのが良いでしょう。

アフリカンシクリッドが群泳する水槽を成功させるコツは、「過密水槽にする」ことです。

一般に過密飼育は水質の維持が難しくトラブルの原因になりやすいので奨励されませんが、アフリカンシクリッドに関しては話は別。

個体数が少ないと各々が縄張りを主張しケンカしますが、個体数が多いと逆に縄張りを持たなくなります。

縄張りを持たなくなる理由は、あまりに敵が多すぎると縄張りの防衛コストが労力に見合わないため、といわれています。

空間に対し個体数が極端に多いと、
逆にケンカを止める性質を持ちます。

その結果、アフリカンシクリッド同士で共存する水槽ができあがります。

ただしこれとは別の要素として個体間の相性はあるので、性格が合わない場合はケンカしてしまうこともあります。

代表魚種
アーリー
コバルトブルー・シクリッド
ゴールデンゼブラ・シクリッド
カメレオン・シクリッド
ラピドクロミス・カエルレウス
ネオランプロローグス・ブリチャージ

淡水魚でありながら、まるで海水魚のような鮮やかな色彩とフォルムが最大の魅力です。

混泳に「絶対」はありません

混泳に成功しやすい組み合わせ、失敗しやすい組み合わせはあります。
しかし、100%絶対にうまくいく組み合わせは存在しません。

成功しやすいといわれる組み合わせでも個体間の性格によっては失敗することもあります。
逆に失敗しやすいといわれる組み合わせでも、工夫次第で成功することもあります。
試行錯誤を要する点も、混泳の奥深さといえるでしょう。

どうしてもトラブルを避けたい場合は、単独飼育を選ぶのが無難です。


混泳相性一覧表

混泳の凡例

◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。

※混泳相手の種や個体の性格によっては、例外もあります。

混泳相手混泳相性備考
グッピー
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
プラティ・卵胎生メダカ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
カラシン・小型テトラ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
コイ・ラスボラ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
ローチ・ボーシャ・タニノボリ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
フライングフォックス/アルジイーター
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
ドワーフシクリッド
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
アフリカンシクリッド
個体数を敢えて多く入れることで、混泳が成立します。
個体数が少ない場合はケンカすることがあります。
過密にするか、または単独で飼育すると良いでしょう。
エンゼルフィッシュ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
ディスカス
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
ベタ・グラミー・アナバス
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
コリドラス
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
オトシンクルス・ロリカリア
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
プレコ
セルフィンプレコなどの大型種であれば混泳可能です。
ミニブッシーやタイガープレコなどの小型種に対しては、
アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
レインボーフィッシュ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
ハゼ・ゴビー
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
フグ・パファー
×どちらも攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。
エビ・ビーシュリンプ
×アフリカンシクリッドが攻撃性を示すため、混泳は不可能と考えたほうが良いでしょう。

アフリカンシクリッドと混泳できるオススメの熱帯魚

アフリカンシクリッドは基本的にアフリカンシクリッド以外の魚種との混泳はおすすめできません。
アフリカンシクリッド自体の気性が強いうえ、好む水質が一般的な熱帯魚とは正反対だからです。

アフリカンシクリッド同士で、なるべく過密気味に混泳させるのがおすすめです。

アフリカンシクリッド系

アーリー、コバルトブルー・シクリッド、ゴールデンゼブラ・シクリッド、カメレオン・シクリッド、ラピドクロミス・カエルレウス、ネオランプロローグス・ブリチャージ など

アーリー
最大サイズ:約15cm
コバルトブルー・シクリッド
最大サイズ:約12cm
ゴールデンゼブラ・シクリッド
最大サイズ:約12cm
カメレオン・シクリッド
最大サイズ:約10cm
ラピドクロミス・カエルレウス
最大サイズ:約10cm
ネオランプロローグス・ブリチャージ
最大サイズ:約10cm

混泳させる際は、サイズが同程度の種類を組み合わせましょう。

サイズ差が大きくなる組み合わせは、幼魚のうちは混泳できても将来的に危険になることもあります。
将来を見越した魚種の選び方が重要です。

どうしても混泳させたい場合

アフリカンシクリッドを主役に据え、他の魚とどうしても混泳させたい場合は次のポイントを意識します。リスクは高めです。

「ポートホールキャット」や「シノドンティス」などの中型のナマズ系、中大型のプレコ系であれば混泳が成立することがあります。
シクリッドより小さいと攻撃対象になりうるため、シクリッドよりも一回り以上大きい個体が理想的です。

ポートホール・キャット
シノドンティス・ペトリコラ
セルフィン・プレコ
ヒポ・プレコ
  • 混泳させる場合は底床にはサンゴ砂ではなく、大磯砂または砂系を使用します。
  • pHは7.5~8.0くらいを目安に調節します。
  • 低層魚に対して興味を示すかどうかは個体の性格次第となる要素が大きいです。
    興味を示さない場合、混泳に成功することもあります。
  • 念のためシェルターなど隠れ家は入れておきましょう。
    もしシクリッドに狙われても逃げ込むことができます。

これらのポイントを押さえることで、シクリッドの個体の性格次第では混泳に成功することもあります。
ただし、互いの様子をよく観察し、必要に応じてシェルターを増やすなど隔離の準備はあったほうが良いでしょう。


アフリカンシクリッドと混泳できない熱帯魚

アフリカンシクリッド以外のほとんどすべての魚種とは混泳が難しいという認識でOKです。


混泳に注意が必要な種

アフリカンシクリッドは全体的に混泳に注意が必要ですが、いくつかより注意を要する種類を個別にピックアップして紹介します。

「ニンボクロミス」「ブッコクロミス」「カンプソクロミス」の3グループが特に注意が必要です。

ニンボクロミス・ベネスタス

学名:Nimbochromis venustus
最大サイズ:30cm

マウラィ湖原産の中型シクリッドです。
迷彩模様が特徴的で、成熟したオス個体は背鰭は黄色く、頭部は青く発色する大変美しい種です。

本種はフィッシュイーターで、魚食性の強い種です。
待ち伏せて獲物を狙うことが知られています。

飼育は容易で、サイズが同程度なら混泳も可能ですが、力関係などに十分注意してください。

ブッコクロミス・ローデシィ

学名:Buccochromis rhoadesii
最大サイズ:30cm

アフリカ、マラウィ湖原産のシクリッドです。
幼魚では背ビレ付け根から尾ビレ付け根まで見られる黒いラインが特徴的な種で、頬やヒレに見られる黄色とブルーの体色のコントラストが魅力的です。

オスは成熟と共に黒いラインは目立たなくなり、さらに青い体色とヒレの黄色の発色が強くなります。

同種間では争い、他魚を追い回したりと気の荒い部分を見せます。
魚食性が強いので成長とともに生餌を与えると良いでしょう。

カンプソクロミス・カエルレウス

学名:Champsochromis caeruleus
最大サイズ:35cm

アフリカ、マラウィ湖原産のシクリッドです。
幼魚の内はイワシのような銀色の地味な姿をしていますが、成長と共にその特徴と魅力が増してくる大型種です。

細長い体型に鋭く突き出た下顎は、まるで恐竜を思わせる姿をしています。
大型個体では赤い発色が現れ、他種には無い迫力のある姿を見ることができます。
外見通りに気性は荒く、サイズの合わない個体との混泳は避けたほうが良いでしょう。


続いて、食性に注意が必要な2グループを紹介します。
「クセノティラピア」などの通称サンドシクリッドと呼ばれるものと、「エレトモダス」などの藻食性のもの、この2グループは特にエサに関して注意が必要です。

エサが十分に行き渡らないと痩せてしまいやすいグループです。

クセノティラピア・フラビピンニス

学名:Xenotilapia flavipinnis
最大サイズ:12cm

タンガニィカ湖原産のシクリッドです。
砂地に適応したサンドシクリッドの一種で、丸みを帯びた頭部と体型が特徴的な種です。

底砂内の餌を積極的に探す習性を持っており、沈下性の餌を好みます。
底砂にはできるだけ目の細かいものを用いたほうが良いでしょう。

エレトモダス・シアノスティクタス

学名:Eretmodus cyanostictus “Kasanga”
最大サイズ:9cm

タンガニィカ湖原産のシクリッドです。
砂地に適応したハゼ型のサンドシクリッドで、シクリッドとは思えないようなユニークな体型が特徴的な種です。

生息地では尖った口で付着藻や微生物を主食としているといわれています。
藻を中心に食べるため、水槽内にコケが生えていた方がむしろ都合が良いです。


混泳成功例について

ブログやSNSなどのメディア上で、アフリカンシクリッドと他魚種との混泳成功例を見かけることがあります。

実際に個体の性格や、水容量、各魚種の力関係のバランスなどが上手に噛み合うと、混泳に成功する場合がたまにあります。

シクリッドは個体による
性格の差が大きい。
基本的には荒めのものが多い。

しかし、この成功はアフリカンシクリッドの個体の性格による部分が大きく、誰もが真似して同じように成功するものとは限りません。

また、魚種の追加やメンテナンスなどで環境のバランスに少しでも変化が加わると、この力関係が崩壊して途端にトラブルが発生することもあります。

混泳に失敗した水槽を敢えて紹介することはふつうしないため、たまたま上手くいった映像だけが紹介されているのです。

混泳に絶対はありません。
このため、100%上手くいく組み合わせはありませんが、100%失敗する組み合わせもありません。

失敗する確率のほうが高いので他魚種との混泳は推奨できませんが、知識として把握しておくと、どこかで役に立つかもしれません。


他魚との混泳は難しいけれど……

アフリカンシクリッドは総じて他魚との混泳は難しいグループです。

しかし、淡水魚でありながらまるで海水魚のような鮮やかなコバルトブルーを示す熱帯魚は他にいません。

改良品種のような鮮やかな黄色の色彩を持つものもいますが、野生で自然な色彩として、淡水魚でこの発色が見られるのだから驚きです。

改良品種も盛んに作出されており、選択肢自体は実は結構多いです。

コレクション性があるという点も魅力といえます。

さまざまな改良品種
スノーホワイト・シクリッド
トリカラー・ピーコックシクリッド
ストロベリー・ピーコックシクリッド
アルビノ・ストロベリー・ピーコックシクリッド

生息環境の水質は弱アルカリ性で硬度が高く、これは南米やアジアの熱帯魚が好む水質とは真逆で異質です。
アフリカの古代湖、マラウィ湖やタンガニィカ湖が育んだ神秘の一つといえるでしょう。

地の利を活かそう

お住いの地域の水道水の硬度が高い場合、水草や南米の熱帯魚がうまく育たず苦戦することがあります。
RO水の導入も検討したいところですが、そんな時にはアフリカンシクリッドを始めてみるのもありかもしれません。

南米の魚種がなじみにくい環境は、アフリカンシクリッドにとっては良くなじむ水質の可能性が高いです。

人とは違う貴方に

「人と同じものはイヤ」「普通の魚はもう見飽きた」

そんな捻くれ者の貴方の期待に、きっと応えてくれる熱帯魚です。

キフォティラピア・フロントーサ 6バンド

アフリカンシクリッドの混泳 まとめ

アフリカン同士の混泳が無難
  • 総じて他魚との混泳は難しい熱帯魚です。
    アフリカンシクリッド同士を過密気味に混泳させるのが良いでしょう。
  • 個体数が少ない場合は、できるだけ遊泳スペースを広くとるようにします。
  • アフリカンシクリッドは独自の性質が強いです。
    他人と同じ魚は結構、そんな我が道を歩みたい方の期待にきっと応えてくれます。
投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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