コリドラスはざっくりと大別すると、「ショートノーズ」「セミロングノーズ」「ロングノーズ」「ラウンドノーズ」「ミニコリ系」「エレガンスタイプ」の6グループに分けることができます。
今回はこのうち、ロングノーズ についてまとめました。
スマートな最上級コリドラス
「ロングノーズ」はコリドラスの中でも急流に適応したタイプで、飼育環境も少々特殊となり上級者向けといえるグループです。
「ベントノーズ」とも呼ばれます。
この2形態は区別されることもありますが、この記事では同じものとして考えます。
学名が未決定の不明種の場合、「コリドラス・ロングノーズ〇〇」と呼ばれることも多いです。
表記が長くなるので、「LN」と略すこともあります。
このグループのコリドラスは一般にスマートな体型に長い吻を持ち、この吻を砂の奥深くに突っ込んで餌を探します。
ロングノーズ系コリドラスは、飼育しやすいといわれるコリドラスの中では飼育難易度が高めのグループとして知られます。
しかしその特殊性が、マニアの憧れを惹きつけてやみません。
今回はそんな“ふつうじゃないヤツら”、ロングノーズ系コリドラスの魅力に迫ってみましょう。
ロングノーズ系のみどころ
- スマートで整った体型がカッコいい
- 入荷が少なく希少性が高い
- デカい!迫力がある!
- 特殊な飼育環境を要求するため、技量が必要
スマートで整った体型がカッコいい
ロングノーズ系コリドラスの体型は全体的に流線型をしています。
ころころした体形のショートノーズやラウンドノーズのかわいらしいイメージとはうって変わり、シャープで端整な印象です。
この体型は流れのある環境に適応した結果といわれています。
通常のコリドラスよりも吻が長いことで、底床のより奥深くに埋まっている餌を探し当てることができます。
一般的なコリドラスとは一味違った生態も魅力的です。
入荷が少なく希少性が高い
ロングノーズ系コリドラスは基本的にブリードが確立している種が少なく、入荷は基本的にワイルド個体がメインです。
一度の入荷数が多くないこともあり、他のタイプのコリドラスのようにいろいろな種がいつでも入手できるわけではありません。
「レア度が高い」といった側面でも、人気があります。
デカい!迫力がある!
ロングノーズ系コリドラスはとにかくデカい!
一般的なコリドラスは5cm前後とかわいらしいサイズが多いのですが、ロングノーズ系コリドラスでは7cmを超える種は珍しくありません。
ナルキッススのように、10cm近くまで大型化するものもいます。
餌を探す仕草も、かわいらしいというよりは、豪快で迫力があります。
ぜひ、大型水槽で楽しみたいコリドラスです。
特殊な飼育環境を要求するため、技量が必要
ロングノーズ系コリドラスはその特性上、「水流」「溶存酸素」の2つの条件を通常のコリドラス飼育に加えて要求するものがいます。
生息地の特性上、高水温に弱いものも多いです。
これらの要求も、一般的なコリドラスとは一味違う生態を持つため。
野生下での生態を再現し、最高の状態に仕上げるには少し技術が必要です。
かわいい系というよりは、どちらかといえばカッコいい系。
入荷が少なく、ロングノーズの時点で少しレア。
ふつうのコリドラスに比べて、大きく迫力があり、その上技量を要求する……。
これらの要素を踏まえると、総じてマニア向けといえるグループです。
ふつうのコリドラスでは飽き足りない。
腕に自信のある方は、ぜひロングノーズ系コリドラスの飼育にチャレンジしてみましょう!
飼育のポイント
ロングノーズはコリドラスの中でも飼育難易度に関しても最上級です。
他のタイプで培った技術を、ロングノーズの特性を把握した上での応用が試されます。
ロングノーズ系のコリドラスは、流速のある渓流のような河川を好むといわれます。
一般的なコリドラスとの大きな相違点です。
このような環境を飼育下で再現するためには、基本的なコリドラスの飼育方法に加え、
「溶存酸素」
「水流」
の2点を押さえるよう意識します。
種によっては高温に弱いため「低水温」の維持も重要です。
それ以外は一般的な熱帯魚の飼育が可能な設備がそろっていればOK。
底床を目の細かい砂に変えてあげれば、完璧です。
飼育用品をそろえよう
最低限これだけあれば飼育可能
できればあると有効
フィルター
ショートノーズ系コリドラスは水質に敏感ではない種がほとんどです。
外掛け式、上部式、外部式の3種からであれば、どれを選んでも問題ありません。
水槽サイズが30cm以下の場合は外掛け式、45cm以上の場合は上部式か外部式がおすすめです。
枠付き水槽なら上部式、オールガラス水槽なら外部式を選ぶと良いでしょう。
底床
一般的な熱帯魚と比較して、コリドラスが唯一注文を付けてくるポイントです。
田砂に代表される目の細かい砂は、コリドラスと相性が良い定番の組み合わせです。
田砂の砂粒はほどよく細かいうえに角が丸く、コリドラスのデリケートな髭を傷つけない点が評価されています。
他にも、“ほどよく細かく、粒の角が丸い”砂であればコリドラスと好相性です。相性の良い組み合わせを探してみましょう。
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ヒーター
コリドラスが好む水温は、種によって多少の差はありますがおよそ22~27℃の範囲を好みます。
ロングノーズ系のコリドラスは生息環境の関係上、やや低水温を好む傾向があります。
しかしいくら低水温を好むとはいえ、熱帯魚であることには変わりません。
日本の気候で飼育するためには、基本的にヒーターは必要です。
水槽サイズに合ったW数の製品を選びましょう。
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水流ポンプ
ロングノーズ系コリドラスには水流ポンプ(サーキュレーター)も有効です。
主に海水魚やサンゴ水槽で利用されるアイテムですが、淡水でも水流を好む魚種にとって理想的な環境を作り出せます。
フィルターの水流では足りないと感じたら、導入を検討してみましょう。
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エサをそろえよう
おすすめの4種
コリドラスはさまざまなエサを食べますが、特に有用なものをピックアップすると次の4種です。
人工飼料
どちらかといえば顆粒のほうがおススメ
コリドラスに与える餌と言えば、専用飼料となるコリドラス用タブレット、通称:「コリタブ」がまず思い浮かびますね。
ロングノーズのコリドラスに関しては、顆粒餌のほうがコリタブよりも食いつきが良い傾向があります。
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冷凍アカムシ
嗜好性が高く、大変食いつきの良い生の虫エサです。
解凍して与えるだけなので、使い勝手も良いです。
普段はタブレットや顆粒餌を与え、週に1回くらいこちらを与えるとコリドラスが喜んでくれます。
圧倒的に成長スピードが上がり良く太るため、早く大きく成長させたい場合に大変有効です。
繁殖を狙う場合は、赤虫を中心に与えてもOKです。
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活イトメ
導入直後や病気後の体力回復、繁殖に体力を付けるといった目的で与える場合、これを超えるエサはありません。
極めて嗜好性が高く、赤虫と同等かそれ以上に成長に有効です。
繁殖を狙う場合にも大変有効です。
ただし活きたものは取り扱いがやや難しく、イトミミズ専用でキープする水槽も必要です。
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▼より詳しくはこちらを参考
ロングノーズは気が強い
コリドラスは一般に温和で混泳しやすい魚種ですが、ロングノーズ系の種に関しては例外で、縄張りを主張するものがいます。
とはいえ、混泳ができないほどひどいものではありません。
混泳の際は十分な遊泳スペースを取り、必要に応じてシェルターなどを用意すると良いでしょう。
ロングノーズのコリドラス まとめ
- ロングノーズはコリドラスの中でも上級者向けといわれるグループです。
- 流速のある渓流のような環境を好みます。
「溶存酸素」「水流」の2点が重要で、低水温を好むものも多いです。
- 入荷はさほど安定しておらず、見かけた時が買い時です。
- コリドラスの中ではやや気が強めで、縄張りを主張するものがいます。
シェルターなどを入れておけば、そこまで混泳に問題が出るほどではありません。
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