どうも、ほにゃらら sp.です。
今回紹介するのはアトロペルソナータス2。
“2”ってなんだよ?“1”がいるのか?と思うかもしれません。(ちなみに実際にいます。)
名前に数字が入っていると、なんとなく“レア種”な感じが出るのが不思議ですね。
コリドラス・アトロペルソナータス2とは
生物学的情報 | |
---|---|
名前 | コリドラス・アトロペルソナータス2 |
別名 | コリドラス・カネイ |
学名 | Corydoras kanei |
分類 | ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科 |
食性 | 雑食 |
ノーズ | ショートノーズ |
柄 | スポット系、アイバンド系 |
分布 | ペルー ブラジル ― ブランコ川、ネグロ川 |
飼育要件 | |
---|---|
飼育しやすさ | ★★★★★ とても容易 |
入手しやすさ | ★★★☆☆ ふつう |
混泳しやすさ | ★★★★★ とても混泳向き |
最大体長 | 5cm程度 |
適正水温 | 22~27℃ |
pH | 生存可能:5.5~8.0 適正範囲:6.5~7.0 ※あまり気にしなくてOK |
備考 | 特になし 標準的なコリドラスです。 |
コリドラス・アトロペルソナータス2はペルー、ブラジル原産のコリドラスです。
古くからスポット系コリドラスの代表的種として知られ、別種であるアトロペルソナータスによく似た斑紋を持つことから“2”の通称で流通しています。
名前に数字が入るコリドラスは希少な種が多く、なんとなくレアな印象があります。
本種に関しては常に在庫が確保できるわけではないものの流通量は多いほうです。
1997年にコリドラス・カネイとして記載されましたが、流通量の多い種ということもあり、いまなお“アトロペルソナータス2”の通称を使っているケースも数多く見受けられます。
明るめの白地にアイバンドと細かいスポットが入り、背ビレは黒く染まります。
スポット系コリドラスとしてはシンプルな配色をしています。
本種の飼育に関しては、熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOK。
注意点があるにしても、底砂に砂粒の細かいものを採用するぐらいです。
一応、大磯砂でも飼育は可能です。
飼育難易度としては「ごくふつうのコリドラス」といった印象です。
水質にも敏感でなく、丈夫で飼育しやすい種だと思います。
pHにもそこまで注文を付けてきません。
どちらかといえば弱酸性を好みますが、飼育するだけなら少しぐらいアルカリ性に傾いても平気です。
コリドラス・アトロペルソナータス2似のコリドラス
コリドラス・アトロペルソナータス1
学名:Corydoras atropersonatus
ペルー、ナナイ川、エクアドル、ティグレ川原産のコリドラスです。
白い体色にごま塩模様が特徴的な種です。
こちらが“1”となる、いわば本家アトロペルソナータスで、背ビレが黒く染まらない点が2との相違点です。体側のスポット模様も、こちらのほうが大きく少ない傾向が見られます。
飼育は容易ですが、他のコリドラスに比べやや水質の変化に弱い傾向があります。
一旦落ち着けば丈夫ですが、導入時には注意が必要です。
本種は白系の底床を用いると、色飛びしてスポットが薄くなる傾向があります。
使用する底床は、色が濃いめのものがおススメです。
コリドラス・クリムメニー
学名:Corydoras crimmeni
ブラジル、ブランコ川原産のコリドラスです。
アトロペルソナータス1よりも、むしろ本種のほうがアトロペルソナータス2にそっくりだと思います。
アトロペルソナータス2のセミロングノーズタイプといえる種で、「セミロングノーズカネイ」とも呼ばれます。
本種のほうが地肌の色がやや明るく、背ビレの黒もやや淡めです。
地肌が明るいコリドラスは導入時にデリケートな側面を見せる種が多いものの、本種に関してはそのような面はあまり見られません。比較的水質には寛容で丈夫です。
コリドラス・シクリ
学名:Corydoras sychrii
ペルー、ナナイ川原産のコリドラスです。
クリムメニーが“アトロペルソナータス2”のセミロングノーズタイプなら、こちらは“アトロペルソナータス1”のセミロングノーズタイプといった位置づけの種です。
コリドラスの中でも特に白い体色を持ち、非常に清楚で美しい印象を持ちます。
飼育に関しては他のコリドラスに比べデリケートな部分を見せ、導入時には注意が必要です。
特に新規導入直後では、肌があれヒレがボロボロになる「シクリ病」といわれる病気が出やすい傾向にあります。
シクリ特有の病気ではないものの、シクリに出やすいためこう呼ばれるようです。
有用なアイテム
アトロペルソナータス2の飼育に関しては、この種独特の特筆事項はありません。
教科書通りの飼育で十分対応できるため、初心者の方でも飼育しやすいコリドラスです。
コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。
混泳について
アトロペルソナータス2は非常に混泳向きのコリドラスです。
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。
グッピー、プラティ、テトラ、ラスボラ……。
人気の小型熱帯魚とも混泳相性は抜群です。
混泳相手 | 混泳相性 | 備考 |
---|---|---|
グッピー | ◎ | グッピーは弱アルカリ性を好みます。 |
プラティ・卵胎生メダカ | ◎ | 多くの卵胎生メダカは弱アルカリ性を好みます。 |
カラシン・小型テトラ | ◎ | |
コイ・ラスボラ | ◎ | |
ローチ・ボーシャ・タニノボリ | ◎ | ローチ、タニノボリ系は好相性です。 ボーシャ系の攻撃性を持つ種では注意が必要です。 |
フライングフォックス/アルジイーター | ◎ | |
ドワーフシクリッド | ◎ | |
アフリカンシクリッド | × | |
エンゼルフィッシュ | 〇 | |
ディスカス | 〇 | |
ベタ・グラミー・アナバス | ◎ | |
コリドラス | ◎ | |
オトシンクルス・ロリカリア | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※一般的なオトシンクルスやオトシンネグロは特に問題はありません。 |
プレコ | 〇 | 大型種の場合、遊泳域が重なるのでエサの取り合いが発生することがあります。 サイズや飼育数、遊泳スペースを調整すれば問題はありません。 ※タイガー、ブッシープレコ系はトラブルを起こしにくいでしょう。 ※セルフィン、ロイヤルプレコ系は力関係を要観察です。 |
レインボーフィッシュ | ◎ | |
ハゼ・ゴビー | 〇 | 遊泳層がかぶるため、攻撃性の高い種では注意が必要です。 |
フグ・パファー | × | |
エビ・ビーシュリンプ | 〇 | 稚エビは食べられる可能性があります。 |
※混泳相手の種や性格によっては、例外もあります。
◎・・・混泳に適した組み合わせです。
〇・・・混泳は可能ですが、種や個体の性格によっては工夫が必要な場合もあります。
△・・・混泳は不可能ではありませんが、適しているとは言えません。工夫次第で可能になる場合もあります。
×・・・混泳には適さない組み合わせです。
基本的には、コリドラスに対し攻撃を仕掛ける生体でなければ、ほとんどなんでも混泳可能です。
コリドラスがトラブルの火種になることは少ないですが、コリドラス以外の同居魚同士の相性はよく考えてあげてくださいね。
コリドラス以外の生体間での相性はあるので、留意しましょう。
コリドラス・アトロペルソナータス2 まとめ
コリドラス・アトロペルソナータス2。
アトロペルソナータス似の種類だから、“2”と呼ばれるようになったのが始まりです。
スポット系のコリドラスとしては大変丈夫で飼育しやすく、入手性もまずまず良いです。
現在ではkaneiとして記載されているので、“コリドラス・カネイ”という名称でも見かけます。
本種が見つからない場合、流通量は多いはずなので「カネイ」の名前で探してみると見つかることもあるでしょう。
正式な記載は「カネイ」なので、将来的にはこの「アトロペルソナータス2」という通称は消滅するかもしれませんね。
名前に数字が入るコリドラスは希少で高価な種が多いものの、本種はそうではありません。
どことなく“レア感”が欲しいけど、高額種を買うのは厳しい……というときにもぴったりです。
アトロペルソナータス1とそろえて飼育するのもまた、ハイセンスな楽しみ方だと思います。
ぜひ、お手持ちの水槽に迎えてみてくださいね。
コメント