コリドラス・ヘファイストス<熱帯魚解説>

コリドラス
コリドラス種類解説(熱帯魚)

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回紹介するのはコリドラス・ヘファイストス。
2016年に記載されたばかりの、比較的新しく発見されたコリドラスです。

仕上がるとヒレや全身が炎に包まれたかのような赤い発色で縁どられ、黒の発色は一層濃くなります。
本種ほど赤く染まる種はコリドラスとしては珍しいです。
黒系の底床で飼い込むと、赤と黒とのコントラストが際立ちます。

本種は赤系コリドラスの最高峰とも言えるような、コリドラスの中でもまれに見る独特な発色を持った種です。
入手の機会はなかなかありませんが、機会があればぜひコレクションに加えたい一種ですね。

コリドラス・ヘファイストスとは

生物学的情報
名前コリドラス・ヘファイストス
学名Corydoras hephaestus
別名コリドラス・ヘパイストス
分類ナマズ目カリクティス科コリドラス亜科
食性雑食
ノーズショートノーズ
アエネウス系
分布ブラジル ― ロンドニア州ビルヘナ
リオ・マチャド川上流域
飼育要件
飼育しやすさ★★★★★
とても容易
入手しやすさ★☆☆☆☆
かなり珍しい
混泳しやすさ★★★★★
とても混泳向き
最大体長5cm程度
適正水温22~25℃
pH生存可能:5.5~8.0
適正範囲:6.0~7.0
※あまり気にしなくてOK
備考珍種ですが、飼育に関しては標準的なコリドラスです。

コリドラス・ヘファイストスはブラジル西部、ボリビアとの国境に近いロンドニア州原産のコリドラスです。

シルエットを縁どるような赤い発色に注目。
長期間飼育するともっと鮮やかになります。

黒とオレンジのコントラストが美しい種で、状態良く長期間飼い込むとヒレを含めた体の縁取りが燃え上がるような赤い発色を示します。
また、黒い発色は緑色の金属光沢を帯びて輝きます。

本種は体色だけでなく、行動にも特色が見られます。

本種はショートノーズ系のコリドラスですが、ショートノーズ系にしては中層をよく泳ぎ回る傾向があります。
グァポレやエレガンスといった、エレガンスタイプのコリドラスに近い行動が見られる点も、本種ならではの興味深い要素です。

名前の由来

”ヘファイストス”の名はギリシャ神話に登場する、炎と鍛冶の神に由来しています。

本種の記載論文でも”炎に包まれたような”と表現されており、状態が良いと全身が真っ赤な発色に縁どられることと、体の中央に黒い金属光沢を持つことからインスピレーションを受けて命名されたようです。

炎と鍛冶の神 ヘファイストス(イメージ)
目が細かい黒砂を使おう
ブラックサンド

コリドラスと目の細かい砂は定番の組み合わせです。
ヘファイストスに関しては特に色の濃い砂での飼育が向いています。

ヘファイストスは赤と黒の発色が最大の魅力であるため、この発色を引き出すには黒系の砂がベストです。

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単に飼育するだけであればどんな色の砂を用いても問題ありませんが、砂の色が明るいと、せっかくの赤い発色や金属光沢が淡くなってしまうことがあります。

希少で高額な種類ですので、本来持つ発色のポテンシャルはぜひとも引き出したいところです。

本種は非常に珍しい種であり、情報も特別多い種ではありません。
ですが、飼育に関しては近縁と思われるアエネウスと特に変わらないようです。

水質に関してもどちらかと言えば弱酸性の水質好みますが、その要求も強いわけではないようです。

したがって、本種の飼育に関しては熱帯魚飼育に必要とされる基本的な設備を整えていれば、それでOKといえます!

ポピュラーなコリドラス、アエネウス。
ヘファイストスも同様に飼育可能。

関連するコリドラス

ヘファイストスはアエネウス系のコリドラスの一種と考えられています。
そっくり・・・とまではいかないのですが、発色の近い種を紹介します。

コリドラス・アエネウス

学名:Corydoras aeneus

「赤コリ」の通称で古くから親しまれている人気種です。

赤みを帯びた褐色をベースとした体色に、体の横側が濃緑色に染まります。
シンプルな色彩でさまざまな水槽にマッチします。

ヘファイストスを赤系コリドラスの最高峰とするならば、アエネウスは赤系コリドラスの基本形といった位置づけになります。

コリドラス・ベネズエラオレンジ

学名:Corydoras venezuelanus

コリドラス・ベネズエラオレンジはその名の通りベネズエラ原産のコリドラスです。

鮮やかなオレンジ色と緑色のコントラストが美しい種で、その色合いはヘファイストスにも近い部分があります。

こちらは状態良く仕上がらなくてもある程度赤みの強い発色を見せてくれますが、仕上げた際の発色はヘファイストスの方が強く表現されます。

コリドラス・スーパーエクエス

学名:Corydoras eques

アマゾン本流とプルス川の合流点周辺に生息するコリドラスです。

頭部のオレンジと体側のグリーンのコントラストが美しいことから人気の種で、アエネウスなどに比べやや寸詰まりな体型が可愛らしい特徴です。

本種が記載されているコリドラス・エクエスとされており、鮮やかなオレンジの発色と、ダークグリーンの体色が目を惹きます。
人気の種でありながら輸入量は少なく、常に見られる種ではありません。

ヘファイストスと似つつも色味の異なるカラーリングをしているため、なんとなく2種とも揃えたくなりますね。
飼育は容易で、他のコリドラス同様に温和で混泳にも適しています。

コリドラス・コンコロール

学名:Corydoras concolor

コリドラス・コンコロールはベネズエラ、パルグアザ川原産のコリドラスです。

コンディション良く飼育すると前方が緑を帯びた黒に、後方がオレンジに染まります。
水質は特に意識しなくとも飼育できますが、抜群の発色を引き出すには弱酸性での飼育がおすすめです。

しかし販売されている個体は幼魚サイズが多く、暗褐色に染まる部分が広いため、本来の美しさを発揮していないことがほとんどです。

ヘファイストスと色合いは似ていますが、本種はヘファイストスを含めたアエネウス系のコリドラスと比較すると、遺伝的にはやや縁遠いと考えられているようです。


有用なアイテム

おすすめの組み合わせは次の通りです。

水槽フィルター底床
30~90cm外掛け、上部、外部タブレット、顆粒(沈下性)

ヘファイストスの飼育に関しては、珍種ですが教科書通りの飼育で十分対応できます。
このため、案外初心者の方でも飼育しやすいコリドラスです。

コリドラス全般に共通する基本的な性質については、コリドラス共通ページをご覧ください。

コリドラスの世界
熱帯魚界の「ソコモノ」代表、コリドラスの情報サイト。コリドラスの飼育に必要な全ての基礎知識と、厳選した人気種をピックアップして紹介しています。

混泳について

ヘファイストスは非常に混泳向きのコリドラスです。
コリドラス同士であれば基本的に問題ありません。

コリドラス以外の魚種と混泳させる場合には、一般的なテトラやラスボラ等の小型魚であれば混泳は可能です。

比較的多くの魚種との混泳が楽しめますが、自慢のヒレにいたずらされないような魚を選びましょう。
できるだけリスクなく混泳させる場合は、コリドラス同士の混泳を楽しむのが安全です。

ヘファイストスは貴重な種であるため、絶対にリスクを避けたい!という方は単独飼育がおすすめと言えます。

コリドラス同士の混泳がおススメ

ちょっぴり高級感あるラインナップです。

本種に興味を持っていただけるということは、貴方は既にコリドラスのマニアか、その素質を持っているはずです!

ぜひレアコリ・珍コリ 色々集めて自慢しましょう!


コリドラス・ヘファイストス まとめ

コリドラス・ヘファイストス。

炎と鍛冶の神の名にふさわしい、炎に包まれたような赤い発色と金属光沢を併せ持つコリドラスです。
赤系コリドラスの中でもトップクラスに希少性の高い種なので、入手の機会があればぜひとも逃したくないところです。

赤の発色に注目し、赤系同士で集めてみるも良し、黒い金属光沢に着目して集めてみるも良し。
サイズはあまり大きくありませんが、発色と行動はなかなかに個性的です。
レアなコリドラスの中でも、一際目立つコリドラスといえるでしょう。

あなたのコリドラス・コレクションの中で、きっとその存在感を存分に主張してくれます。


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投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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