ミクロソリウムの世界

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種類解説(水草)観賞魚・水草の世界
ミクロソリウムの世界
ミクロソリウムの世界
ミクロソリウムは、東南アジアを中心に広く分布する着生シダの仲間です。
アクアリウムでは流木や石に活着させる形の利用が定番です。
育てやすくバリエーションも豊富なことから、人気のある水草です。
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超ミクロソリウム大図鑑
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ミクロソリウム全種を網羅した図鑑です。
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ミクロソリウムの魅力

ミクロソリウムの世界へようこそ。

ミクロソリウムは、東南アジアを中心に広く分布するシダの仲間です。
水生のものと陸生のものがありますが、ここでは水生種について扱います。

ミクロソリウムは幅広い環境に適応でき、あまり特別な育成条件を要求してきません。
そのため、初めてでも育てやすい水草と言えます。

現地では滝や渓流など水しぶきのかかる、水位変動の激しい環境に生えています。
水に出たり入ったりを繰り返すため、環境の変動に強く、適応力が高いのでしょう。

品種改良も盛んであり、数多くのバリエーションが知られます。
コレクション性の高さもまた、ミクロソリウムの魅力です。

はじめてでも容易に育成ができ、レイアウトに落ち着いた雰囲気をもたらせる。
様々な種類を集めても、楽しい。
年々新しい品種が開発され、飽くなき探求のあるミクロソリウムの世界へ。

貴方を誘いましょう。

ミクロソリウムとは

分類ウラボシ目ウラボシ科
別名ミクロソラム
和名ミツデヘラシダ
pH5~7.5
GH0~6
CO2無くても可
1滴/3秒
主な原産地東南アジア

ミクロソリウムは東南アジアを中心に広く分布する水生シダの仲間です。
別名をミクロソラムといいます。
幅広い水質に適応でき、水槽内での育成も大変丈夫であることから、古くから親しまれる水草です。

実は、ミクロソリウムは日本にも自生しています。
とはいえ、八重山諸島、石垣島と西表島に分布が限られるので、野外で見かける機会はそうそうないでしょう。

ミクロソリウムは強健な種類で水質に幅広く対応し、低光量にも強い水草です。
CO2の添加も、必須ではありません。
水質の適応範囲も幅広く、弱アルカリ性から弱酸性に対応します。
多くの魚種、水草が好む環境に合わせることができる点が魅力と言えるでしょう。

ミクロソリウムは、レイアウトでは流木や石に巻き付けて利用されることが多いです。
着生(張り付く)する性質と成長が遅い点から、レイアウトで長期維持が可能な点もポイントです。

流木に巻き付けて使用
石に巻き付けて使用

主なミクロソリウム

水草レイアウト水槽で特に使用頻度の高い人気種をピックアップしてご紹介します。

プテロプス
ウェンディロフ
ソードリーフ
ナロー
本ナロー
トライデント

ミクロソリウム・プテロプス

最も標準的なミクロソリウムです。
多くの品種は本種を基に改良されたといわれるように、全てのミクロソリウムの基本形と言えます。

基本的な性質は、ほとんどの種類が本種に準じます。
育成は極めて容易です。


ミクロソリウム・ウェンディロフ

先端に向かって細く枝分かれする、特異な形状の葉を持つミクロソリウムです。

シダ植物にはこのタイプの変異はしばしば見られ、「獅子葉」と呼ばれます。
その変異を固定したものが、本品種となります。

“ウェンディロフ”の品種名は、有名水草ファーム、トロピカ社の社長の名前に由来します。

やや個性的で主張の強い容姿のため、自然観を重視したレイアウトではクセのある存在です。
このため、使用者によって好みが分かれます。

一方で、ウェンディロフでしか実現できないレイアウトがあるのもまた事実です。
本品種の特性を上手に活かしてレイアウトすると、見事な水景を創り上げることができるでしょう。
個性重視のレイアウトにおすすめできるミクロソリウムと言えます。


ミクロソリウム・ソードリーフ

通常のプテロプスに比べ、葉が剣のように細長く伸長するミクロソリウムです。
他に比べて後発の品種となり、水草レイアウトでは比較的新しく利用されるようになりました。

比較的葉がしっかりとしており、途中であまりしならずにまっすぐ伸びる点が最大の特徴です。

基本的な使い方はプテロプスに準じますが、整然としたレイアウトを創り上げたい場合におすすめできます。


ミクロソリウム・ナロー

通常のプテロプスに比べ、葉の幅が細いミクロソリウムです。

葉が細くなったことにより密生した茂みが演出できるため、本格的な水草レイアウトではノーマルのプテロプスよりもこちらのほうが好まれる傾向があります。

葉の細さによりいくつかの派生形があり、プテロプス>セミナロー>ナロー>本ナロー 

の順で、右に行くほど葉が細くなります。
葉が細くなるほど、繊細な茂みを演出できます。

細葉系は後述の本ナローが最も好ましいとされますが、入手が難しい上に高価です。
このため代用品として、入手しやすく安価なこちらが用いられる傾向があります。


ミクロソリウム・本ナロー

ナロー系の中でも、最も細葉のミクロソリウムです。
鬱蒼として落ち着きのある繊細な茂みを作ることができるため、本格的な水草レイアウト水槽では最も好まれる品種です。

かつては使用頻度も高く、流通も多かった時代もありましたが、年々入手が難しくなっています。

成長が遅い上に少量で高価という点で導入のハードルは高く、現在では「ナロー」タイプが多く使われます。

本ナローをふんだんに活用したレイアウト例
2010年頃は多く見られましたが、近年ではすっかり見かけなくなりました。

ミクロソリウムsp. トライデント

明るい黄緑色と枝分かれする繊細な葉が美しいミクロソリウムです。こちらもソードリーフ同様、比較的新しく水草レイアウトに用いられるようになりました。

プテロプスの改良品種ではないといわれており、プテロプス系の品種に比べると一回り小型です。

その特性を生かすことで、ナロー系とはまた違った雰囲気の茂みを演出できます。

育成要件についても他のミクロソリウムと大差ありませんが、トライデントに関してはCO2を添加して明るい環境で育てたほうが、本種の特性を最大限に引き出すことができるように思えます。

トライデントは複数ある?
トライデント 東南便

トライデントの名で流通するミクロソリウムにはいくつかのタイプがあり、プテロプスの派生形と思われる東南便で入荷するものもあります。

東南便のタイプは枝分かれはするものの、その葉はだいぶ大振りです。

小型のタイプのトライデントが作る茂みとは、また印象の異なる茂みを演出します。


水草レイアウト水槽で主に利用されるミクロソリウムは以上です。
もちろん、あえて他の種類を用いることで個性的なレイアウトを創り上げてみるのも良いでしょう!

▼過去取り扱い全種一覧はこちら


ミクロソリウムの使い方

ミクロソリウムの根は石などにくっついて育つ性質があります。
この性質を活かし、アクアリウムでは流木や石などに巻き付けてレイアウトに使用する形が基本です。

この流木や石などにくっついた状態を「活着」していると呼びます。

埋めてはいけない

ミクロソリウムは多くの場合ポット売りで販売されていますが、底床の中に埋めてはいけません。

根茎の通水性がミクロソリウムの生育には重要で、ここに水の流れがなくなると枯れてしまいます。

購入してすぐにレイアウトしない場合は、底床に埋めずにポットのまま置いておくと良いです。

ここを地中に埋めると、枯れます。

▼巻き付け方の基本はこちら

流木や石に巻き付ける際に利用するアイテムとしては、糸、テグス、ビニタイの3つの選択肢があります。いずれにもメリットとデメリットがあり、それぞれのメリット、デメリットは次の通りです。

木綿糸
メリット

どんな形状の流木・石にもフィットします。
色を選べば活着中も外観が目立ちません。
水中で自然に分解されるため、活着後に外す必要がありません。

デメリット

活着前に糸が外れてしまうことがあります。

テグス
メリット

どんな形状の流木・石にもフィットします。
一度巻くと自然には外れません。
活着中も外観が目立ちません。

デメリット

活着完了後は外さないと水槽内にずっと残ります。
取り扱いが繊細で、はじめての場合は扱いにくいです。

ビニタイ
メリット

はじめてでも扱いやすく、巻きやすいです。
一度巻くと自然には外れません。

デメリット

流木や石の形状によっては巻き付けにくいことがあります。
活着中の間、外観がとても目立ちます。
活着完了後は外す必要が出てきます。

流木に活着させる場合

流木

流木に活着させる場合、あらかじめ流木の「アク抜き」が必要です。

1週間程度水中に沈めておくなどして、アクが抜けてからご使用ください。

活着例

塊状流木への活着例
枝状流木への活着例

石に活着させる場合

石の場合は軽く水ですすいだら、そのまま巻き付けてOKです。

表面がつるつるした石には巻き付けにくく、活着もしません。凹凸のある石を選ぶと良いでしょう。

活着例

風山石への活着例
穴あき溶岩石への活着例

活着させる素材やその形状によって、大きく印象が変わりますね。
表面に凹凸があり、硬い素材であれば比較的どんなものにも活着させることができます。

ぜひ、思い思いの素材にミクロソリウムを活着させてみてください。


ミクロソリウムの育成の基本

以下の環境を満たしていれば、基本的に育成可能です。

水温20~28℃
光量30cm水槽:330lm以上
45cm水槽:660lm以上
60cm水槽:1000lm以上
CO2無くても可
pH5~7.5
GH0~6
肥料不要

ミクロソリウムを購入したら、ポットから外して根の部分を流木や石などに巻き付けます。
巻き付けたら、そのまま水槽に入れるだけ。他に特別な管理は必要ありません。

水温

適応範囲は幅広く、特に低水温には強いです。
春~秋であれば、屋内管理ならヒーターを入れない金魚やメダカの水槽にも採用できます。

逆に高水温には弱いため、特に夏場の管理には注意します。
水温28℃を超える日が長く続くと「シダ病」と呼ばれる水生シダ特有の病気を発症しやすくなります。
シダ病について詳しくは後述しますが、発症すると葉が黒ずみ、そのまま放っておくと枯れてしまう病気です。

この場合、黒ずんだ葉は元には戻らないためハサミでカットします。
株全体で傷みが激しい場合は根茎のみを残し、葉や根茎の黒ずんだ箇所を全てカットしてしまうのも一つの手です。

一旦丸坊主になってしまいますが、後からまた新しい葉が生えてきますので心配ありません。
むしろ黒ずんだ葉を残してしまうと、株全体がダメになってしまうことがあります。

光量

ミクロソリウムはさほど照明の性能を選びません。安価なライトでも十分育ちます。
60cm水槽であれば、およそ1000lmあれば十分です。

CO2添加

維持するだけなら不要です。
ただし、もし成長速度を早め、たくさんの株が欲しい場合には添加が有効です。

特に「本ナロー」「sp.トライデント」は販売数が少ない割に高価なため、レイアウトの際に数が欲しいとなると初期投資を高く見積もるか、増殖させるかの二択になってきます。

CO2無添加ではなかなか増えないので、増殖を早めたい場合には添加が有効となります。

高光量、CO2添加を行った環境で育てると、思わぬサイズに巨大化することもあります。

底床

特に選びません。
ソイル、大磯、砂、どんな底床も使用できます。
成長は鈍化するものの、サンゴ砂を用いた水槽でも育成できる数少ない水草の一つです。

ミクロソリウムの適応範囲が広いので、他種の好む環境に合わせられますが、もしミクロソリウムにとって好適な条件を整える場合は、pHは7に近く、若干の硬度がある環境を好みます。
したがって、ソイルよりもむしろ大磯砂のほうが調子が良い傾向があります。

ソイル
水草水槽では
定番の底床です。
大磯砂
ミクロソリウムの育成には
最も相性が良いです。

大磯砂に準じます。
相性の良い底床です。
サンゴ砂
多くの水草に適しません。
しかし、ミクロソリウムは適応可能です。
※成長は鈍化します。

水質

ほとんど気にしなくても育てられます。

理想を言うと、pH7、GH6程度、中性で若干の硬度がある環境が最も理想的です。

しかし、適応可能な範囲はpHは5~7.5程度、GHも0~6までと非常に広いです。
このため、一般的な熱帯魚が飼育可能な範囲であればほとんどの水質に適応できます。

他の魚や水草が好む条件に合わせてさまざまな環境に適応できる点が、ミクロソリウムの強みと言えます。


トリミング

ミクロソリウムは成長が遅いため、ほとんどトリミングを必要としません。

育成環境が良い場合は大型化して葉の数が増え、通水性が悪くなることがあります。
この場合は数カ月に1度程度、定期的に古い葉と込み合った部分の葉を取り除くと草体が整います。

トリミングの際は葉の付け根からカットします。
黒ずんだり、傷んだ葉はそのままにしていても復調することはありません。

傷んだ葉は思い切って取り去ったほうが、その後の経過が良くなります。

根茎しか残らないほど丸坊主にしても、根茎が傷んでいなければ葉はいずれまた生えてきます。

逆に傷んだ葉を放置すると根茎まで傷んでしまうことがあり、根茎が傷んだ場合は枯れてしまうこともあります。

カットする場合、葉の付け根から。
このぐらいカットしても大丈夫です。
いずれまた生え揃い、元通りになります。

コケ対策

成長が遅く、1度コケが発生すると取り除くのが困難です。
事前にヤマトヌマエビやオトシンクルス等のコケを食べる生体を多めに導入し、予防に努めましょう。

ヤマトヌマエビ
オトシンクルス

ウェンディロフや本ナローなどの葉が細く細かいタイプは、黒ヒゲコケにも悩まされることがあります。

この対策としては、サイアミーズ・フライングフォックスが有効です。

サイアミーズ・フライングフォックス

既に手に負えないほどコケが生えてしまった場合は、思い切ってトリミングしてしまいましょう。
例えすべての葉を落とし根茎だけになったとしても、しばらくすると後で健康な葉が展開されます。

肥料

基本的に不要です。

特に底床に埋め込むタイプや栄養系ソイルなど、根から吸収するタイプの肥料は与えてもほとんど吸収しません。

速く増殖させたい場合は、液体肥料を添加するとある程度の効果が見込めます。

その他のポイント

シダ病

シダ病にかかったミクロソリウム

他に気をつける所としては、通称「シダ病」と呼ばれるミクロソリウム特有の病気があります。

これは葉が茶黒くなり一気に枯れてしまうという、水生シダ植物特有にみられる症状です。

一般的に水温が28℃以上、または根茎近くに水の淀みが発生している場合に発症しやすいといわれています。対策としては、クーラーやファンなどで水温を下げること、通水性の確保(葉を間引く)などが有効です。流木ごと取り出して、水の中ですすぐのも有効です。
もし、底床内に植えている(埋めている)場合は、すぐに取り出してください。

シダ病が発生してしまった場合は、発生した葉と触れた可能性がある葉も全て取り去る等、思い切った対策が必要です。
全ての葉を落とし根茎だけになったとしても、根茎が無事であればまた生えてきます。

ミクロソリウムは大変丈夫な水草ですが、「高水温」「根茎のよどみ」の2点は大敵です。
逆に言えば、この2点さえ守れば、枯れてしまうことはそうそうありません。

葉が透明になった?

ミクロソリウムの生長点
※病気ではありません

ミクロソリウムは育成していると、葉の先端が薄く透けたようになることがあります。

これは新芽であり、健全に育っている証拠です。
したがって、特に何もする必要はありません。

絶対に守るべきこと

2点だけ守れば大丈夫です。

  1. 水温は28℃以下20℃以上にする。
  2. 底床内に植えない(埋めない)。

この2点を守っていれば、非常に強健です。
ちょっとやそっとのことで枯れてしまうような水草ではありません。


殖やし方

ミクロソリウムの殖やし方は2パターンあります。
いずにせよ成長は遅いので、気長にじっくりと時間をかけて殖やしましょう。

株分けで殖やす

1番簡単な方法です。
ミクロソリウムは根茎を切り分ければ、それで株を増やせます。
その状態で流木や石に巻き付け、しばらくすると成長してきます。

成長したらまた根茎を切り分けることで、どんどん殖やすことができます。

赤線部でカット

子株で殖やす

ミクロソリウムを育てていると、葉の裏に胞子嚢ほうしのう(胞子の塊)が付くことがあります。

この塊をしばらく放っておくと、子株が生えてきます。

赤丸の中が子株です。

子株が生えてきたら取り分けて、流木や石などに巻き付けることで殖やせます。

取り分けずに放っておいても、そのまま外れて水面を漂います。

自然下ではこのようにして流れ着いた先の石や流木などに着生し、分布を広げているものと思われます。


ミクロソリウム用語集

根茎・・・細長いわさびのような部位です。
ミクロソリウムの根でもあり、茎でもある部位となります。

ミクロソリウムにとって最も大事な部分で、ここの通水性が悪くなると枯れてしまいます。
逆に言えば、この部分以外の部位、例えば葉などはどれだけダメージを受けたとしても、切り落としてしまえば問題ありません。

獅子葉・・・ウェンディロフに代表される、先端が複雑に枝分かれした形状の葉をいいます。
「ウィンドナローK」や「コーラル」など、獅子葉を持つ品種は他にもいくつか存在します。

トロピカポット・・・デンマークの有名水草ファームで生産されたポット販売のものを指します。
一般種であってもトロピカ社産の水草は高品質であることから、水草のブランドとして認知され人気があります。

投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

AQUALASSIC(アクアラシック)

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