


アクアリウム界のお掃除屋

ミナミヌマエビ、チェリーシュリンプ・ビーシュリンプ……淡水エビには多くの種類がいます。
水槽内のコケ・残餌の掃除などで導入する方、数を増やして観賞用として飼育する方など、シュリンプの飼育にも多くの選択肢があります。
水槽には水草や魚、シュリンプなどを導入するにあたり、混泳させるにも、喧嘩しないか、食べられてしまわないか、交雑しないかなど考える方もいることでしょう。
今回は必ずと言ってもいいほど導入される、シュリンプの交雑についてお話したいと思います。
淡水エビの分類わかりますか?
淡水のエビといえばヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビです。


コケのお掃除役で導入される方が多いこちら2種はヌマエビ科の仲間です。


こちらも淡水エビですが、小型淡水エビとは言いづらいですね。
ざっくり4種をご紹介しましたが、同じエビでも分類が違うのです。
大きく2つに分類すると「ヌマエビ科」「テナガエビ科」に分かれます。
見分け方は、はさみ脚が長いか短いかで分類されます。
さらに細かく分けるとテナガエビ属・スジエビ属・カワリヌマエビ属・ヒメヌマエビ属に分かれます。

はさみ脚が太く、頭胸甲側にたて縞や網目の模様が、腰の辺りに黒色の帯のようなラインがあります。

テナガエビ属より、はさみ脚が短く、体色が透明で体にスジ模様が入ります。

歩脚に目立った外肢がなく、目のすぐ上(額角の付け根の両側)に棘がありません。

陸封型でゾエア期がなく、稚エビの状態で生まれてきます。
交雑する?しない?

自然界では異種交配などで新個体(雑種)などといわれることもありますが、
今回はアクアリウム、水槽の中でのお話です。


※トゲナシヌマエビ、ヤマトヌマエビは基本的に汽水でなければふ化をしないため、交雑の可能性はありません。

ミナミヌマエビ類のチェリーシュリンプは、シナヌマエビからの改良品種といわれています。
ミナミヌマエビ・アルジーライムシュリンプ・チェリーシュリンプ各種は近縁種のため、交雑します。


ビーシュリンプについては、カワリヌマエビ属・ヒメヌマエビ属ともいわれていましたが、今はヒメヌマエビ亜科ヒメヌマエビ属と固定されています。ミナミヌマエビとは別種になるため、交雑しないことがわかります。


ハイブリッド系って何?

「レッドビー・シュリンプ」「タイガー系シュリンプ(系統の改良品種)」「シャドー・シュリンプ」「ピント・シュリンプ」までは使われておらず、ピント・シュリンプ以降に作出された改良品種をハイブリッド系シュリンプといわれています。
レッドビーシュリンプの表現体にない表現を求めて、さまざまな品種と掛け合わせて作出された品種がハイブリッドシュリンプといわれています。


ビーシュリンプ(レッドビーシュリンプ・ブラックビーシュリンプ…etc)
ゼブラシュリンプ(タイガーシュリンプ・ブラックダイヤ・ゴールデンアイ…etc)
シャドーシュリンプ(レッドビーの突然変異個体)を素体とし、ハイブリッドシュリンプが作出され、掛け合わせで多くのハイブリッド品種が生まれてきました。
ハイブリッドシュリンプの模様のパターン


・ゼブラ
(腹部の背面にラインが3本以上入る)
・ゴールデンバック
(背面に1本の白いラインが頭部から尾の付け根まで入る ※ボアライン)

・スポット
(頭胸部に大きい白いスポットがはいる ※ピントシュリンプがこれになります)
・タイガー
(ゼブラ同様3本ラインに、腹部の腹面(尾の付け根付近)にラインが2本以上はいる)
・ギャラクシー
(頭胸部と腹部腹面のにスポットが入る)
ゼブラ×ゴールデンバック=フィッシュボーン
↓
フィッシュボーン×ギャラクシーが混ざると=ギャラクシーフィッシュボーン
例として挙げましたが、模様と品種の名前が必ず一致するとは限りません。
どの種類のエビとでも交配できるわけではなく、原種が同じビーシュリンプから作出された品種と交配できるのがポイントになります。
タイガーシュリンプは中国原産のビーシュリンプ(ゼブラシュリンプ・ニュービーシュリンプ)をベースとしてつくられた品種で、ゴールデンアイなどの品種はタイガーシュリンプの突然変異個体です。
人気のクラウドシュリンプは、日本のブリーダーにより作出されたハイブリッド品種です。
ピントシュリンプ | ナナシーシュリンプ | マークIIシュリンプ |
ホルスタインシュリンプ | クリスタルビースト | カオスシュリンプ |
ボア | ゼウスビー | ゼウスシュリンプ |
太極 | レガリア | SARASAタイガー |
ビーシュリンプがベースの改良品種であれば交雑(交配)が可能になります。
まとめ

シュリンプのブリーディング(繁殖)・混泳させたくても交雑に悩む方もいることでしょう。
品種の学名・何科・何属などを調べてみると、交配可能か交雑してしまうかの判断がしやすくなります。アクアリウムライフで役に立ちますよ。
コメント