5分でわかる!ベタの飼い方の基本とNG<ベタの教室1限目>

ベタ
ベタ

こんにちは、5分でわかる!のスズキです。 
「初心者だけど、きれいな熱帯魚を飼いたい」ならベタも選択肢の一つ。
観賞価値の高い立派なヒレは、“育てながら見映えを鍛える”という育てがいがあります。
酸欠に強く、低水温や水質の悪化にも対応できる丈夫さもベタならではでしょう。

「ベタの教室」は、ベタ飼育初心者向けのなるほどシリーズです。  
今回の授業は、ベタの飼育の始め方から初心者にありがちな失敗について解説します。

ベタってどんな魚?

ベタはタイ原産のラビリンスフィッシュ「ベタ・スプレンデス」と呼ばれる魚の改良品種です。闘争本能を強く持ち、原産地では“闘魚”として賭けの対象とされ、より強さを求めて品種改良が進められきました。観賞価値の高いタイプはこの過程で生まれたもので、観賞魚として現在流通しているベタのベースになっています。体色、尾の形ともにバリエーションは多彩で毎年のように新しい品種が登場しており、コレクション性の高さもベタの魅力の一つです。

体長は最大10cm程度。オスは非常に美しく立派なヒレを持ちますが、メスのヒレは小さくコンパクトなため判別は容易です。分類上ではスズキ目キノボリウオ亜目キノボリウオ科に属し、酸欠に強く飼育しやすい点でボトルアクアリウム向けの魚としても知られています。ベタは基本的に温和で、金魚のように人に懐くタイプも多いようです。寿命は3~5年程度、長期飼育を目指すには水槽での飼育をおすすめします。

知っておきたいベタの特徴

オスがとにかく熱い

温和で人に懐くタイプも多いベタ。ところがオス同士が一度対面するとなると、ヒレやエラぶたを逆立て激しく威嚇します。その後、どちらかが力尽きるまで死闘を繰り広げます。
特に「プラガット」と呼ばれるタイプは闘魚に用いられる改良品種で、原種に近い形態と強い闘争本能が魅力的です。

また、成熟したオスは水面に泡巣を作り、同じぐらい成熟したメスを見つける激しく情熱的な産卵行動を取ります(相性が合わないメスは激しく追い回されます)。産み落とされた卵はオスが泡巣に運び、ふ化するまで何も食べずに泡巣を守り、卵の世話を続けます。このようにベタのオスは実に闘争心が強く、情熱的で献身的なのです。初めての飼育ならオス一匹の単独飼育をおすすめします。

闘争心をあおるほどより美しくなる

ベタの美しさは完成されたものではなく、尾ビレを広げる訓練によって磨きをかけることができます。訓練といっても簡単なことで、1日数分から長くて10分程度、ベタに鏡を見せましょう。ベタはそこに映った自分を敵だと思い込み、ヒレを広げ激しく威嚇を始めます。この行動は「フィンスプレッディング」と呼ばれ、毎日繰り返すことでヒレの開きがより立派になっていきます。まさに上で述べた闘争本能を利用したもので、ベタの飼育には育成しながら美しさを完成させる楽しみがあるというわけです。

空気中から酸素を取り込める

キノボリウオ亜目に属する魚は「ラビリンス器官」という固有の器官を持ちます。エラ呼吸とは別に、この器官を用いることで空気中から酸素を直接取り込むことができます。酸欠に強いのはこのためで、エアレーションのない水槽内でも問題なく飼育が可能です。

原産地では水田や池、水たまりといった溶存酸素の少ないところに生活しています。ベタは環境に適応するためにラビリンス器官を発達させたと考えられています。

ベタ基本形4種

ベタは尾の形ごとにタイプがあります。ベタの基本形として、古くから知られるトラディショナルをはじめ、ダブルテール、ハーフムーン、クランテールが挙げられます。他のタイプを含め、それぞれの特徴については2限目に解説します。

ベタを迎える準備をしよう

ベタの飼育に必要なもの

ベタの飼育には、①水槽②フィルター③ライト④底床⑤エサ⑥カルキ抜き剤⑦水温計⑧ヒーター⑨水草を用意しましょう。用品選びが大変なら、初心者向けのセットをどうぞ。手軽に始められる生体、水草付きのグラスアクアリウムセットもあります。

ベタ飼育セット

①水槽

長期飼育を考えるならボトル飼育より水槽飼育がおすすめ。扱いやすく、美観にも優れる点では30cmキューブ水槽がベストです。単独飼育から始めてコレクションを増やしても良いでしょう。

ベタ コレクション用水槽

②フィルター

ボトルアクアリウムの場合、フィルターは使用しません。長期飼育を考えて水槽で飼育をする際はフィルターを使用します。

フィルタ―には、フンなどのごみを取りのぞく、ろ材にバクテリアを定着させて有機物を分解させるなど、ニオイや濁りを抑え、水をきれいに保つ役割を果たします。

ベタは水流を嫌います。水中フィルタ―を使用する場合は水流を壁に当てて和らげてください。

③ライト

ライトには、ベタや水草の美しさを引き立てる、観賞性を高める役割があります。水草が成長する上でもライトが必要な場合も多いです。
水槽サイズに合わせて選んでください。

④底床

ベタ 底砂

何も敷かないでも十分に飼育できます。水草を植える場合は水質調整できるソイル、またはpHを上げないタイプの底砂を。

⑤エサ

ベタのエサ

エサはベタのことを考えて開発されたベタ向けのものを選ぶと良いでしょう。

⑥カルキ抜き剤

カルキ抜き剤

カルキ抜き剤を使うことで、手間のかかる水道水のカルキ抜きを簡単に行えます。

⑦水温計

水温計

ベタの健康管理にあると安心。アナログならリーズナブルです。

⑧ヒーター

ベタ用ヒーター

冬季の低水温対策に。ボトルアクアリウムにはパネルヒーターを選ぶと良いでしょう。

⑨水草

ベタ 水草

土台付きのものならそのままセットするだけ。迷ったらベタ向けの水草セットがオススメ。

ベタの飼育に適した水質・水温

好む水質:中性~弱酸性
適性水温:20~28℃

水道水を使う場合、カルキを抜いてください。アルカリ性に偏った水質は好みません。カキガラやサンゴ砂といったpHを上げてしまうものは使用しないほうが無難です。
基本的にベタは酸欠に強いほか、適応能力が高いことから低水温にも水質悪化にも強いようです。ベタ単独なら冬場も暖房が効いた暖かい室内であれば無加温でも大丈夫でしょう。ただし、水草を植えている場合は別。低水温が苦手な水草を植えているならヒーターは必須です。

ベタを水槽に導入しよう

初心者が失敗しがちなのが「水合わせ」です。水合わせの失敗はベタが調子を崩す原因に直結します。ベタを迎えた際に、いきなり水槽(飼育容器)に入れてはいけません。ベタがそれまで暮らしていた水温や水質とは違うからです。環境が急に変われば、ベタに大きなダメージが加わります。
水槽の水に少しずつ慣らす「水合わせ」を必ず行いましょう。水槽飼育の第一関門です。

水合わせ(簡易版)の手順

①ベタを袋のまま(入手した状態)で水槽の水に15~30分(冬季は1時間)ほど浮かべます。
②水温を合わせたら①の袋の水を1/3ほど捨て、捨てた分と同じ量の水槽の水を入れ、
 15分ほど水槽の水に浮かべます。このとき、袋が水槽の中に落ちないよう固定してください。
③②の作業を3~4回ほど繰り返します。
④ベタだけをすくって水槽に入れて完了です。

エサやりと水換え

水槽に導入したばかりのベタは、環境変化によるストレスで食欲も落ちています。
導入して2~3日間はエサを与える必要はありません。
通常のエサやりは1日2回、それぞれ5分で食べきれる量を与えてください。
ベタ向けのエサなら顆粒、フレークのどちらでもかまいません。

与え過ぎはは水質悪化や病気の原因となります。
食べ残しは水を汚す原因となるため、取り除きましょう。

水換えは、2週間に1回のペースで行います。

水換えの手順

①カルキを抜いた水道水を用意します。
②全体の1/3の水程度の水を入れ替えましょう。このとき、ベタを取り出す必要はありません。
③新しい水をゆっくりとやさしく入れます。ザバーッと入れるとベタに負担がかかってしまいます。

掃除や水換えにあると便利!

ベタの水槽は、定期的に掃除や水換えを行う必要があります。
便利なアイテムがこちらです。

初心者あるある?ベタの飼育でNGなこと

ベタ初心者
ベタ初心者

ベタは丈夫と聞きました。それならヒーターなしでも飼えますよね。

スズキ
スズキ

暖房が効いた室内であれば無加温でも飼育できます。ベタを単独で飼育している場合、ヒーターを使用するかどうかのボーダーラインの水温は15℃です。水温10℃で危険領域となります。

ベタ初心者
ベタ初心者

ベタは水質悪化に強いんですよね。水換えもそんなに必要なさそう。

スズキ
スズキ

いくら強いといっても限度があります。飼育容器が小さいほど水質悪化が早まります。水質の悪化は尾ぐされ病の原因となるため、水換えは定期的に行ってくださいね。

まとめ

今回は、ベタの飼育の基本とNGについてお届けしました。
小さな飼育容器であるほど定期的な水換えが大切です。
それでは次の授業をお楽しみに!

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました