底床の選び方<大磯砂編>

用品解説
用品解説

1種類の底床素材にフォーカスして、より詳しく解説!それがこの記事「底床の選び方」です。今回注目するのは「大磯砂」です。昔からよく使われていて、底床の定番ともいえる素材です。日本淡水魚や金魚の飼育などで使われ、長期間使用しても型崩れしないことから「半永久的に使える底床」ともいわれています。

各種底床について、特徴を知りたい方はこの記事を読んでみてください

大磯砂とは

古くから使用されている底床で、元々は神奈川県の大磯海岸近辺から採取されていました。現在では、大磯海岸近辺での採取が禁止となったため、フィリピンや東南アジアから性質や色合いが似ている砂を採取しています。

大磯砂のメリットとデメリット

魅力的な大磯砂。この底床にもメリットとデメリットがあります。

メリット

①入手しやすい
②他の底床素材と比べて安価である
③扱いやすい
④粒サイズがいくつかあり、シチュエーションで使い分けができる
⑤半永久的に使用可能

入手しやすい

大磯砂はとても入手しやすいです。アクアリウムの底床だからといって熱帯魚屋さんに行かずとも、ホームセンターや園芸店にも売っています。

他の底床素材と比べて安価である

ソイルなどの素材と比べて非常に安価です。「アクアリウムを始めたいけどあまりお金をかけたくない」という方にはピッタリです。

扱いやすい

基本的に導入後直後に大きく水質に影響することもなく、長期間使用しても性質や形状の変化を起こしにくいです。

粒サイズがいくつかあり、シチュエーションで使い分けができる

大磯砂には、大粒・中粒・小粒のバリエーションがあり、用途によって使い分けることが可能です。

大粒
中粒
小粒

各粒サイズの特徴

大粒

粒と粒の隙間が多く、水草の根が張りにくいなどのデメリットがあります。しかし、その他のサイズの大磯砂や川砂などを床材に用いたレイアウトと組み合わせて使用するとより自然な雰囲気を演出してくれます。また、通水性が良いため、組み合わせて底面フィルターのろ材としても活用が可能です。

中粒

一般的に流通している大きさです。大磯砂の粒サイズの中では底床としてバランスが良く、大磯砂利のサイズで迷った場合はこちらのサイズを選ぶことをオススメします。ヨシノボリなど、砂利を口にくわえて運ぶ習性のある魚では、このサイズを選ぶと行動が観察できるかもしれません。

小粒

粒と粒の隙間が小さいので通水性が抑えられます。ろ過能力は多少劣りますが、このサイズに限っては水草の根の張りがよく固形肥料を適量混ぜれば水草水槽にも使用できます。また、コリドラスなどの低層を遊泳圏とする生き物にも優しいサイズです。

半永久的に使用可能

大磯砂は汚れても掃除を繰り返すことで、半永久的に再利用できます。
水草育成に使われることが多いソイル場合、時間の経過と共に粒が崩れてしまうため定期的に交換する必要があります。大磯砂は石なので型崩れする心配はありません。この点が大磯砂の最大のメリットと言えるでしょう。


デメリット

①底床自体に栄養が含まれていないので水草育成水槽には肥料が欠かせない
②水質がアルカリ性に傾きやすくなる
③水槽に傷をつけてしまう可能性がある

底床自体に栄養が含まれていないので水草育成水槽には肥料が欠かせない

大磯砂は言ってしまえばただの石・砂です。ソイルのように水草の育成に特化し栄養を含んでいる素材ではないので基本的には水草育成には底床に埋め込む肥料が欠かせません。

水質がアルカリ性に傾きやすくなる

ソイルが水質を酸性に傾ける作用がある一方、大磯砂などの石や貝殻などの素材は水の硬度を上昇させやすい性質を持ちます。そのためpHも上昇しやすく、結果的に水質がアルカリ性に傾きやすくなります。

大半の熱帯魚・南米産の水草には水質が合いませんが、アルカリ性を好む魚・水草にはむしろ好都合と言えます。後ほど詳しく解説しますが、酸処理を行うことによって水質の変化を起こしにくい底床にすることも可能です。

水槽に傷がついてしまうことがある

砂や石に総じて言えることですが、ソイルのように柔らかい素材ではないので水槽に細かな傷をつけてしまう可能性があります。また、スポンジやスクレーパーで水槽のガラス面を掃除する際に掃除用具とガラスの隙間に砂粒が入らないように注意しましょう。


▽大磯砂のご購入はこち▽

大磯砂 | チャーム
大磯砂 ペット用品の通販ならチャーム。常時65,000商品以上を在庫。年中無休、最短で翌日にお届け。

酸処理について

前述したように大磯砂には貝殻の破片やカルシウム分を含んでいるため、硬度やpHが上がる傾向があります。それを防ぐ方法として、古くから愛好家の間で行われているのが「酸処理」です。大磯砂を強酸の液体に漬けることで貝殻の破片やカルシウム分を溶かしてから使用します。

酸処理により水質に影響をを与えず半永久に使える底床に。小粒なら水草の育成にも最適という大磯砂のメリットを最大限に発揮できます。やり方は以下の通りです。

①トロ船などの容器に大磯砂を入れる
②リン酸や酸性の洗剤などに漬ける。すると泡が出てきます。
③泡が出なくなったら、十分に洗う。洗浄が不十分だと、残った液体が魚や水草に影響が出ます。

酸性の液体や洗剤は扱いが危険です。リスクが高いので、挑戦したい方は、液体の取り扱いに注意し自己責任でお願いします。

大磯砂に向いている魚・水草

大磯砂にピッタリの魚・水草をご紹介していきます。気になる種類は画像をクリック・タップすると商品ページに飛びます。

水質の適応範囲が広い魚・アルカリ性を好む魚をピックアップしています。

金魚

メダカ

日本淡水魚

プラティ

グッピー

アフリカンシクリッド
(マラウィ湖産)

アフリカンシクリッド
(タンガニィカ湖産)

水草

水質の適応範囲が広い水草・栄養をそれほど必要としない水草をピックアップしています。

アヌビアス ナナ

アヌビアス バルテリー

ミクロソリウム ナロー

ボルビティス ヒュディロティ

マツモ

ウィローモス

南米ウィローモス

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は大磯砂にフォーカスした記事でした。コスパに優れ、使用範囲も広い大磯砂。自然感を存分に楽しめる素材です。迷っている方・使ったことがない方はこの機会に使用してみてはいかがでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

Tをフォローする
Tをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました