クリプトコリネの上手な育て方

種類解説(水草)
種類解説(水草)

みなさんこんにちは、Tです。今回はレイアウトにも重宝され、さまざまな色・葉形からコレクターにも人気の水草、「クリプトコリネ」の育成方法について解説していきます。

クリプトコリネの特徴

ウェンティー グリーン
バランサエ
分類サトイモ科クリプトコリネ属
pH5~7.5
GH0~6
CO2無くても可
1滴/3秒
主な原産地東南アジア

クリプトコリネは東南アジア原産の沈水~湿性植物です。非常に多くの品種が存在し、大きく中景草向きな品種と後景草向きの品種の2分類に分けられます。環境によって大きく葉姿を変えるのも一つの特徴です。

クリプトコリネのレイアウト例

代表的な品種

では、中景草向きの品種・後景草向きの種類に分けて代表的なものをご紹介します。
まずは、中景草向きの種類から見てみましょう。

クリプトコリネ ウェンティー “グリーン”

学名:Cryptocoryne wendtii ‘green’

最もスタンダードなクリプトコリネと言っても過言ではない品種です。本種はライトグリーンの葉を展開します。現地では、川の上流~下流、湿地のような所から清流や小さな小川まで幅広く分布しています。育成難易度も低く、非常に人気な品種です。

クリプトコリネ ウェンティー “ブラウン”

学名:Cryptocoryne wendtii var. “brown”

クリプトコリネウェンティーのブラウン色固定種で、渋い色合いがレイアウトに映えるクリプトコリネの代表種です。育成環境によって、色味は変化する場合があります。見た目の美しさに加えて、育成も容易なことから人気の高い種類です。

クリプトコリネ ウェンティー “ミオヤ”

学名:Cryptocoryne wendtii var. “MiOya”

ウェンティの変種で水槽環境が良いと大型になりやすい種類です。葉が若干波立ちます。“MiOya”(ミオヤ)はスリランカにある川の名前で、そこで採取された株を増殖させたものとされています。

クリプトコリネ ルーケンス

学名:Cryptocoryne lucens

水上葉では大型化します。水中化するとある程度小型になるので、前景草にも使用可能なクリプトコリネです。

クリプトコリネ ペッチー

学名:Cryptocoryne petchii

オリーブ色の葉を展開する美しい種類です。ウェンティグリーンは状態が良いと大型化しますが、本種はそれほど大きくならないので、レイアウトにも使いやすい種類です。


続いて、後景草向きの品種です。

クリプトコリネ バランサエ

学名:Cryptocoryne crispatula var.balansae

凸凹な葉を持つ細葉系クリプトコリネの代表種です。環境により深緑~茶色まで幅広い色彩変異を楽しめます。また、幅広い水質に対応し丈夫なのでクリプトコリネの入門種としてもおすすめです。
底床も大磯砂からソイルまで幅広く使えます。新品のソイルなどに植える場合は溶けることが多いのですが、新しい環境に適応する葉をすぐに展開し始めます。葉は最大で50cm以上になるので、水槽サイズは60cm以上が良いでしょう。

クリプトコリネ レトロスピラリス

学名:Cryptocoryne retrospiralis

バランサエと同様に大型種に分類されます。細葉のタイプのクリプトコリネで細かいウェーブの入った幅の狭いテープ状の葉が特徴の種類です。現地では水上・水中化を繰り返して生活しており、育成は容易で、環境の変化にも強いのがポイントです。

育成のポイント

ここからはクリプトコリネの育成のポイントをご紹介していきます。

水草の性質

アヌビアスと同じサトイモ科の植物ですが、アヌビアスのように活着性は無く底床に植えこんで育成します。

水質

多くの水草に適した弱酸性の水質で育成しましょう。水質の変化に敏感なので注意しましょう。

水温

クリプトコリネは高水温にとても弱いです。低水温では成長が鈍化します。夏場の水温上昇に特に注意しましょう。水温の目安は約20~26℃です。

クリプトコリネは弱い光でも育つ陰性水草(いんせいみずくさ)の一種なので、光量はそこまで必要ありません。他の水草が育たないようなレイアウトの陰になっている部分でも育成する事が可能です。

CO2

CO2は無添加でも育成が可能です。CO2を添加すると生長スピードが格段に上がります。
じっくりと成長を楽しみたい方は無添加で育成、レイアウト完成を早めたい方は添加して育成することをおすすめします。

肥料

水草を植える前に、底床に固形肥料を混ぜ込んでおきましょう。特に、底床そのものに栄養が含まれていない大磯砂で育成する場合は必須になります。根と肥料の距離が近いと肥料やけを起こしてしまうので、植栽する際は肥料と離して植えるようにします。

底床

ソイルや大磯砂を使用しましょう。栄養分が含まれているソイルなら、追肥の頻度が少なくて済みます。

OK
ソイル(弱酸性に傾ける)
大磯砂(弱アルカリ性に傾ける)

これらの底床は水質を弱酸性または弱アルカリ性に傾ける作用を持ちます。水質の適応範囲が広いクリプトコリネなら、これらの底床を使用して育成が楽しめます。

NG
サンゴ砂(強アルカリ性に傾ける)

こちらの底床は水質を強アルカリ性に傾ける作用があります。ほとんどの水草・熱帯魚の育成や飼育には向いていません。海水魚や一部のアフリカンシクリッドの飼育には最適な底床です。

管理のポイント・注意事項

葉が溶けてしまう

クリプトコリネは環境の変化があると葉が溶けるという事はよくあります。溶ける原因は正確には分かっていませんが、急激な環境変化が原因という説が有力です。一度植えてからの植栽場所の変更はやめましょう。ポットで販売されているものは水上葉です。植栽された直後はすべての葉が1度溶ますが、やがて水中葉を展開します。しっかりと根が張っていれば水中葉が展開されるので、異常だと焦らずに様子を見ましょう。
溶けた葉は水質悪化につながるので、できるだけ早く取り除きましょう。

殖やしかた

クリプトコリネはランナーで殖えていきます。株を切り取って底床に埋め込むだけ簡単に殖やすことができます。

コケの発生

クリプトコリネは成長がとても遅いため、水槽内の栄養素が多くなると葉にコケが発生しやすくなります。発生すると除去が困難になるので、コケが発生する前にミナミヌマエビなどの生体を導入して対策しておきましょう。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回はコアなファンも多いクリプトコリネの魅力をお伝えしました。葉が溶けやすい種類ですが、植え替えをしないこと、急激な環境変化を起こさないことに気を付ければ育成は容易です。

非常に多くの品種が展開されており、コレクション性も高いので集めてみるのも面白いでしょう。
育成したことがない方はこれを機に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

投稿者
T

1997年10月8日生まれ。愛知県出身。アクアリウムは初心者で、ビギナーの心に寄り添った記事を目指しています。自宅でフトアゴヒゲトカゲを飼育(8歳)趣味のオートバイはかれこれ6年目に突入。

ティーよりコーヒーが好き。

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