魚のみならず、ペットの飼育に欠かせない「エサ」。もう少し柔らかい表現を使えば「ごはん」や「フード」でしょうか?人間の食べ物にも生ものや手軽なインスタントフードなどさまざまな種類や形がありますよね。今回は魚のエサの種類と特徴についてお話していきます。
さまざまな魚の「エサ」
「魚」とひと口にいっても、食性・口の大きさ・生活様式など、種類によって全く違います。ということは、エサもそれだけバリエーションが豊富ということ。メーカー各社でも魚に合ったエサが開発されています。
沈下性と浮上性
人工飼料が発達しているペット飼料界において、エサは「フード」ともいわれます。大きく分けると沈下性と浮上性、すなわち水に沈むのか浮くのかどちらかのタイプになります。
冒頭で食性・口の大きさ・生活様式はさまざまと書きましたが、私たち人間の場合、自分の目線より下にある食べ物を食べることに適した口を持っています。昔の運動会やバラエティー番組で見る「パン食い競争」を想像してみてください。「上からひもで垂らされたパンにかじりつく」。とても食べにくいですよね。ゲームなので仕方ありませんが、普段の私たちの食事に適した形式かどうかといえば首を縦に振る人はいないでしょう。ペットも同じです。ペットの食事様式に適したエサを用意してあげましょう。
沈下性
水に沈んで底まで落ちていくタイプのフードです。低層を泳ぐ魚や、エビなどの低層を歩く生き物たちに向いています。
上記が代表的な生き物ですね。比較的中~低層で暮らしているため、口が下向きになっています。ナマズ・ドジョウ・金魚・エビ・ザリガニなどが該当します。
浮上性
こちらは水面に漂うように広がるフードです。水を吸収すれば底へ落ちていきますが、長い時間水面に漂います。口が上向きになっているほとんどの魚が食べてくれます。
口をよく観察してみましょう。浮上性のエサが適した魚は「受け口」なのが共通点です。
沈下性エサ・浮上性エサのメリットとデメリット
沈下性エサ
メリット
・低層魚までエサが行き渡りやすい
・高タンパクなエサが多い
デメリット
・与える量が調整しづらい
・砂利やアクセサリーの隙間に隠れてしまうと見つけづらく、水を汚しやすい
・上層魚は沈んでしまうと興味を示さなくなる
浮上性エサ
メリット
・上層魚が食べやすい
・沈んでも残餌になりにくく水を汚しにくい
・残餌となっても掃除が簡単
デメリット
・低層魚までエサが行き渡らない
・泳ぎが下手な魚が食べづらい
こちらを参考に魚種に合わせてエサを選んであげてください。
活き餌(いきえさ)
「活き餌」は生きた動物を用います。主に、大型魚や古代魚に使用されます。ワイルド個体(自然採取の個体)では、人工飼料が餌付きにくい場合も多いため、食いつきの良い活き餌が使われることも多いです。生きているブラインシュリンプやミジンコなども「活き餌」に該当します。これらは主に稚魚の育成に重宝されます。
主に使用される活き餌
鑑賞魚用のエサとして最も喜ばれる活き餌です。特に導入直後や、病気後の体力回復に高い効果を発揮し、繁殖時に体力をつけるのにも効果的です。
泳ぎが緩慢なことからどんな肉食魚も喜んで食べる、肉食魚向けの最もポピュラーな活き餌です。ビタミン破壊酵素を持つことから一般的に単食は良くないとされており、メインで与える際は他のエサと上手く組み合わせて与えると良いでしょう。
中型肉食魚、大型肉食魚の幼魚に、アカムシやアカヒレでは小さく、小赤では大きすぎるといった場合に最適です。上層部を泳ぐため、アロワナやスネークヘッドなどは特に好んで食べます。エサ用の金魚のようにビタミン破壊酵素を持たず、栄養価に優れた活き餌です。
熱帯魚の稚魚の育成に最適です。ブラインシュリンプの登場で熱帯魚のブリードが革命的に普及しました。
一般的な昆虫の活き餌です。アロワナなどの肉食魚にはもちろん、トカゲやカエル、ヤモリなど多くの両生類・爬虫類のエサとして愛用されます。
東南アジア原産の小型のカエルです。安価で流通するため、餌用のカエルとして扱われています。アロワナやスネークヘッドの仲間が好んで食べます。
活き餌のメリットとデメリット
メリット
・魚の本能を刺激する圧倒的な食いつき
・大型魚では迫力のある食事シーンが見られる
・与えすぎても活き餌が生きている間は水を汚しにくい
デメリット
・管理が必要
・寄生虫や病気を持ち込む可能性がある
・飼育魚がのどに詰まらせるなどの事故を起こす可能性がある
冷凍餌
活き餌は管理をしなければなりませんが、冷凍餌はその必要がありません。長期保存でき、自然解凍をしてから与えます。アクアリウムで最もよく使われる冷凍餌といえば「アカムシ」でしょう。
冷凍餌のメリットとデメリット
メリット
・管理が楽で長期保存が可能
・小分けになっているものも多く、与えたい時に与えたい分だけ給餌できる
・活き餌に負けない嗜好性がある
デメリット
・冷凍庫を使用する許可を得られる人間関係の構築が必要
・人工飼料に比べて高価
・常温保存ができない
活き餌か冷凍餌かは論争が起きやすいです。家族やパートナーと相談してどちらが良いか決めることをおすすめします。
まとめ
この記事ではエサの種類と特徴について書きました。さまざまな種類のエサを紹介しましたが、上手に組み合わせてバランス良く与えることで、イキイキと成長してくれます。飼育したい・しているペットに適したエサを選んで、健やかに育ててあげましょう!
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