底床自体をろ材とし、ポンプやモーターで水を循環させてろ過する底面式フィルター。エビやソコモノ飼育にピッタリな底面式フィルターですが、実はコスパ最強と言われています。今回はその理由を探っていきます!
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意外に知られていない?底面式フィルターの仕組みと正しい使い方
底面式フィルターの仕組みと種類
皆さん、スーパーなどに売られている天然水のラベルを注目して見たことはありますか?大体、「大自然でろ過された大地の恵み」のようなことが書かれています。実は、おおざっぱにはそういう事なんです。
砂利には水をろ過する能力があります。その力を利用して汚い水を砂利に通して水をろ過します。フィルターにある穴を通った水はモータやポンプでくみ上げられます。これを繰り返して水を循環させるのがこのフィルターの仕組み。雨水が山の土の中を伝って綺麗な湧き水になるのと大体同じこと、という訳ですね。
そして、底面式フィルターには水流を作る方法がいくつかありますので紹介します。
エアリフト式
最も一般的な方式です。エアーポンプ(空気の力)で水流を作り出して水を循環させます。ほとんどの製品にエアーポンプの使用を想定した、エアーポンプ用の接続口を設けていることが多いです。
モーター式
水中ポンプ(電気の力)で水流を作り出して水を循環させます。二酸化炭素を添加したり特殊なテラリウムなどではモーター式が使われる事があります。
底面式フィルターの正しい使い方
正しい使い方と題しましたがどちらかというと、これだけはやっちゃダメ!という感じ。ぜひ覚えておいてください。
①細かい砂の使用
フィルターにある穴に砂が入り込めば目詰まりして故障の原因となります。
②根張りする水草の植栽
こちらも同様に、フィルターにある穴をふさいでしまう可能性があり故障の原因となります。
③砂に潜る習性のある生体がいる水槽での使用
底面式フィルターの下に潜り込んでしまい大事なお魚がさようならなんてことに。
底面式フィルターのデメリットとしてあげられるのが「メンテナンス性の悪さ」他フィルターよりもこまめな掃除が必要です。プロホースで行うのが楽でしょう。
底面式フィルターは1度設置して底砂に埋もれてしまうと取り出しが非常に困難です。底面フィルターを移動したい場合、水槽内のレイアウト素材や底砂など、全ての物を取り出さなければなりません。またフィルターの調子が悪い時なども、一度埋まっている本体を取り出さなければなりません。リセット作業を行いたい時に一番手間のかかるフィルターです。底面式フィルターは水槽のサイズに合ったものを使用し、極力移動は避ける。そしてこまめに掃除をする。これが鉄則です。
吐出口の高さ・向きにも注目しましょう
高さ
吐出口の高さは水位と同じ高さにしましょう。高さをそろえることでエアーリフト効率が良くなり水が遠くまで循環します。

水位が高すぎたり低すぎたりすると、水流が弱まり効率よく循環することができません。


吐出口の向き
吐出口は水槽の対角線上を向くようにしましょう。高さと同様、最も遠くに水流が届き循環します。水温・水質にムラなくよどむ水域を減らすことができます。



稚魚の育成時など水流を弱めたい場合には有効です。
底面式フィルターに適した底床・適さない底床
適した底床
適さない底床


底床は、底面式フィルターを設置した上から数えて2~4cmの厚さに敷きましょう。
底面式フィルターがコスパ最強な理由3選
実は底面式フィルターはフィルターの中で、「コスパ最強!」という声があります。その理由は以下の事からだと考えられます。
フィルター本体が安い
他のフィルターに比べると圧倒的に格安です。マッチしたシチュエーションを選べばこれほど安価なフィルターは他にないでしょう。
底床がろ材=高価なろ材を用意する必要がない
フィルターの上に底床を敷いて使用するので底床そのものがろ材になります。多孔質(凸凹が多い)な底床を使えば、バクテリアの住処が増え効率よくろ過が行えます。底砂をそのまま使用するので、高価なフィルター専用のろ材を用意する必要がなく、コストパフォーマンスに優れます。
底床がろ材=ろ過面積が広い=ろ過能力が高い
2つ目の理由と付随してきます。ろ過面積が広いという事はろ過能力が高いということです。底面全体を物理ろ材かつ生物ろ材にしているところが最大のメリットですね。
具体例を挙げてみましょう
60cm水槽に4cmの底床を入れるとすると約6.8Lになり、その量がろ材として活用できます。
外部式フィルターの代表 エーハイム2213のろ材容積は約3L。
一般的な60cm水槽用の上部式フィルターにろ材容積は約3L弱。
こう考えると、底面式フィルターのろ材容量は一般的な外部式・上部式フィルターに比べ約倍以上!
ただし、流量やろ材形状の観点から言うとろ過効率が最強とは言えません。
ビーシュリンプ飼育やブリーディングに使われるワケ
底面式フィルターはビーシュリンプの飼育・生体のブリーディングに最適、と言われます。そのワケを探っていきます。
省スペースかつ目立たない
底床の下にフィルターがあるので、目につきにくくスペースも取りません。
稚魚・稚エビの吸い込み事故のリスクが低い
水は、底床を通ってフィルター内に取り込まれるため稚魚・稚エビや体の小さな生体が巻き込まれることが非常に少なく、安全と言えます。
水流が弱く体が小さい生体はすごしやすい
エアーリフト式なら吐出管から排出される水流が弱く、生体の体力を消耗させません。エアレーションも同時にされるので、酸素供給もされて安心です。
オススメ製品&あると便利なもののご紹介
ニッソー バイオフィルターシリーズ
定番製品です。昔から販売されているシリーズで、安く、信頼感があり人気が高い商品です。
GEX マルチベースフィルター シリーズ
こちらも定番製品。バイオフィルターに比較し、比べ穴の大きさが大きくなっており通水性が向上しています。
底面式フィルターと一緒に購入しておきたいもの

エアレーションセット
どれを買ったらよいか分からないという方はセットで買ってしまった方がよいでしょう。オススメした「水心」もセットに入っています。予備として、各用品を個別で持っておいても損はありません。

プロホース
プロホースは誰にでも上手な水換えが出来る様に工夫された観賞魚飼育専用の掃除用品です。グリップ部分のスターターを数回押すだけで簡単に排水がスタートし、水槽内のレイアウトを崩すことなく観賞魚や水草にもやさしい水換えを実現します。面倒な砂利洗いや水槽内のゴミ除去が水換えと同時にできるようになっており、水槽掃除の負担を大幅に軽減します。
長期間飼育をしていると、ろ材となる底床が目詰まりしフィルターの機能を果たしません。底面フィルターの性能を引き出すためには定期的な底床の掃除が欠かせません。
底面式フィルター 応用術
半面使用

特にビーシュリンプ飼育やグッピーのブリードを行う方、金魚の屋外飼育をする方・問屋さんやショップような大量にストックしつつ回転率高めの水槽にオススメの方法です。水槽内の半分だけにソイルを敷き、その下に底面式フィルターを入れて稼働させます。もう半分はベアタンク(ソイルなどを敷かない)状態に。底床掃除が楽になる他、ゴミ等が見えやすくなります。底床交換も量が減るので時間短縮に。
フィルターとソイルの間にウールを入れ込む

ビーシュリンプのブリードや、コリドラスなどの細かい底床を好む生体向けの手段です。下から底面式フィルター、ウール、底床の順に重ね底面式フィルターの目の中に底床が入り込んでしまうことを防ぎます。また、ウールではなく下の画像のような目の細かいネットを使用する場合もあります。

まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、底面式フィルターに注目してお話をさせていただきました。低価格で高いろ過能力を持つこのフィルター。一度使ってみてはいかがでしょうか?
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