淡い緑の謎めいた淡水ヌマエビ、アルジーライムシュリンプをご紹介します。
生物学的データ
分類 | カワリヌマエビ属 |
体長 | 3cm |
食性 | 雑食 |
分布 | 中国南部 |

アルジーライムシュリンプは、ミナミヌマエビに非常に似た中国南部(江民)原産の淡水ヌマエビです。
近縁種が多く、「シナヌマエビ」や「ノコギリヌマエビ」といった諸説があり、詳細不明な点が多くあります。
特徴として、ミナミヌマエビに比べてやや明度が高く、淡い緑や黄緑の体色がきれいな外見、大卵型のため、水槽内での繁殖が可能なことが挙げられます。
飼育方法はミナミヌマエビと同様です。低水温耐性はありますが、冬季など10℃を下回る水温には耐えられない恐れがあり、屋外飼育は避けた方が良いでしょう。
体長は3~4cmと小さくコケ除去能力あり、黒髭コケ対策に有効な種という事から多くのアクアリストがお迎えしておりますが、既に生えきった黒髭コケには効果がなく、あくまで予防策として導入の方が効果がみられると言われる事もあります。


2006年当時の画像になりますがご覧ください。
黒髭コケだらけのスポンジフィルターが、写真をご覧いただけるとわかるように綺麗になっています。
一般飼育下ので管理では難しい密度・匹数でのご紹介になりますが、アルジーライムシュリンプのツマツマお掃除した結果が上の写真になります。
黒髭コケ除去に有効という事を教えてくれています。

Charmの先輩方が残してくれた情報を元に考えると、黒髭コケが生えきっていても効果が見込める事もおわかりいただけると思います。


日本に初導入された際、2006年度Charmでも真っ先に販売させていただきました。
飼育環境



繁殖力が非常に高い為45cm水槽以上での飼育がおススメになります。
(繁殖を考えない飼育であれば小さいサイズの水槽での飼育も可能です。30cm水槽で10~15、60cm水槽で15~20匹を目安として下さい。)
飼育スペースは単体飼育・水草水槽などのお掃除役などでお考えいただけると良いと思います。

フィルター
フィルター選びも飼育環境にあった物(水槽のサイズに合った物)をお選びいただけると良いかと思います。
水温・水質
水温20~25℃が適正温度、ミナミ同様低温にも耐性があります。
水質は弱酸性~中性になります。
適温・好む水質はありますが、きっちり合わせる必要性は無く、ご自宅のアクアリウム環境に合わせお選びいただけると良いかと思います。
夏場の水温の急上昇への対処は他のエビと変わらず、冷却用にファンやクーラーなどの設備は必要になります。
底床(ソイル)
田砂・大磯砂・玉砂利・ソイルなど、飼育する環境により選択する方も多いと思います。
アルジーライムシュリンプは底層生物の為、水流に負け流されたり他の生き物に狙われやすくなる事、甲殻類である事を考慮し成長に最適な環境と作る選択が良いかと思います。
水質を弱酸性に傾ける性質があります。
「吸着性ソイル」・「栄養系ソイル」の2種類があり用途によって使い分けるとよいかと思います。水洗いなどできず再利用できない点がデメリットになります。
ソイルとは逆に弱アルカリ性に水質が傾けがちになります。
再利用できる点でも長持ちしますが、長期利用により成分が減少していく為、
弱アルカリ性へ傾ける効力は弱くなるので注意になります。
アルジーライムシュリンプのNGアイテム
基本に沿って飼育してけば何を使用しても問題ないと思いますが、
農薬に弱い点を考慮し、水草や流木などの導入時には注意していただけたらと思います。
水草など入れる事が多いと思われます。水草を入れる際に無農薬の物を選ぶようにしましょう!購入された水草が心配であれば、別の水槽や保管できそうな物をご用意いただき活性炭・農薬除去剤やしばらく別にして保管というような除去作業をし投入しましょう!
チャームで販売中の水草は無農薬国内栽培の物となり安心してご購入いただけると思います。
種類により残留農薬処理済みの物も御座いますのでごご購入の際は注意ください。
組織培養も徹底した管理の元培養しており他の無農薬の水草同様に安心してご使用いただける物になっております。
混泳
大人しい性格である事から混泳は可能となります。
同種であれば複数匹での飼育も可能です。
ミナミヌマエビは近縁種である為、交雑する事があります。
同水槽で飼育された場合、非常に似ているため見分けがつかなくなります。
熱帯魚との混泳には注意が必要になります。肉食性の強い熱帯魚小型種であっても
口に入ってしまう恐れがある魚に関して注意が必要になります。
混泳OK








※口が小さく温厚な小型の魚・オトシンクルス・コリドラス・プレコ・小型ローチ系・同サイズのシュリンプとの混泳は可能です。
混泳NG



口が大きな魚・サイズ違いの大きなシュリンプなど、飼育個体に害を及ぼしかねない混泳は避けることが良いかと思います。
サイズは約3~4mmと非常に小さい稚エビにとってはどんな魚であっても食べられてしまう事があります。
繁殖・抱卵(ハッチアウト)後の育成
1.基本的な飼育設備を整える。
2.最適な水質・環境(水草・流木)などを用意する。
3.繁殖させたい品種を♂3と♀7の比率で準備をする。(数が多いほど抱卵する個体確率を増やす為)
4.栄養価の高い餌を与える
5.水温は22℃~25℃での飼育を維持する(20℃を下回ったり高温での抱卵しなくなる為、温度帯の維持が必要になります。)
6.水草を多く入れてあげる(多ければ環境も落ち着きが餓死する確率も下げる)
稚エビのサイズは約3~4mmととても小さいです。
水草に生えた苔やバクテリアを食べて成長するので餌をあたえる必要はありません。
水槽内に苔やバクテリアが少ない場合は原生生物の供給をしてあげる必要があります。

サテライトなど使用しない場合、稚エビが大きくなるまでは親エビに人工飼料など与えるようにしましょう。

まとめ

ミナミヌマエビと比較すると価格はちょっと高めで流通は少なく、あまりショップなどでお目にかかる事が少ないかと思います。
飼育が容易・水草についた黒ヒゲ対策・水草水槽に映える綺麗な体色、他種にないミステリアスな魅力をもつアルジーライムシュリンプをお迎えしてみてください。
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