ハワイ諸島だけに生息する小妖精、ピクシーシュリンプことホロホロシュリンプ。
必要な器具もなく、飼育も容易。お部屋のインテリアのアクセントとしても最適です。
そんな魅力のあるシュリンプをご紹介します。
生物学データ

学名:Halocaridina rubra
Caridina breviriostris
分類 | ヌマエビ科・Halocaridina属 |
体長 | 1.5cm |
食性 | 雑食 |
原産地・分布 | ハワイ諸島 |
ホロホロシュリンプはハワイの固有種です。ハワイ島・オアフ島・マウイ島・モロカイ島に生息し、ワイルドはこれらのハワイ諸島のみに生息しているようです。

古い島の石灰岩のカルストや海岸沿い溶岩性の窪地にできた潮だまり(雨水、海水が混じった汽水)などにおり、酸欠に強いといわれています。
自然下では、岩などに発生する緑藻、珪藻やバクテリア・微生物を食べていますが、小瓶などでも飼育ができる癒しエビとして人気上昇中です。
「オパエウラ」「ピクシーシュリンプ」「スカーレットシュリンプ」「マイクロシュリンプ」「ハワイアンレッドシュリンプ」などの別名も持ちます。
ハワイでは「ōpaeʻula(オパエウラ)」赤いエビといわれているように、とてもきれいな赤色です。(「ホロホロ」=「散歩する」「出かける」「ぶらぶらする」という意味があるそう。)
ストレスがかかると色が抜けて白色になります。
汽水シュリンプの仲間


パープルゼブラ・シュリンプ
学名:Potamalpheops miyai (Potamalpheops amnicus?)
台湾の沿岸域原産の小型エビで、体長はホロホロシュリンプと同じ1.5cmです。
別名を「パープルクリスタル・シュリンプ」といい、
縞模様・額角が極端に短く、両眼の距離が近い特徴を持ちます。
隠れる傾向が強いため、水槽内ではなかなか目立たないこと、水質の変化にデリケートです。
飼育環境
容器サイズ



チャームでは、最大全長が1.5cmと極めて小さいホロホロシュリンプを、「ホロホロボトル」として容器とセット販売しています。
適した透明の容器であればどのような容器でも飼育可能です。(約70mlに1匹を目安に考えると良いでしょう。)
水槽飼育をお考えの場合、30cmもあれば複数匹飼育が可能になります。





フィルター
基本フィルターは必要ないでしょう。
水槽飼育でフィルターを使用する場合、選ぶ基準としては吸い込まれないこと、スポンジフィルターなどが最適かと思います。

水温・水質
水温は20℃~26℃、水質は中性~弱アルカリ性が適しています。
飼育に必要な汽水と甲殻類に必要なミネラル分などは溶岩石から溶け出します。
丈夫なシュリンプを飼育できる水作りを行いましょう。
汽水の準備が大変な方に!こんな便利なアイテムはいかがでしょうか。

水温の急上昇への対処は他のエビと変わらず、冷却用にファンやクーラーなどの設備は必要になります。

ボトル飼育で設置が難しい場合、日当たりの良い場所を避ける・エアコンが良く効いた部屋での飼育も考慮しましょう。
冬の寒い時期にはヒーターが必要になってきます。
水槽飼育であれば、サイズにあった水中ヒーターで水温調整が可能です。ただし、30cm未満の小さい容器で飼育の場合は、爬虫類飼育で使用されるパネルヒーターなどを活用する方法があります。
低水温で仮死状態になります。死んだように見える場合でも15℃くらいまで水温を上げて少し様子を見てください。
再び水温が上がると復活して活動し始めることがあります。
底床
中性~弱アルカリ性を好むため、田砂・大磯などアルカリに傾くものがオススメです。
レイアウト
汽水飼育なので入れられるものは限られますが、隠れ家として生体へのストレス軽減になります。
緑を入れたいのであれば「マリモ」がオススメ。
(汽水域で生育が確認されており、汽水飼育が可能です。)

ヤギの枝(サンゴの骨格)や貝殻などを使用すると見栄えも良く、アルカリに傾きやすいでしょう。
流木などは酸性に傾き、汽水飼育のホロホロシュリンプに影響を及ぼす原因になります。そのため、使用できません。
自然採取したものを導入の際は、害虫などによる水槽内汚染をさけるなど、安全面を考えましょう。



汽水で育つ植物は限りなく少数です。耐性のある海岸植物など探すのも良いでしょう。


餌
飼育環境内で発生する藻類やバクテリアを食べて生きられるシュリンプなので、
餌を与える必要がありません。


水槽内で発生する藻類を食べ、排泄物をバクテリアが分解し、藻類の栄養になるというサイクルが成り立つため、給餌がいりません。
混泳
小さなボトルでの飼育での混泳は困難です。
水槽や大きなボトルで水量に余裕があり、汽水域でも飼える種であれば混泳は可能になります。



サイズが小さいく、口の小さな魚との混泳でも誤飲の恐れがあります。
繁殖の方法
水槽内繁殖の成功例は極めて少ないので、参考例としてお考えください。
ホロホロシュリンプは陸封型のヌマエビ類です。
大卵型でゾエア幼生期なく、抱卵したメスがいると脱皮を待ち、脱皮直後に交接を行い、卵から直接稚エビが生まれるようです。
メスはとてもストレスに過敏で、落ち着いた隠れ場所などがなければ卵を落としてしまいます。
大きな水槽で飼育を行い、設備も用意し、塩分濃度のチェックと厳密に行うことが大事です。
身体の小ささのわりには意外と長寿、上手く育てれば2~3年ほど生きます。
大切に育ててあげてください。
自然界では雨や波で水質変化・水温変化や、塩分濃度の変化が要因の一つかと思われます。
大卵型からミナミヌマエビ・チェリーシュリンプ・ビーシュリンプと同じく、適正水温以下では抱卵が見られないことがあります。ハワイ諸島の水温変化がある程度関係しているかもしれません。
まとめ

とても小さくてかわいらしいホロホロシュリンプ。水換え頻度が少なく、給餌いらずと飼育も容易です。初期費用も小さく手軽に始められます。卓上サイズの容器から30cmの水槽と置く場所も選べ、お部屋のアクセントとしても楽しめますよ。
小さなエビが小さな癒しを提供してくれます。
アクアリウムもインテリアの一つとして、快適な空間デザインをしてみるのも良いものです。
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