気泡をたくさんつける美しい水草・モスたち

水草・レイアウト
水草・レイアウト

水草やモスの中には、たくさんの気泡をつけるタイプがいます。
気泡からは水草の生命と美しさの両方があふれ、たっぷりの酸素が供給されます。
そこに暮らす生体もイキイキとしていることでしょう。

気泡をつける水草の育成は水草水槽の醍醐味ともいわれます。
種類によっては初心者からチャレンジ可能です。
たくさん気泡をつける水草とモスのご紹介とともに、気泡を付けないときの対策まで解説します。

水草の気泡の正体は酸素

水草は植物である以上、光合成により成長します。光をエネルギーとして二酸化炭素を取り込み、成長するための養分を作り出して酸素を放出しています。すなわち、水草がつけている気泡の正体はまさに酸素そのもの。光合成の結果が目に見えるというわけなんですね。

気泡をたくさんつけているのは光合成が活発に行われている証拠で、しっかり成長していることを確認できるめやすともいえます。また、水中に酸素が大量に供給されることでバクテリアの活性が上がるため、水がクリアになるという好循環も生まれます。

ただし、気泡をつけやすい水草であっても、環境によっては十分に気泡をつけないことがあります。
これらの対策については、記事の後半で解説します。

気泡をたくさんつける美しい水草・モス

たくさんの気泡がつきやすくするには、十分な光とCO2の添加が必要です。
また、水中にたっぷりの酸素が存在していることも気泡をつけるうえで欠かせません。水草を敷き詰めるように密集させ、生体の数は控えめにしましょう。

グレートモス

グレートモスはアナカリスと非常によく似た見た目をしている水草です。アナカリスの別名がオオカナダモというように、グレートモスもトチカガミ科、オオカナダモ属に分類されます。

アナカリスと同様に幅広い環境に適応し、水草用ライトもCO2の添加もいりません。育成しやすく初心者にピッタリ。金魚藻としても導入できます。

成長スピードが速いため、小まめなトリミングが必要です。

ドワーフリシア

ドワーフリシアはリシアの小型版で、前景草の中でも最前列に用いられる水草です。高光量とCO2の添加は必須ですが、育成しやすく初心者向きです。

気泡をつけた美しさは随一。コケが出やすい環境になるため、ミナミヌマエビをコケ取り要員として導入すると良いでしょう。
もともとは浮き草で活着性もないことから、リシアネットなどに敷き詰める必要があります。

リシア

リシアはドワーフリシアと同様に、気泡をつけた姿が美しい水草です。高光量とCO2の添加は必須ですが、やはり育成しやすい部類に入ります。成長が速く、均一に敷き詰めても成長具合による凹凸が生まれます。気泡の美しさと日々の変化の両方を楽しめるのも魅力。

コケが出やすい環境になるため、ミナミヌマエビをコケ取り要員として導入すると良いでしょう。もともとは浮き草で活着性もないことから、リシアネットなどに敷き詰める必要があります。

ミズハコベ

ミズハコベは日本の全国に自生する身近な水草です。CO2添加により気泡をつけやすく、幅1mmもない細い葉は繊細な印象をもたらします。成長スピードは速く、枝分かれしながら増殖してボリュームが出やすいことから後景草向きです。

南米産のミズハコベは前景草にも使える草丈で、十分な光量で照らすと底をはうように成長します。

パールグラスの仲間

パールグラスの仲間は気泡をつけやすく、群生させることで美しさが引き立つ種類です。

いろいろなパールグラスが存在しますが、前景草にはキューバパールグラスやニューラージパールグラス、中景草にはラージパールグラスに分けられます。

植え付けはピンセットを使って底砂に植え付けるのが簡単です。

バブルモス

モスでありながら、高光量とCO2があればリシアにも匹敵する気泡をつけるというバブルモス。リシアと違って活着性があるため、プレートや流木、石などに巻いて使うことができます。

きれいな水を好み、高水温を苦手とします。

グリーン系が続いたので、赤色の水草で気泡をつける水草もご紹介しましょう。

ロタラの仲間

ロタラの仲間は非常に多く、葉の色や形に多様性を持つ中~後景草に用いられる水草です。高光量とCO2は必須。気泡を比較的付けやすく、群生させることで美しさが引き立ちます。

水槽のアクセントになる赤系が多いこともロタラの特徴で、育成の難易度も幅広くあります。

画像は、「ロタラ ロトンディフォリア ベトナム H’ra」。比較的育成しやすい種でありながら、光量によってオレンジ~黄色のグラデーションから真紅の色合いまで赤みの変化を楽しめます。

きれいな水景を維持するためには、トリミングが欠かせません。
有茎草、前景草、活着性など、水草のタイプにより適切なトリミング方法も異なります。
トリミング後はコケの発生や生体の調子を落とさないよう水換えを行うと良いでしょう。

トリミングについて詳しくはこちら

水草が気泡をつけない原因

思うように水草が気泡をつけない。そんなときは、次のような原因が考えられます。

  • 光合成が十分に行われる環境になっていない
  • 水草の育成に適した環境になっていない
  • 水草の量が足りない
  • 生体が多すぎる
  • 養分が足りない

光合成が十分に行われる環境になっていない

・光量が不足している
・CO2が不足している

植物の光合成は、光を利用して二酸化炭素(CO2)と水から必要な栄養を作り出し、酸素を放出する活動のことをいいます。ここでいう光とは、太陽光またはそれに代わるもので、赤色の光、青色の光を含んでいることが重要です。気泡をつける水草は特に十分な光量を必要とします。

気泡をつける水草の中には、育成だけならCO2は添加不要なこともあります。気泡をつけさせるためにCO2の添加が必要なのは、やはり光合成を活発に行うには不足しているためです。
画像はアクロ TRIANGLE LED GROW使用イメージ

ライト、CO2の使用時間は?

自然下において植物は太陽の光を借りて光合成を行うため、太陽のない夜間は光合成をせず呼吸のみ行っています。植物の呼吸は、人間と同じく酸素を取り込み二酸化炭素を吐き出しているのです。

ライトもCO2の発生器も光合成の手助けに使うと考えれば、ライトとCO2の使用時間は合わせるのはごく自然なこと。1日8~10時間程度が良いようです。日によって使用時間をバラバラにすると水草が生活リズムをくずしかねません。タイマーを使って制御すると良いでしょう。タイマー内蔵ライトやタイマーがセットになったCO2発生器もオススメです。

水草の育成に適した環境になっていない

・水温が低い(高い)
・硬度が高い、アルカリ性に傾いている

水草にはどんな環境でも適応できるタフなタイプ、一方でデリケートで限られた環境のみにしか適応できないタイプもいます。水温や水質など、それぞれの水草の育成に適した環境に整えてあげましょう。

多くの水草は25度前後の水温と弱酸性の軟水を好みます。低水温に気を付けましょう(夏場の高温にも気を付けてください)。レイアウトに用いる石は、硬度を上げてアルカリ性に傾けやすくなります。サンゴ砂にも同様の影響があるため、弱酸性を好む水草の底砂にはソイルや大磯砂、田砂を選ぶと良いです。

ソイルは大別すると栄養分を含んだ栄養系、有害物質を除去する吸着系とあって機能面に優れます。コスパ重視なら大磯砂で扱いやすい点が魅力。田砂はキューバパールグラスのような草体の小さな水草に向いています。

水草の量が足りない

光合成が十分に行える環境を整っていても気泡をつけないことがあります。というのも、気泡は水中に十分な量の酸素が溶け出している状態で見られるためです。水草の調子が良ければ環境は整っていると考えられます。水草の量を増やして溶存酸素の多い状態にしましょう。

生体が多すぎる

生体を導入している場合、上で述べた“水中に十分な量の酸素が溶け出している状態”に関係してきます。生体も生命活動する上で酸素は欠かせません。生体の数が多いほど、酸素を消費する量も比例して増加します。

養分が足りない

水草がイキイキとするためには養分も必要です(栄養系ソイルも栄養分はなくなっていきます)。肥料を与えて活性を高めてあげましょう。赤系水草は鉄分補給も欠かせません。
固形よりも液体の肥料のほうが即効性が高いです。添加のし過ぎはコケの原因となるため、水槽の様子を見ながら添加してください。

まとめ

水草の気泡は、水草育成の醍醐味ともいわれるほどです。
グレートモスのように種類によっては初心者から取り組めます。
これを機会に水草育成にチャレンジしてみませんか。

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