皆さんは淡水エビの違いってご存じですか?日本の河川には7種ほど生息していますが、その姿は非常によく似ています。チェリーシュリンプやビーシュリンプとは違って、色味や表現での判別も困難な種もいるほどです。
そこで今回は、混入したら見分けづらい淡水エビの判別方法をご紹介します。
エビの違いを見分けよう
何を見たら判別できるの?と思う方がほとんどでしょう。なんとなく全体を見てしまうと分かりにくいのですが、どのエビにも特徴はあるものです。パーツごとに見てみると違いが分かりやすくなります。
目
種類によって目の位置や角度が変わります。エビを真上からみた時の図でご紹介します。
1.横にでるタイプ 2.前につくタイプ 3.少し斜めになるタイプ
腰のフォルム
1.真っすぐになっている 2.腰の部分が曲がる
脚
1.ハサミ脚の長短
2.外肢の有無(脚の付け根から小さな脚がさらに分かれている)
甲殻に入る模様
頭胸部に入る模様も種によって特徴があります。
混入しやすい種の特徴
コケ取りで知られるヤマトヌマエビやミナミヌマエビの多くは採集個体が流通します。また、その他の日本の淡水エビも多くは採集個体です。
よく似た種が多いので採集や流通過程で別種が混ざっているなんてことも少なくありません。ここでは良く混入が見られる日本のエビの特徴をご紹介します。
テナガエビ科
「テナガ」という名前の通り、ハサミ脚が長いことが特徴的です。幼個体時からハサミ脚が長く同属でも見分けがつかないことがあります。
同じテナガエビ科のスジエビは、テナガエビの幼個体と酷似しているため、頭胸部の模様などを比較することで判別が可能です。
肉食性が強く、コケ取には向かないエビになります。幼エビの時期は問題がありませんが、魚やエビを攻撃することがあるので、見かけたら水槽から取り除くようにしましょう。
テナガエビ属
テナガエビ 学名:Macrobrachium
・ハサミ脚が長い
・腰が折れ曲がり、バンド模様も少ない。
・頭胸部に「M」のような模様がある。
※幼個体のみスジエビに酷似
スジエビ属
スジエビ 学名:Palaemon paucidens
・ハサミ脚が長い。
・折れた腰の部分のバンドが入る。
・頭胸部分に「凶」の字のような模様がある。
下記の記事でテナガエビ・スジエビの特徴について詳しく説明しています。あわせてご参照ください。
ヌマエビ科
ヌマエビ科はヌマエビ属・ヒメヌマエビ属・カワリヌマエビ属の3つに分かれます。流通の多いヤマトヌマエビやミナミヌマエビなどはヌマエビ科に分類されます。
下記の記事にて3種の特徴を説明してます。
※カワリヌマエビ属はミナミヌマエビのみご紹介しています。
ヌマエビ属
ヌマエビ 学名:Paratya compressa
・上から見ると眼が真横にある。
・眼上棘がある。(極めて小さいので確認が難しい。)
・腰部分とその前に茶と白のバンドが入る。
・頭胸部に茶色い斑点が並ぶ
・腰が曲がっている
・透明感がある
※腰が曲がることから「キャメルシュリンプ」、ミゾレ模様を持つことから「ミゾレヌマエビ」ともよばれます。
ヌカエビ 学名:Paratya improvisa
・眼が真横についている。
・外肢が歩脚の付け根から分かれる
・頭胸部に模様がある。(ヌマエビとは違うため比較しやすい。)
・腰が曲がる
・濁った体色
ヒメヌマエビ属
ミゾレヌマエビ 学名 Caridina leucosticta
・眼は斜め前向き。
・眼元から頭胸部に流れる線が入る。
・腹節から尾にかけて「~」のような模様がある。
・額角が長い
※長い期間「ヌマエビ(別名ミゾレヌマエビ)」と名前の混同がありました。正式には本種がミゾレヌマエビになります。
ヒメヌマエビ 学名:Caridina serratirostris
・有色と白色にはっきり色が分かれる。
・背中に1本ラインと縞模様のバンドの2種類。
・額角が長く前方に水平に伸びている。
※本州で出会うことはなく、南の地域のみで混入することもありません。
まとめ
今回は類似した淡水エビの判別方法についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
日本の淡水域に生息するエビも、特徴を理解していれば判別も問題ありません。
なお、食性が異なる種もいるため、採取や購入をしたら必ず水槽へ導入する前にチェックしてみましょう。
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