まるわかり!金魚の体色と模様18種<金魚の教室5限目>

金魚
金魚

こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
飼いやすく人によく懐く身近な観賞魚、金魚。
カラフルな色彩や優雅なヒレなど、絵になる美しさを持つ金魚には奥深い魅力があります。
「金魚の教室」は、金魚のいる生活を楽しみたい初心者向けのなるほどシリーズです。 

今回の授業は、金魚の高い観賞性を支える体色と模様について。 
体色や模様の名称とその特徴を知っておくと金魚選びの際に便利です。

金魚の名前はややこしい?

身近な観賞魚である金魚は、とにかくバリエーションが豊富です。
金魚は国内外で作出されていて、品種だけでも100種類以上あるといわれています。
単純に品種名だけならわかりやすいのですが、品種名にヒレの形や色柄などが組み合わさることで金魚の名前はややこしくなりがちです。

たとえば、「更紗琉金」は更紗(さらさ)という色柄の琉金です。「桜琉金ショートテール」は桜という色柄でショートテールと呼ばれる尾ビレを持った琉金を指します。「キャリコ琉金ショートテール」なら、キャリコという色柄でショートテールと呼ばれる尾ビレを持った琉金というわけです。
ちなみに、ダルマ琉金のダルマは色柄ではありません。体型を表す名称で胴体が短い特徴があります。

ダルマが体型……ならば、意味からなんとなく姿が想像できるのでしょうか。
ショートテールは直訳すれば“短い尾”なので、尾ビレが短いタイプと想像がつきます。
でも、更紗に桜、キャリコといわれても、なんだかピンと来ませんよね。
ということで、色柄の特徴を単色、二色、三色、特殊柄の順に見ていきましょう。

単色の金魚(赤・黒・黄・青・茶・白・アルビノ・メノウ)

まずは一色で表現される金魚の色から。赤や黒だけではなく意外な色もあるんです。スタンダードなカラーからご紹介します。

赤色は金魚の中で最もスタンダードなカラー。金魚すくいでも圧倒的に赤色の和金(小赤)が占めていますよね。

実は赤にも種類があり、ヒレの先まで全身が赤いものを素赤(すあか)、ヒレまで赤いものを猩々(しょうじょう)と呼びます。素赤はよく見かけますが、猩々はまれです。

ちなみに、ブランド金魚ともよばれる「飯田琉金」は、一般的な琉金に比べて赤色が濃く鮮やかなことで人気です。

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黒色はデメキンに代表されるカラー。赤色に続いて金魚ではよく知られる色で、オランダ獅子頭やランチュウにも見られます。金魚すくいでも黒デメキンは挿し色的な存在で人気です。

ただ、黒色は成長につれて退色しやすい傾向にあります。個体によっては成長途中で赤く変化するものも……。
このような背景から、大きく成長させた漆黒の黒デメキンは高値がつくのでしょう。

黄色はゴールデンコメットに代表されるカラーで、鮮やかな黄色が水槽によく映えます。他のカラーと比較して歴史は浅く、2000年以降に登場しました。

黄色の金魚では他に黄金琉金が知られるほか、キラキラなどウロコが変化した品種がいます。

黄色はラッキーカラーといわれるように、もしかしたら幸運の使者になってくれるかもしれませんね。

金魚でいう青色はごく一般的な青とは異なり、灰色または銀色が混ざったようなカラーです。「銀蝶尾」「銀水泡眼」などのように、青ではなく銀と表現されることも多くあります。

品種では青文魚が青色の金魚の代名詞的な存在です。ブルーグレーの上品な美しさは青文魚ならでは。個体によって成長途中で白く変化します。青と白が混じっていれば「羽衣」、白一色なら「白鳳(はくほうorパイフォン)」と呼ばれます。

なお、羽衣は二色の項目でご紹介する「パンダ」と同一です。

茶色の金魚といえば「茶金」の代名詞。まるで銅のように渋さの中に美しさをたたえ、体色がそのまま品種名になっています。

茶ワキン、茶琉金、茶らんちゅうなどもいますが、オランダ型の茶金が主流でそれ以外の流通はまれです。

白琉金

赤系とは異なる繊細な美しさを持つ白色。しかしながら、意外と白色の金魚を見かけることは少ないのではないでしょうか。というのも、これまで白色は価値の低い色として選別段階でハネられていることが多かったためです。

近年では再評価されつつあり、白琉金、白オランダなど白一色の個体を選別して販売するケースも見られるようになりました。

ハネもの扱いされやすい関係上、オタマ金魚から探すと見つかることがあります。

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アルビノ

アルビノとは、先天的にメラニン色素が極度に欠乏した明るい(白または白に近い)体色で赤い目を持つのが特徴です。

アルビノというと真っ白なイメージがあるかもしれませんが、アルビノでもさまざまな体色を持ちます。あくまでアルビノは“メラニン色素の欠乏による白化”なのです。

アルビノタイプはなかなか見かけません。ユニークな金魚をお求めの方にピッタリといえるでしょう。

アルビノについて詳しくはこちら

メノウ

メノウは薄紫色の希少なカラーです。青と茶の両方の遺伝子を併せ持つことでこの色合いが表現されます。らんちゅうや蝶尾などで見られますが、ごくまれです。

二色の金魚(更紗・丹頂・パンダ・タイガー(虎))

単色の金魚よりも個体ごとの個性が強まるのが二色の金魚です。

更紗(さらさ)

更紗は赤と白の組み合わせ、すなわち日本人が好む紅白カラーです。更紗は和金、琉金、オランダ獅子頭、らんちゅうの4系統に見られますが、更紗琉金が人気を集めています。

赤白の比率は個体によってさまざまです。赤色のほうが占める割合が大きいものを『赤勝ち更紗』、反対に白色のほうが占める割合が大きいものを『白勝ち更紗』と呼びます。

模様の入り方によって呼び方のバリエーションがあり、丹頂や日の丸がその一例です。

丹頂

丹頂は更紗の一種で、丹頂柄が高確率で出現するよう固定化したものです。タンチョウヅルのように頭が赤く、それ以外は白という日の丸カラーが美しい。金魚で丹頂といえばオランダ型を指し、オランダ型以外は丹頂柄といいます。

赤色の金魚で飯田琉金をご紹介しましたが、飯田金魚は鮮やかな赤色に加えて肉瘤の発達が見事な「高頭丹頂」も人気です。

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パンダ(羽衣)

単色の青の項目でご紹介したとおり、パンダと羽衣は同一。紅白の更紗に対してパンダは白黒というわけではなく、退色途中の青なのです。完全に退色し、最終的に真っ白(白鳳)になることもあります。

オランダ獅子頭やデメキンによく見られ、シックな雰囲気が特徴的です。

タイガー・虎

タイガーは赤と黒が入り混じったまだら模様が特徴です。赤と黒の比率は半々で、その入り方はどれも個性的。タテジマのように入ればまさに虎、そうでなくてもサビ猫のよう。どちらにせよ、カッコイイ!

なお、「虎オランダ」「レッサーパンダ(虎蝶尾)」のように、古くから虎と呼ばれる色柄がありますが、タイガーと虎の表現は同一ではありません。

タイガー≠虎 何がどう違う? 
タイガーには色柄の定義がありません。商品名のような位置付けで、赤系・黒系の表現を含んだ虎らしき柄にタイガーの名前が付くようです。タイガーの名は輸入金魚に多く見られます。
一方、虎には色柄の定義があります。赤と黒の2色で黒デメキンの退色途中に該当します。また、タイガーは透明鱗を含むことがありますが、虎に透明鱗はありません。

三色の金魚(キャリコ・ミルク(シルク))

二色よりもより個性を発揮するのが三色の金魚です。

キャリコ

英語でまだらを意味するように、キャリコは赤と黒、浅葱(青系)の3色が入り混じり、モザイク透明鱗(特殊柄の桜を参照)を持っています。キャリコはもともと琉金と三色デメキンの交配から生まれたキャリコ琉金を指すものでした。

近年では、キャリコ柄を持っていれば「キャリコ和金」「キャリコ土佐錦」のように、キャリコ+品種名という名前の金魚が多く出回っています。

成長過程で柄が変化しやすく、大きくなるほど赤の面積は少なく、黒の面積が増える傾向にあります。買うときは赤多め、黒少なめのものが将来的にバランスが良くなるといわれています。

ミルク(シルク)

ミルク琉金

透明感のある白地に赤く透ける頬、大きく見える真っ黒な目。キャリコとはまるで違う姿でありながら実は同じ遺伝子に制御されているのがミルクです。2本ある染色体のうち片方が普通鱗、もう片方が透明鱗の遺伝子を持つとキャリコ、2本とも透明麟の遺伝子を持つとミルクが表現されます。

かつてはハネもの扱いでしたが、「ピンポンパール」に代表されるように現在では愛らしい印象で人気の形質という地位を獲得したようです。「ミルク琉金」「ミルク東錦」など、元になるキャリコ系品種の流通量が多い品種でミルクタイプが時折見られます。

特殊柄の金魚(桜・絣・紅葉・パールスケール)

ここでは、体色にウロコが深く関わっているものを特殊柄として取り扱います。金魚のウロコは、普通鱗、透明鱗、モザイク透明鱗、網透明鱗、パール鱗の5種類あります。

桜は更紗との違いがわかりにくいといわれる色柄です。桜はキャリコと紅白を複合させた色柄で、絣とならんで近年高い注目度を集めています。更紗との違いはモザイク透明鱗を持っている点にあります。

モザイク透明鱗とは、普通鱗(色素を持つ一般的なウロコ)と透明鱗(色素がなくウロコの輪郭が見えない)の両方が混じっているものです。普通鱗の入り具合で印象が変わってきます。

桜柄は古くはハネもの扱いでしたが、評価が見直されて単体で流通するようになりました。普及の先駆けとなったのが「桜錦」です。

絣(かすり)

絣はキャリコと青を複合させた色柄で、桜とならんで近年高い注目度を集めています。透明麟の表皮下に黒色素が入ることで、旧来の青よりも青みの強い色彩が特徴です。

「絣琉金」「絣水泡眼」「絣らんちゅう」「天青」「萩雲青」などが知られています。天青、萩雲青については、いかに青い表現を持つかを重視するため、モザイク透明麟か全透明麟かは区別されずに流通するようです。

絣は基本的に赤色が入らないものが理想ですが、部分的に赤色が入る個体は珍しくありません。こだわるなら実店舗で選ぶことをおすすめします。

紅葉

桜と同じく特徴がわかりにくいといわれる紅葉ですが、ぜひウロコ模様の美しさに注目してください。

紅葉は網透明鱗と呼ばれるウロコを持つのが最大の特徴です。キャリコ系の透明麟とは全く異なる表現で、ウロコに1枚の中にキラキラする・しない部分があり、ウロコが連なると網目のように見えます。

透明鱗(色素がなくウロコの輪郭が見えない)をベースにフチが普通鱗(色素を持つ一般的なウロコ)、またはその逆のパターンがあります。

パールスケール(珍珠鱗)

パールスケールは真珠のようなウロコ、パール鱗を持つ金魚をいいます。厳密にいうと色柄ではなくウロコの特殊表現となりますが、編集の都合上こちらに表記しました。

パールスケールを持つ品種としては「ピンポンパール」がよく知られるほか、「浜錦」「穂竜」も該当します。

パール鱗は石灰質が付着したものです。はがれると再生しないため、飼育時は体を傷つけないようレイアウトに気を付ける必要があります。

金魚同士の混泳について

以上、18種類の体色・模様について紹介しました。
水槽をいろいろな金魚でにぎやかにしたい。そう思う方もいるかもしれません。
ただし、金魚同士でも組み合わせによって混泳NGなケースがあります。
NGな組み合わせは以下の通りです。

①泳ぎが得意・不得意と異なる
→和金型は泳ぎが得意で速く泳ぎますが、琉金型、オランダ型、ランチュウ型はあまり泳ぎが得意ではありません。ゆったりと泳ぎます。

②タイプが同じでも国産、外国産と産地が異なる

タイプが同じでも、国産の金魚と外国産の金魚を混泳させてはいけません。
グッピーのケースがよく知られていますが、外国産は病気のキャリアの可能性があるからです。
金魚の場合、たとえ国産同士であってもトリートメントなしでの混泳はおすすめできません。
混泳させる場合は、エルバージュなど抗菌剤系の魚病薬で1週間ほど薬浴させましょう。

金魚の混泳について詳しくはコチラ

国産と外国産の混泳NGについて詳しくはコチラ

まとめ

今回は、金魚の体色と模様についてお届けしました。
同じ体型でも色柄が違うと印象がずいぶん変わりますよね。
それでは次の授業をお楽しみに!

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