5分でわかる!金魚の尾ビレの魅力<金魚の教室6限目>

金魚
金魚

こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
飼いやすく人によく懐く身近な観賞魚、金魚。
カラフルな色彩や優雅なヒレなど、絵になる美しさを持つ金魚には奥深い魅力があります。
「金魚の教室」は、金魚のいる生活を楽しみたい初心者向けのなるほどシリーズです。 

今回の授業は、金魚の価値にも直結する尾ビレの魅力について。 
優雅な尾ビレの種類とそれぞれの特徴を解説します。

金魚は上見でも横見でも楽しめる

前回の授業では、金魚の体色18種類について解説しました。
金魚の体色は赤や黒だけでなく、白や黄、茶、青など単色でも多種類です。加えて二色や三色、特殊色と多彩で、それぞれ異なる魅力があることをおわかりいただけたことでしょう。

水槽が普及した現代、金魚は横見での観賞が基本となりましたが、もともとは上見で観賞を楽しむものでした。らんちゅう、土佐錦、出雲南京などの伝統的な地金魚はこの名残で、今も上見が基本とされています。

横からは体色を、上からは尾ビレを。つまり、横から眺めても良し、上から眺めても良しなのが金魚飼育の醍醐味というわけなのです。

前回の復習はこちら

体色ほどではなくても、尾ビレの形もさまざまあります。
ぜひ、お気に入りの形を見つけてみてくださいね。

フナ尾

金魚のルーツはフナにあります。そのフナによく似た尾ビレの形を「フナ尾」といい、尾ビレの中で最も原始的な形状です。「サバ尾」「一本尾」と呼ぶこともあります。

フナ尾は、やはりフナに近いとされる和金に多く見られます。和金の泳ぎが速いのも、水をかきやすいこの尾ビレの形状にあるのでしょう。

吹き流し尾

コメットに代表される尾ビレの形です。鯉のぼりに飾れる吹き流しに由来するように、フナ尾を長く伸ばしたような形状になっています。

フナ尾同様に水をかきやすいため、吹き流し尾を持つ金魚も泳ぎは速いです。

ハートテール

一点物 ブリストル朱文金

ブリストル朱文金特有の尾ビレの形です。
吹き流し尾に似ていますが先端が丸く、まるでハート型をしています。

横見での観賞に特化しており、尾が1枚の品種では最も見応えのある形状といえるでしょう。

三ツ尾

尾を上から見たときに均等に3つに分かれたものを三ツ尾と呼びます。さまざまな種類で見られる尾の形で、和金にも三ツ尾を持つものがいます。フナ尾と比較するとグッと金魚らしさが増していますね。



四ツ尾

尾を上から見たときに4つに分かれたものを四ツ尾と呼びます。三ツ尾と同様に和金を含めたさまざまな種類で見ることができる尾の形です。三ツ尾からさらに優雅な印象が加わって見えるのではないでしょうか。

さくら尾

四ツ尾と比べて中央の切れ込みが浅く、桜の花びらのように見える尾ビレを「さくら尾」と呼びます。厳密な区別はなく、単純に四ツ尾として扱われるケースも多いようです。

ローズテール

尾ビレの優雅さは金魚の価値に直結します。例えば、ローズテールはオランダ獅子頭のタイプの一つで高級金魚の代名詞的な存在です。形状としては国産金魚にはあまり見られず、外国産金魚によく見られます。

バラの花びらのような印象から名づけられたローズテールはボリューム感があって、プリーツスカートのようにも見えますね。

ベールテール

ベールテール琉金 更紗

ベールテールも高級金魚でよく見られる尾の形のひとつ。花嫁が結婚式でかぶるヴェールに由来するといわれ、尾ビレがひらひらと大きく広がるのとともに、背ビレも大きなものが多くいます。

外国産金魚に多く見られる形状ですが、ローズテールよりは国産でも見かける機会は若干多いようです。別名で「ブロードテール」「ロングテール」とも呼びます。

オランダ獅子頭をはじめ、流通量は少ないものの出目金や琉金にもベールテールが見られます。

ロングテール、ショートテールとは

ロングやショートとは尾ビレの長さについて標準的なものより長い、短いを表しています。また、ショートテールと区別するのは外国産金魚であることが多いです。

ショートテールは琉金など丸い体型のものに多く見られます。アンバランスのようでいて、かえって丸みが強調されてカワイイ、というのがショートテールの魅力です。

冬の転覆に注意!
ショートテール系の金魚は水温の低い冬季に転覆しやすい傾向があります。転覆は消化不良によるため、エサや温度に工夫をしてください。

蝶尾(ちょうび)

レッサーパンダ/虎蝶尾(外国産)

中国生まれの品種で、上から見ると蝶のように開く特徴的な尾ビレの形がそのまま品種名になりました。

体型はデメキンと同じですが、優雅な尾ビレが蝶尾の代名詞となっています。飼育の際、尾ビレに負担をかけないように水流は極力弱くしたほうが良いでしょう。

土佐錦(とさきん)

一点物 土佐錦

土佐錦は高知県の天然記念物に指定されている地金魚です。

琉金型の体型に平付けの反転した尾は「反り尾」と呼ばれ、土佐錦固有のものです。成長にしたがってフリルのように波打ち、その可憐で上品な美しさから「金魚の女王」と称されるほど。

なお、美しい尾の形成には飼育技法が深く関係します。ポイントはすり鉢状の表面が粗い容器で飼育すること。これによって縁に沿うように泳ぐ間にヒレが鍛えられ、表面に付着した苔をついばむためにせわしなく尾を上げて振ることで美しい尾型が完成されていくそうです。

孔雀尾

愛知県の地金魚「地金」「六鱗」の持つ尾形です。後方から見て静止した際に、X字状に開くものが最上とされています。

品種としては、地金と六鱗のどちらもほぼ同系統と思われますが、「三河の地金」「尾張の六鱗」と区別されるように、それぞれの理想とする体形が少しだけ違います。
「地金」は体高があり寸詰まりな体型のほうが良し、六鱗は体高が低く、細長い体形のほうが良しとされるようです。

優雅な尾ビレを傷つけないために……

定期的な水換えを行って水質を維持し、病気の予防に努めてください。

水流も強すぎないように調節しましょう。体表やヒレの傷口をきっかけに尾ぐされ病などの病気にかかることもあります。
先のとがった流木など、金魚を傷つけるレイアウトは見直しましょう。
同居の金魚と相性が悪く、ケンカをするようであれば隔離するようにしてください。

尾ビレに現れる病気

尾ぐされ病

尾ぐされ病は、水質の悪化やヒレの外傷をきっかけにカラムナリス菌を原因してかかる病気です。初期症状としてヒレの先端が白く濁り、周囲が赤く充血します。重症化するとヒレがパサパサと残るだけになり、やがて死亡に至ります。尾腐れ病は進行が早く、発見が遅れると治療が困難です。

白点病

白点病は、白点虫と呼ばれる原生動物に寄生される病気です。魚の風邪ともいわれるほどよくある病気の一つで、早期発見できれば完全治癒は難しくありません。初期症状はヒレや体表に細かい白点がぽつぽつと見られる程度ですが、重症化すると 全身が白点に覆われてしまい、治療困難となります。

水温の急低下時に発症しやすく、梅雨や秋の水温が不安定な時期はヒーターで水温を安定させるなど、水温管理に気を付けてください。

まとめ

今回は、金魚の尾ビレの種類についてお届けしました。
上からでも横からでも観賞を楽しめる、それが金魚なのです。
それでは次の授業をお楽しみに!

金魚の教室バックナンバー

コメント

タイトルとURLをコピーしました