5分でわかる!メダカがふ化しない無精卵の原因と見分け方<メダカの教室19限目>

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メダカメダカの教室

こんにちは、メダカ担当のスズキです(魚ではありません、人間です)。
世の中のメダカブームに乗ってメダカを飼い始めた人も多いのではないでしょうか。
「メダカの教室」は、そんなビギナー向けのなるほどシリーズです。

今回の授業は、メダカが卵を産んでもふ化しない「無精卵」について。無精卵の原因、見分け方、対処方法などを解説します。

メダカが卵を産んでもふ化しない原因

メダカが待望の産卵!……したのに、いつまでたってもふ化しないと心配になりますよね。
まず、メダカは産卵してからふ化するまでのめやすは積算温度が250℃といわれています。

例を挙げると水温が25℃であれば10日かかるという計算で、水温が低いほど日数がかかります。
ヒーターを使わない飼育であれば、ふ化するまで2週間程度を見込むと良いでしょう。

なかなかふ化しない場合は卵が白く濁っていないか、卵にモヤモヤしたものが付いていないか確認してみましょう。無精卵のためにふ化しない、無精卵が原因でカビが発生している可能性が考えられるためです。

なぜできる?メダカの無精卵とは

メダカがふ化するのは受精がきちんと行われた受精卵です。反対に受精できなかった卵を無精卵といい、この場合は残念ながらふ化することはありません。

メダカを含む多くの卵生の魚類は体外受精を行います。メスが放卵するのは未受精卵で、受精卵になるためにはオスの存在が欠かせません。

メスの放卵とオスの放精は同時に行われます。卵には、精子を取り込むごく小さな入口があり、ここから入った精子と卵が結びつくことではじめて受精卵となります。

繁殖行動がうまくいっても無精卵が発生することは珍しくなく、何かしらの問題があれば無精卵ばかりになるという事態も起こりかねません。

もし、無精卵が多い場合は以下のような原因が考えられます。

pHが低い、水質が弱酸性になっている

メダカ自体に問題がなく、ペアとしての相性も良く産卵数も多い。
それでも無精卵ばかり産むのであれば、真っ先に水質(pH)に問題がないか疑ってみましょう。

メダカは幅広い水質に適応するため、pHが低い弱酸性の環境下でも飼育できますし産卵も行います。
ただし、pHが低いと無精卵の発生率が高くなる傾向があるようです。
無精卵が多い場合にpHを上げて7.0以上を保つと解消されることも多くあります。
水質をチェックした上でpHが低ければ、pHを上げる作用のあるアイテムを使うと良いでしょう。
(弱酸性の環境下でも通常のようにふ化する場合は無理にpHを上げる必要はありません)

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なお、チャームのスタッフからは次のような証言が得られました。
ぜひ、アイコン画像下のリンクから普段どこでどんなことを発信しているのかのぞいてみてください。

中の人くんから教わったテクニックなのですが、弱酸性の環境下で著しくふ化率が悪い場合はpHを高めてやるとだいたい解決するとのこと。実際に、対策としてカキガラや化石サンゴなどを入れてpHの低下を抑制すると無精卵の発生率が下がりました!

自分の経験では、カキガラより化石サンゴのほうが溶けるのが遅く、水質も急激に変わらず一定を保てました。この点では化石サンゴのほうが優れていますね。ネックなのは「角ばっている部分がメダカを傷つける恐れがある」ので、より安心して使える新商品開発を検討中です。

pHの問題を解消しても無精卵の数が多い場合は、他の原因を疑ってみましょう。

オスがいない

メダカのメスが産卵する際、オスがいなければ受精卵として成り立ちません。
卵を抱えているからといって観察目的でメスだけを隔離すると受精が行われない点に注意しましょう。

なお、メスだけで飼育していてもお腹に卵を抱えることがあります。ただし、オスがいないことで産卵できずにお腹に卵をためこんだまま「過抱卵」となり、それが原因で死ぬこともあるようです。オスがいても相性が悪い場合はやはり過抱卵になりやすくなります。

繁殖行動がうまく行われていない

一般的なメダカに比べて体長が短い「ダルマ」系や優雅な長いヒレを持つ「ヒレ長」系は、その体型から繁殖行動がしにくいために無精卵が多くなる傾向がある点に留意してください。
通常体型でも、ペアになって間もない場合は繁殖行動がうまく行われないことが多くなります。

また、視力の弱い「アルビノ」系も通常の視力を持つ品種を含めて無精卵の発生率が高まります。

メダカの無精卵と受精卵の見分け方

メダカのメスが一度に産卵する卵の数は、10~30個。初産は少ない傾向にあります。メダカの栄養状態が良く、水温など条件が整っていれば毎日産卵することもあります。

受精卵であれば次第に目などがわかるようになりますが、無精卵は白く濁っているだけで変化しません。

無精卵は見た目でもある程度はわかりますが、触ったときの違いが以下のように明らかなため、触って判断するほうが確実です。

受精卵…張りがある。ちょっと触った程度では簡単にはつぶれない。
無精卵…張りがない。軽く触っただけで簡単につぶれてしまう。

卵のカビ対策に。メダカの無精卵の対処方法

産卵後のメダカの卵は、纏絡糸てんらくしと呼ばれる糸が付着していてかたまりのようになっています。この状態では通水性が悪く、無精卵に生えたカビが健康な卵にうつってダメにしてしまいます。

ガーゼの上で転がすなどして纏絡糸を取りましょう。このときに無精卵も一緒に除去します。無精卵の除去にはスポイト(10mlより小さなもの)か水彩画用の細筆があると便利です。

魚病薬の一つ、メチレンブルーを使うと無精卵を見分けやすくなるうえ卵に水カビが生えるのを防げるのでおすすめです。

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まとめ

今回は、メダカがふ化しない「無精卵」についてお届けしました。
無精卵を見つけたらすぐ取り出してくださいね。
それでは次の授業をお楽しみに!

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