熱帯魚がかかる厄介な病気、白点病。
ここではその治療に有効な魚病薬と、その基本的な使い方について解説します。
白点病とは
魚の体表に細かい白点がたくさん付き、そのまま放置するとやがて衰弱・死亡してしまう病気です。
熱帯魚の病気としては最もよく見られ、ありふれた病気です。
早期発見できれば、完全治癒は難しくありません。
白点が数個、ぽつりぽつりと認められる程度であれば、すぐに手を打てば完治することが多いでしょう。
一方で、全身が白点に覆われてしまうほど病状が進行してしまっている場合には、治療は困難です。
▼こちらも参考
有効な魚病薬
白点病に有効な魚病薬は次の通りです。
基本的には成分に色素剤と呼ばれる、「メチレンブルー」または「マラカイトグリーン」を含んだ魚病薬を使用しましょう。
色素剤のデメリットとして、水槽のシリコンを着色してしまうというものが挙げられます。
隔離することができず、またシリコンの染色も避けたい場合は、塩素系の魚病薬が有効です。
製品名 | メチレンブルー | グリーンF リキッド | アグテン | グリーンF | グリーンF クリアー |
---|---|---|---|---|---|
薬効 | ★★☆ | ★★☆ | ★★★ | ★★☆ | ★☆☆ |
着色 | 有 | 有 | 有 | 有 | 無 |
性状 | 液体 | 液体 | 液体 | 粉末 | 液体 |
有効成分 | メチレンブルー | メチレンブルー | マラカイト グリーン | メチレンブルー | 二酸化塩素 |
水草水槽 での使用 | 不可 | 不可 | 可 | 不可 | 可 |
備考 | スレ・外傷にも有効 | 薬効期間短め | 細菌性感染症 にも有効 | レイアウト水槽向け |
- 薬効:色素剤>塩素系 の順で薬効が強いです。
- 着色:グリーンFクリアー以外はシリコンやエアーチューブなどを着色します。
- 性状:基本的に液体の方が計量しやすく、扱いやすいです。
- 有効成分:マラカイトグリーン>メチレンブルー>二酸化塩素の順に効き目が強いです。
- 水草水槽での使用:「不可」の場合、薬浴前に水草類は水槽から取り出しておきましょう。
各魚病薬の使い方
薬品ごとの詳しい使い方は、以下の動画をご覧ください。
実際の水槽への使用例を、1~2分程度の短い動画でわかりやすく紹介しています。
※実際に薬浴させる場合は、商品に添付されている説明書をよくお読みの上ご使用ください。
メチレンブルー
白点病の治療薬としては最も有名な魚病薬です。
迷うようであれば、「メチレンブルー水溶液」を選んでおくと良いでしょう。
グリーンFリキッド
メチレンブルーの効能に加え、スレなどの物理的な外傷への消毒効果のあるアクリノールが配合されています。
白点病の治療だけでなく、スレ傷へのトリートメントにも使えるので、汎用性の高さが魅力です。
1本持っておくと何かと便利です。
アグテン
水草水槽でも使用でき、メチレンブルーに比べ薬効の強さが特徴の魚病薬です。
薬効期間が短い点は留意しておきましょう。
グリーンF
メチレンブルーの効能に加え、尾腐れ病などの細菌性感染症にも効果のある魚病薬です。
粉末タイプのため、使用する水槽サイズによっては計量時に少々難儀することもあります。
グリーンFクリアー
シリコンへの着色が無く、水草水槽でも使用ができることからレイアウト水槽向けの魚病薬です。
レイアウトの景観を維持しつつ白点病治療ができる魚病薬は、このグリーンFクリアーのみです。
他の魚病薬に比べて1回の使用量が多いこと、効き目がやや劣ることの2点には留意しておきましょう。
薬浴時にあると便利なもの
トリートメント水槽
病魚を隔離して治療する場合に便利です。
メチレンブルーやマラカイトグリーンは水槽のシリコンやエアーチューブを着色してしまうので、着色させたくない場合は隔離して薬浴すると良いでしょう。
魚を隔離しての薬浴は個体単位で見れば有効ですが、水槽全体で見ると問題解決には至っていないことがある点に留意しておきましょう。
コメント