どうも、ほにゃらら sp.です。
今回のテーマは状態不良と間違われやすい金魚の個性について紹介しようと思います。
金魚は観賞魚としては体形の品種改良がかなり進んでおり、このために個体差のばらつきは千差万別。
1匹として同じ特徴を持った個体はいないといえるでしょう。
その中でも、知らないと状態不良に見えるけど、実は健康に影響なし!
単純に、その魚の個性。
……となる特徴について解説します。
ヒレの軽いヨレやクセ
金魚のヒレが曲がったり、折れていることはよくあります。
これを「縒れ」や「癖」と言います。
ヒレの軽いヨレやクセは、多くの金魚に見られます。
むしろ、どのヒレにも全くない魚はかなり珍しいかもしれません。
すべてのヒレの形状が整っている個体は、一点物として選抜され販売されることも多いです。
また、小型個体のうちは目立たなくても、成長に従って目立つようになることもあります。
飼育環境によっては、ヨレやクセが新たについてしまうこともあります。
とはいえ、軽いヒレのヨレやクセは魚の健康に影響ありません。
個性として愛でると良いでしょう。
尾ビレの充血?
白系の品種の場合、他の品種よりも血管が透けて目立ちやすい特性があります。
特に尾ビレのように薄く面積が広い部位では、血管が透けて赤く見えるので、まるで赤く充血しているかのように見えることも多いです。
が、当然これも健康に問題はありません。
充血時は、もっと目に見えて赤く染まります。
特に冬季に魚を移動させた場合など、水温差が大きい環境へ移動させたときにも充血は現れやすくなります。
網などで掬って水から出した場合にも同様です。
冬に移動させる場合は水ごと掬って移動し、水温差が出ないように水合わせしてから導入すると、充血を回避しやすくなります。
片目だけ黒目?
キャリコや東錦など、モザイク透明麟といわれる色彩を持つ品種でたびたび見られる表現です。
左右で目の色が異なる個体は病気と思われることがありますが、これも健康に問題はありません。
モザイク透明麟という形質は、全身の各部分に光沢を表現する「虹色素胞」が部分的に発現される表現です。
光沢がどの部位に発現されるかは完全にランダムです。
このため、片目は虹色素胞が乗ることで通常の目として表現され、もう片目は虹色素胞が乗らずに黒目として表現されることもあるのです。
ケガではなくて、模様
金魚の紅白模様は個体により、どの部分が赤くなるか、あるいは白くなるかはまちまちです。
頭頂部のみが赤ければ丹頂、口先が赤ければ口紅、といった具合に、色の入り方によっては名前が付く場合もあります。
白の地に部分的に紅が斑点状に散る「鹿の子更紗」や、「大窓」「小窓」と呼ばれる肉瘤が白く抜ける配色は、知らないと病気やケガと間違えてしまうかもしれません。
特に「大窓」「小窓」は、らんちゅう以外ではあまり注目されることのない配色です。
白の面積が小さければ小窓、額全体に広がっていれば大窓です。
ぜひ、この機会に知っておくと良いでしょう。
どちらも生まれつきの模様であるため、健康への悪影響は全くありません。
ミックス金魚はほぼいずれかに該当
「ミックス金魚」として販売される金魚は基本的によりなしです。
よりなしとは、漢字で書くと「寄り無し」。
つまり、選別をしていない個体になります。
「オタマ金魚」として販売されることもあり、この「オタマ」とは金魚用語で選別漏れを意味します。
つまり、ある品種として生産されたものの、品種ごとに定められた規格に適合しなかった個体がオタマ金魚として扱われるのです。
これらは端的に言えば規格外品です。
少なくとも病気でないように、飼育する上で最低限必要な選別はしてありますが、規格外であるがゆえに背曲がりや凹凸、ヒレ曲がりやヒレ欠け、折れなどは選別されていません。
したがって、ここまで紹介した状態不良と間違えやすい表現も、当然含まれる可能性があります。
一般には流通しない、奇形のような個体も含まれることがあります。
一方で、そもそも選別をされていないか、または選別の結果品種の規格を満たしていないことがミックス金魚として扱われる金魚の条件です。
このために、既存の品種の定義には当てはまらなくとも、それらにない珍しい個性を持ち合わせる個体も見られます。
ミックス金魚はガチャガチャ感覚で注文し、到着を待つのも楽しいです。
店頭で変わった個体を選ぶのも楽しいでしょう。
いろいろな色形を持つ個体を安価にまとめて入手しやすいことがミックス金魚最大のメリットですので、“そういう個性”と捉えて愛でると良いでしょう。
100%完璧な金魚は存在しない
色、形、ヒレの張り、すべてを取って100点満点の金魚は存在しないといわれています。
品評会での評価は相撲の「番付」に倣った表現をしますが、最上位は「東大関」であり、「横綱」はいないとされています。
これは金魚において品種の特徴を全て100%完璧に満たした個体は存在しえないとの考えから、横綱はないものとされているのです。
品評会に出品されるレベルに仕上げられた魚でさえも、100点満点の魚はあり得ないと考えられています。
まして観賞用として一般的に流通している個体では、なおさらのことです。
むしろ最大限に品種の理想を追求しようとすると、一般的に流通している金魚を購入・育成してこれを満たすことはかなり難しいです。
このため、真に理想を追求したいならば、自身で繁殖に取り組むのが近道とされています。
これは「魚作り」と呼ばれ、たいへん奥の深い世界です。
実店舗で購入すると確実
ここまで紹介した内容の通り、求める特徴を100%完璧に満たした魚と巡り合うのは非常に困難であることが分かると思います。
ましてや通販では、個体の特徴について細かい指定はできません。
理想や個体への要求が高ければ高いほど、送られてきた個体とギャップを感じてしまいやすいです。
この点において絶対にこういう個体が欲しいと決まっている場合は、実店舗でお気に入りの魚を探した方が楽しいでしょう。
チャーム館林店に足を運んでみると、望む魚に巡り合えるかもしれませんね。
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