エビ飼育で失敗しない!底床・添加剤の選び方<Shrimp Style #3>

鑑賞用シュリンプ
鑑賞用シュリンプ

色柄豊かなバリエーションや美しい水景の演出など、エビの飼育は楽しみが満載。
コツをつかめばエビの飼育は初心者からも始めることができます。

Shrimp Styleシュリンプ スタイル』は、初心者に向けたエビ飼育のハウツー記事です。
エビの飼育を始めたいとき、エビの飼育で迷った、困ったときのヒント集としてご活用ください。
第3回目はエビ飼育の底床や添加剤の選び方について解説します。

(断りがない限り、本シリーズはビーシュリンプやチェリーシュリンプをはじめとした観賞用エビを対象にしています)

エビ飼育に適した底床は?

まず底床とは、簡単にいうと水槽の底に敷く砂のことを指します。底床の種類は多く、土・石・砂・セラミックを素材として作られています。選び方としては飼育したい生体に合わせて購入するのが一般的です。

底床についてはこちらの記事も参考にしてください。

では、エビにはどのタイプの底床が有効なのでしょうか?
結論から言えば、どのタイプでも問題なく使用できます。
エビは弱酸性~弱アルカリ性までの水質で飼育が可能です。水質にはデリケートなのに広い範囲の水質耐性があることに矛盾を感じる方がいるかもしれません。

デリケートであることは確かですが、あくまでも急激な水質の変化や薬品に弱い!ということです。
つまり、水質を安定させていれば問題はありません。

エビ飼育におすすめの底床

①ソイル

エビを飼育する多くの人がソイルを使用します。水草にも相性が良く、エビの飼育にもおすすめです。水質は弱酸性に傾きます。
ソイルには栄養系と吸着系の2種類のタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。

吸着系

吸着系ソイルは、水槽内のアンモニアなどを吸着する作用のあるソイルです。
エビや魚の飼育に適した水質をすぐに作り出すことができ、不安定な水槽立ち上げ時に高い効果を発揮します。

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また、ソイルは粒のサイズも大小さまざまです。特にエビ水槽においては、パウダータイプを好んで使う人もいます。ノーマルタイプ、パウダータイプそれぞれのメリット、デメリットがあるため、パウダータイプとノーマルタイプを混ぜて使ったり、ノーマルタイプの上にパウダータイプを敷いたりする人もいます。

リーフプロソイル ノーマルの場合、粒サイズは3.0~5.0mm

ノーマルタイプ

<メリット>
粒が大きい分、粒同士に隙間ができやすいため通水性に優れます。

<デメリット>
ソイルの粒の隙間が広いため根が短い水草は抜けやすいです。

リーフプロソイル パウダーの場合、粒サイズは2.0~3.0mm

パウダータイプ

<メリット>
粒が細かい分、粒同士の隙間ができにくく水草の根張りが良く、前景草のような根が短い種類でも抜けにくくなります。

<デメリット>
ソイルの粒に隙間ができにくいため通水性が悪くなります。
定期的な掃除を行うのが効果的です。

②砂・砂利

砂や砂利タイプの底床は、水質を弱アルカリ性に傾けること、硬水を好む品種にも対応でき、洗って再利用できる特徴があります。エビの品種によって使い分けると良いでしょう。
たとえば、ビーシュリンプ系の品種であればソイル、チェリーシュリンプ系の品種は砂(一部目の細かい砂利)と使い分けるパターンもあります。特に、ゼブラシュリンプのブルー系の品種は、水質をややアルカリ性に傾けたほうが発色が良くなります

ただし、弱アルカリ性に傾くと多くの水草は育てにくい環境となります。水草を導入する場合は、弱アルカリ性の水質に適応できる水草を選んでください。

エビ飼育はミネラル不足に注意

甲殻類であるエビは、水中のカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを吸収して殻を作ります。エビ飼育での理想といわれる数値はpH6.0~6.5の弱酸性の軟水とされていますが、カルシウムやマグネシウムの少ない軟水では殻の薄い弱いエビになり、最悪の場合は脱皮不全で死んでしまうこともあります。そのため、ミネラル補給が必要となるのです。

しかし、底床だけでは不足しがちなミネラルを補いきれません。砂や砂利であれば再利用が可能ですが、ソイルは再利用ができず効果がなくなっていきます。

そこで使うのが「添加剤」です。

エビ飼育に適した添加剤は?

エビをはじめとした甲殻類の身を守るものは、体の外側に形成される硬い甲殻です。
その殻を作る栄養素として、カルシウムをはじめとしたミネラルを多くとる必要があります。

添加剤を使うのはこんなとき

エビ水槽内での活性が下がっているときに添加剤を使用します。エビの動きが鈍い、エサを入れても食べないようであれば活性が下がっていると判断して良いでしょう。

水中にミネラルが添加されると、エビの活性が上がって動きが良くなります。添加剤を入れる目安にするためにも、日頃から水槽内のエビの状態をよく観察をしておくことが重要です。

添加剤を使用する前に行うこと

使用する前に必ずTDSメーターでチェックを行いましょう。TDSは水中に含まれている電解質の量を示す指標です。一般的には、純水に近く不純物が少ないほど数字が低くなります。添加剤によりカルシウムなどのミネラルが増えると数字は高くなります。

注意しなければいけないのは、TDSの値はミネラル以外の不純物が多い状況でも数値が高くなり、「どんな電解質が増えているか?」までは分からない点です。
添加剤で添加されたミネラルの量を知るためには、元々の原水に含まれている不純物、飼育水中の不純物の量を測定しておかないといけません。

簡単に使う方法としては、飼育水のTDSを測って添加剤を入れたらどのくらいTDSが上がるかを覚えておき、エビの様子を見ながら理想のTDS値(添加剤の量)をコントロールしていくと良いでしょう。

TDS値のめやす

環境にもよるのであくまで参考程度ですが、ビーシュリンプであればTDSが100ppm程度からスタートし、エビの成長や脱皮不全の有無を見ながら添加剤で150~200ppmくらいを維持するように心がけると良いでしょう。

TDSはKHやGHの試薬と併せて使うことでより詳細な水質を測ることができます。

水や値については下記の記事でも解説しています。

エビ飼育におすすめの「ミネラル系添加剤」

100%天然由来成分から抽出した微量元素が多く含まれるミネラル添加剤です。
エビのために考えられた添加剤の一つで、ふたの部分がスポイトになっている点が便利。

エビ飼育で多くの人に支持されるミネラル剤です。元気になったエビは発色も良くなります。

エビ飼育におすすめの「腐植酸・有機酸系添加剤」

エビの添加剤には、フミン酸やフルボ酸といった腐植酸、有機酸を含む添加剤も多くリリースされています。ミネラルが不足するというと、ミネラルを添加すれば良いものと思いがちですが腐植酸もミネラル不足に効果的です。

腐植酸によるキレート作用によってカルシウムやマグネシウムがエビに吸収されやすくなります。

迷ったらこちらのアイテムをどうぞ。


まとめ

今回はエビ飼育においてエビの成長に必要な栄養素と環境作りを支える底床・添加剤ついてご紹介しました。

底砂の効果や添加剤でエビにとってより快適で暮らしやすい環境を作ります。

水質(環境)に依存する生き物であるため、一定の水質を保てるように心がけながら、楽しい“シュリンプライフ”をお過ごしください。

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