どうも、ほにゃらら sp.です。
今回ご紹介するのは、ブラインシュリンプの与え方について。
アルテミアと呼ばれることもあるブラインシュリンプの幼生は、熱帯魚や金魚、メダカなど淡水魚全般の繁殖、稚魚育成においては必需品とも言える存在です。
そのメリットは手軽に孵化できて栄養価が高く、稚魚の成長に都合が良い餌生物という点にあります。
とはいえ、ブラインシュリンプの卵はそのままでは与えることができません。
稚魚育成の第一歩となる必須技術ですので、孵化のさせ方を知っておきましょう!
ブラインシュリンプの孵化方法
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ブラインシュリンプの孵化は、専用の孵化器を用いるのが簡単です。
ペットボトルを加工して自作した容器でも孵化はできますが、初めてチャレンジする場合は塩や卵の分量などで失敗しやすいです。
このため、成功率を考えると最初のうちはDIYはあまりおすすめできません。
孵化容器の自作はある程度経験を積み、コツをつかんでからの方が良いでしょう。
孵化器の組み立て方とわかし方
基本的な組み立て方と幼生のわかし方は、次の動画をご覧ください。
基本的な用途は変わりません。
- ブラインシュリンプ孵化器の中に水と食塩を少量入れます。
- ブラインシュリンプの卵を入れます。
- エアーポンプで撹拌させます。
- 約24時間後、ブラインシュリンプが孵化します。
孵化しないときの確認事項
あれっ?手順通り行ったのに孵化しない?と思ったら、以下の事項を確認してみてください。
長持ちさせるために
餌用に孵化させる場合、通常は1週間程度持ちます。
ふ化直後のものが一番栄養価が高いです。
それ以上経過したものは鮮度と栄養価が落ちるため、エサとしては与えないほうが良いでしょう。
長期保存させる場合、小分けにして冷凍保存がおすすめです。
ブラインシュリンプの与え方
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孵化したブラインシュリンプを稚魚に与えるには、スポイトで吸い取って与えます。
しかし、そのままでは孵化後の卵の殻も大量に混じってしまいます。
また、ブラインシュリンプの孵化容器には塩を入れていることを思い出してください。
添加量はごく少量なので影響はないことが多いですが、それでも毎日与えていると徐々に塩分が蓄積してしまいます。
ここでは、正しい与え方を紹介します。
”卵の殻の除去”と“塩抜き”をしてから与えたいところです。
卵の殻の分離方法
水面に浮かんでいる小さな粒がブラインシュリンプの卵の殻です。
専用容器を使用している場合はセパレーターで分離できます。
容器を自作している場合は、卵の殻を自分で分離する必要があります。
- エアーポンプを止め、数分静置します。
- 容器の底に幼生が溜まってくるので、これをスポイトで吸い取ります。
ポンプを止めて数分置いておくと、卵の殻は軽いので水面に浮き、幼生は底に溜まってきます。
この幼生をスポイトで吸い取ればOKです。
▼卵の殻の除去が容易にできる製品もあります。
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塩抜きの方法
スポイトで吸い取っただけでは、塩分が含まれています。
そのまま投入してしまうと、稚魚の水槽に塩分も添加してしまうことになります。
これを避けるために、ブラインシュリンプの幼生は濾してから与えるのがベストです。
- 濾し器を容器の上にセットします。
不要な水が容器内に戻るように設置してください。 - 吸い取った幼生を濾し器の上にスポイトであけます。
不要な水は容器の中に戻ります。 - 濃し器に残った幼生を稚魚に与えます。
自作容器での孵化方法(上級者向け)
はじめての方は専用の孵化器を使うのがおすすめですが、ある程度慣れてくれば容器を自作するとより安価に、かつ用途に合った融通が利く孵化器を作ることができます。
ある程度基本的な孵化方法に慣れ、経験を積んだ人向けの方法です。
もし、難しいと感じるようであれば、専用容器を使用した方が失敗が少ないでしょう。
ペットボトル加工式
ペットボトルのフタに穴を空け、エアーチューブとストーンを通すことができれば、その形でも孵化できます。
エアーストーンにはペットボトルの口に入るサイズのものを選びましょう。
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ペットボトルは1L以上の容量が大きいものか、または炭酸用がベストです。
必要量に合わせて調整してください。
ミネラルウォーター用などの薄いタイプのものは、ブラインシュリンプの孵化には向いていません。
この手法では容量と必要量によって塩と卵の添加量が変わるため、慣れないうちは加減が難しいです。
少なすぎても、多すぎても丁度良くわいてくれません。
塩の量は、500mlペットボトルであれば10g程度が目安です。
タッパー式
タッパーなどの浅い容器に1~2cm程度の塩水を張り、その中にブラインシュリンプの卵を少量入れます。そして光を当てて水温を温めると孵化してきます。
この手法では、エアーポンプは不要です。
タッパーを複数個用意しておくと、ローテーションで毎日新鮮なブラインシュリンプ幼生を与えることができます。
こちらも必要量によって塩と卵の添加量が変わるため、慣れないうちは加減が難しいです。
少量のブラインシュリンプが毎日必要な方に向いた手法です。
そもそもブラインシュリンプってなんだ?
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学名:Artemia salina(アルテミア・サリーナ)
世界各地の汽水湖に分布する、小型の甲殻類です。
長期間乾燥に耐えられる耐久卵を産むことが最大の特徴で、この卵が「ブラインシュリンプエッグ」などとして古くから市販されています。
近い生物として、「シーモンキー」という名を聞いたことがある人もいるかもしれません。
「シーモンキー」は商品名ですが、本種もしくはその近縁種にあたるようです。
産地がいくつかあり、アメリカ産、中国産、ベトナム産が主な産地として知られています。
この中でもアメリカのソルトレイク産のものが孵化率の良さから評価が高いです。
ベトナム産はより小型で、小さいな稚魚でも食べられるといわれます。
ただし入手しづらく、できても高価である点がネックです。
中国産は安価ですが、孵化率が不安定となるようです。
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最短24時間で孵化し、稚魚が食べやすく栄養価が高いという点で初期飼料と抜群の使い勝手の良さが高い評価を受けています。
ブラインシュリンプなしにして、熱帯魚の繁殖技術が確立されることはなかったでしょう。
アクアリウムだけでなく、水産養殖の現場においても重宝されています。
ブラインシュリンプの代替エサ
ブラインシュリンプは稚魚の育成において画期的なエサです。
塩水に入れて24時間待つだけで孵化する使い勝手の良い生エサですが、慣れないうちはそれすらも手間に感じることがあるかもしれません。
スペースの都合で孵化器の設置が難しいこともあるでしょう。
ブラインシュリンプ幼生をふ化させて与えるのが、繁殖成功率でみれば最も高い選択肢です。
しかし、手間を掛けずに与えることができる代用品もありますので、それらをいくつか紹介します。
魚種によっては、必ずしも餌生物が活きていなくとも最初から食べてくれるものもいます。
そのような魚種に関しては、代用品で事足りることも多いです。
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グッピー、メダカは活ブラインでなくても、
比較的反応しやすいです。
冷凍ブラインシュリンプ ベビー
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ブラインシュリンプ幼生を冷凍したエサです。
解凍するだけで与えることができるので手軽です。
孵化の手間なく新鮮なブラインシュリンプ幼生を与えることができ、
活でなくても反応する魚種であればこちらで事足りることもあります。
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殻剥きブラインシュリンプ
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ブラインシュリンプ耐久卵から卵黄だけを取り出した、栄養価の高いフードです。
通常の乾燥耐久卵と異なり、孵化させる必要がなくそのまま与えられます。
全く手間がかからない点がメリットです。
魚種によっては、最初は食べてくれないことも多いです。
まずは活ブラインシュリンプ幼生を与え、餌と認識させてからこちらに切り替えていくと良いでしょう。
こちらのタイプは孵化作業をしてしまわないように注意しましょう。
購入時に、どちらのタイプなのかよく確認して購入してください。
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ブラインシュリンプのデメリット
基本的にはありません。
稚魚育成においては必需品とも言えるでしょう。
留意事項として、「水草レイアウト水槽でヒドラが発生している場合」。
この時にブラインシュリンプの幼生を入れると、ヒドラが増えることが知られています。
ブラインシュリンプ自体がヒドラの直接的な発生源にはなりませんが、ヒドラがわずかにいる水槽にブラインを与えることで、そのブラインをエサに増殖がはじまります。
ヒドラは数が少ないと目立ちませんが、ブラインを栄養源に増殖します。
その結果、ブラインの給餌が水槽にヒドラをもたらしたかのように見えるのです。
稚魚育成とレイアウトの景観維持を両立させるケースはあまりないと思いますが、もしレイアウト水槽内で育成を行う場合は留意しておきましょう。
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