5分でわかる!金魚の歯と生え変わり<金魚の教室7限目>

金魚
金魚

こんにちは、5分でわかる!のスズキです。
飼いやすく人によく懐く身近な観賞魚、金魚。
カラフルな色彩や優雅なヒレなど、絵になる美しさを持つ金魚には奥深い魅力があります。
「金魚の教室」は、金魚のいる生活を楽しみたい初心者向けのなるほどシリーズです。 

今回の授業は、金魚の歯と生え変わりについて。 
えっ、金魚に歯なんてあるの?と驚いた方、いませんか。

金魚には歯がある

そもそも、金魚に歯はあるのかないのかといったら、答えは「ある」です。
あのとき水槽に沈んでいた謎のプラスチック状のかけら、金魚の抜けた歯だったのかも……。
その可能性は大いにあります。

金魚には胃がないため、食べたものは腸に届けられます。ただし、口に入ったものがダイレクトに腸に届くわけではなく、歯でいったんドロドロのペースト状にしているのです。でも、金魚は口をパクパクさせているだけで、モグモグしているようにも歯があるようにも見えません。
一体、どこに歯があるのでしょうか。

金魚の歯、実はノドにあるのです。

コイ科ならでは。金魚の咽頭歯とは

歯というと口の中、あごに生えているものを想像するでしょう。魚の歯にはいろいろなタイプがあり、それぞれに名称がついていますが口の中に生えるものをまとめて顎歯がくしと呼びます。しかし、金魚は口の中に歯はありません。エラを支える鰓弓さいきゅうが骨化した咽頭骨に歯が生えていて、このような歯を咽頭歯いんとうしと呼びます。金魚が取り込んだエサは口の中ではそのままですが、喉にある咽頭歯で砕き、ドロドロにして消化しやすくしているというわけです。

コイ科の魚をお腹側から見たときの骨格。中央のハの字がタテに並んだような部分がエラで、その後ろに咽頭歯があります。

ひょっとすると金魚がエサを食べているとき、水槽に耳を当てるとボリボリとかみ砕く音が聞こえるかもしれません。その音こそ、まさに咽頭歯を使っている証です。小型の金魚では集音マイクを使わないと聞こえない可能性がありますが、3歳以上の大型個体になれば聞き取りやすくなります。金魚たちがおいしそうに食べている音、ぜひ聞いてみたいものですね。

この咽頭歯を持つ魚は意外と多くいます。たとえば金魚を含むコイの仲間が該当しますが、コイもフナもドジョウもみんな同じような丸い口をしていますね。特にコイの咽頭歯はとても強力で、好物のタニシをすりつぶして食べるにはうってつけなのです。

さらにいうと、コイ科(ドジョウはコイ目ドジョウ科)は種類ごとに歯の本数や配列、形が異なることから種を分類する上で咽頭歯が重要視されています。

コイの仲間とは対照的に明確な歯を持つのがカラシンの仲間です。凶暴なイメージで有名なピラニアは肉食魚らしくカミソリのような歯を、硬い木の実を割って食べるというコロソマはとても頑丈な歯を持ちます。

このように魚には食性に適した口と歯があります。エサを食いちぎる鋭い歯、コケを削り取るくしのように並んだ歯、殻をかみ砕く臼状の歯など、歯のタイプは実にさまざま。メダカのように顎歯と咽頭歯を持つものもいます。歯の数が多い魚がいれば少ない魚もいるように、口に注目してみるのも楽しいものです。

金魚の歯は抜けるもの。何度でも生え変わる

人間の場合、乳歯から永久歯へと1回だけ生え変わります。永久歯を失ったらそれで最後、もう生えてくることはありません。一方、金魚の咽頭歯は一生のうちに何度も生え変わります。そのため、水槽を掃除する際に抜けた歯を見つけても心配しなくて大丈夫です。

底砂を入れないベアタンクやトロ船で飼育すると、抜けた歯の存在に気付きやすくなります。
(大磯砂をしいていると白い貝殻が混ざっていることがあり、歯との見分けがつきにくいです)

歯と知らなければ、謎のプラスチック状のかけらと見過ごしてしまうかもしれません。でも、金魚の歯は小さいながらもしっかりと歯の形をしています。掃除がてらに歯を探してみませんか。


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まとめ

今回は、金魚の歯と生え変わりについてお届けしました。
定期的に生え変わるので、掃除をする際に見ることがあるかもしれません。
それでは次の授業をお楽しみに!

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