夜桜メダカ<改良メダカ解説>

メダカ
メダカ

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回ご紹介するのは夜桜メダカ。

桜を思わせる頭部のピンク色と、黒ベースの胴体に輝くラメが夜空の星々を連想させる美しい品種です。
黒い体色にピンク色が入ることで「夜桜」らしく、品種名も相まって人気の高い品種です。

夜桜メダカとは

基本情報
飼育しやすさ★★★★★
とても容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける
維持しやすさ★★☆☆☆
やや難しい
最大体長3~4cm程度
適正水温5~28℃
作出年2017年
表現系の構成要素ラメ、半透明麟(オーロラ)、ブラックリム

夜桜メダカは半透明麟(オーロラ)により表現される淡いピンク色の頭部と、ブラックリムにより表現される黒く染まった体の後半部に、ラメが散らばる幻想的な美しさを持つメダカです。
その色彩は、まるで夜空に舞い散る桜の花びらのよう。

頭部のピンク色の表現には個体差があり、黄色みが強い個体も見られます。
むしろ、原型では黄色が強い表現が標準だったようです。

色彩表現と品種名の組み合わせが実に秀逸で、愛好家の心をつかんだ品種と言えるでしょう。
ラメ系メダカを代表する人気品種の一つです。

夜桜メダカは2017年に作出されました。
「オーロラ幹之メダカ」と「黄幹之メダカ」の交配に由来する、ラメ幹之派生系の一品種です。

本品種はオーロラ系の血が入っているため、個体差による表現のバラツキが大きいことでも知られます。

このため、親と同じ発色の系統を維持していくには選別が重要です。
人気品種ですが、系統維持の難易度は高めといえます。

夜桜のさまざまなバリエーション
色彩表現にバラツキの大きい品種です。
オーロラ系品種の性質
オーロラ幹之メダカ

半透明麟(オーロラ)系メダカを交配に用いられた品種は、子の表現にバラツキが生じやすいといわれています。

さまざまな色彩表現を持つ子が生まれやすいため、ある意味では多様な色彩表現が楽しめるとも言えます。
しかし、親と同じ色彩表現を持つ子を累代維持していくためには、選別の重要性が高くなります。

飼育のコツ

夜桜メダカを上手に飼育するためには、次のポイントを意識すると良いでしょう。

観賞スタイル

上見での観賞がおすすめです。

水槽飼育では背面のラメやブラックリムの発色がうまく表現されず、白メダカに近い印象となってしまいます。

上見で飼育してこそ、夜桜の魅力は最大限に引き出せるのです。

横見でもまずまず楽しめますが、
最大限に楽しめるのはやはり上見です。

容器

黒系の容器が良いでしょう。

白系の容器ではブラックリムの発色が飛んでしまうため、淡い発色となってしまいます。

夜桜の色彩を最大限に引き出すには、黒い容器で飼育したほうが引き締まった発色を見せてくれます。

黒容器での飼育がおすすめです。
Attention Required! | Cloudflare

エサ

餌に関しては特別な注意事項はありません。
一般的なメダカ用のエサで大丈夫です。

色揚げ機能のあるエサを与えると、黄色系の発色をより強めることができます。

エサは特別こだわらなくてもOK
Attention Required! | Cloudflare

バリエーション

夜桜の派生系として知られる人気品種をいくつか紹介します。

夜桜ゴールド

夜桜をベースに、より黄色の範囲を強めた品種です。

夜桜の黒い発色の部分が黄色に置き換わることで、淡い美しさが一転。
煌びやかで、豪華な色彩を表現するようになりました。

夜桜に比べると、発色が安定しているのもポイントです。

宮桜(みやざくら)

夜桜ゴールドをベースに、ラメの仕上がりを重視して改良を重ね作出された品種です。

黄色の面積よりもラメの美しさを重視しているため、色彩表現はいくらか夜桜に戻ってきています。

柿色の発色と青ラメのコントラストが、実に雅で美しい品種です。

彩桜(さいざくら)

夜桜とミントメダカの普通体型個体の掛け合わせにより作出された品種です。

黒や黄色の発色は弱くなりましたが、ミントメダカの持つ緑色に輝くラメを導入する方向で改良が進められました。

夜桜譲りの半透明麟の淡い体色に、ミント譲りの緑色のラメが背に輝きます。
幻想的で、息をのむ美しさを持った品種です。

ミントメダカ

夜桜メダカ まとめ

夜桜メダカ。

半透明麟の淡い色彩にブラックリムとラメを組み合わせ、秀逸なネーミングも相まってラメメダカの中でもトップクラスに人気の高い品種です。

夜桜をベースとした派生品種も次々と開発されています。
原型となった夜桜自体も、続々と登場する派生品種も、目が離せない注目の品種と言えるでしょう。

Attention Required! | Cloudflare

メダカ関連記事

メダカの世界

▼改良メダカの基本情報はこちら

改良メダカ個別解説

▼改良メダカ各品種ごとの詳しい解説はこちら

ミッドナイトフリルメダカ<改良メダカ解説>
ミッドナイトフリルは背地反応しないブラック体色系メダカの高級品種です。尾ビレに達するほど伸長する背ビレ・尻ビレの観賞価値が高く、3タイプ知られています。
マリアージュキッシングワイドフィンメダカ”エメラルドフィンタイプ”(エメキン)<改良メダカ解説>
エメキンはエメラルドに例えられる輝きを持つ、体外光系メダカの高級品種です。全身の強い光沢と、尾ビレに達するほど伸長する背ビレ・尻ビレの観賞価値が高く、見事です。
ネプチューンメダカ<改良メダカ解説>
ネプチューンメダカはギラギラと輝くラメにヒレ光を組み合わせた、青系メダカ屈指の高級品種です。特に頭部の青は際立ち、見る角度によってラメの色彩も変化します。
白メダカ<改良メダカ解説>
白メダカは白系改良メダカの中で最も基本的な品種です。真っ白な体色が際立ち、シンプルイズベストな品種といえるでしょう。ビオトープでも人気です。
サファイアメダカ<改良メダカ解説>
サファイアメダカは黒ラメ幹之から派生した、特徴的な青ラメが高い人気を誇る品種です。2020年に誕生し色ラメ系の先駆けとなった、青ラメ系品種の元祖です。
幹之メダカ<改良メダカ解説>
幹之メダカは背の光沢が特徴的なメダカです。改良メダカを代表する人気品種であり、メダカの品種の多様化に大きく貢献した「体外光」の表現を最初にもたらした品種です。
ヒメダカ<改良メダカ解説>
ヒメダカは全てのメダカの中で最も流通が多く入手しやすいメダカです。小学校理科の教材としてもおなじみかもしれません。基本品種ですが、深掘りして解説します。
黒メダカ<改良メダカ解説>
黒メダカは全てのメダカの中で最も基本的な品種です。野生のメダカと同じ体色をしており、自然度の高いビオトープ環境を再現したい場合には最適といえるでしょう。
オロチメダカ<改良メダカ解説>
オロチメダカは多くのメダカがいる中で、最も黒いとされているメダカです。全身を黒色素胞が覆い背馳反応が起こらないのが最大の特徴で、白容器での飼育が適します。
夜桜メダカ<改良メダカ解説>
夜桜メダカは淡いピンク色に引き締まった黒の体色を組み合わせ、ラメが散らばることにより表現される幻想的な美しさを持つメダカです
青メダカ<改良メダカ解説>
青メダカは青系改良メダカの中で最も基本的な品種です。青よりはグレーに近い色合いですが、青系品種の元を辿るとこの青メダカに行きつきます。ビオトープでも人気です。
龍の瞳メダカ<改良メダカ解説>
龍の瞳メダカは白地に紅い眼が美しいアルビノ体色に、体外光と松井ヒレ長によるロングフィンを持つ神秘的なメダカです。飼育・系統維持の難易度はやや高めです。
深海メダカ<改良メダカ解説>
深海メダカは体内に幻想的な深い青の発色を持つメダカです。幹之系メダカとしては例外的に、明るい白系の容器で飼育したほうが美しく仕上がります。
投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました