どうも、ほにゃらら sp.です。
このコーナーではアクアリウムの森羅万象、あらゆる関連製品・生体について、
コリドラス飼育目線
での、見解・感想なんかを紹介していきます。
第14回では、「プルス川」に分布するコリドラスについて焦点を当てたいと思います。
プルス川に住むコリドラス
プルス川に分布しているコリドラスのうち、チャームに入荷したことがある種は以下の通りです。
主な該当種
希少価値のあるラブレア産
プルス川の中でも、“ラブレア”と呼ばれる産地のものは色柄が整っている個体が多いとされており、人気の産地として知られます。
ラブレアはプルス川産熱帯魚の集積地としても知られています。
プルス川上流で捕獲された熱帯魚は一旦ラブレアに集められ、その後各地へと配送されるようです。
シュワルツィ似の種が多い!?
コリドラスは河川ごとにお互い擬態し合っていると考えられており、ここプルス川の場合ではシュワルツィに似た柄の種が多く見受けられます。
背ビレが白く染まり、頭部にはアイバンド、体側にはドット状の模様が入る点が共通します。
プルス川では、シュワルツィ系の柄が「イケてる」流行り柄なのかもしれません。ホワイトフィン×アイバンドの組み合わせが、きっとトレンドなのでしょう。
このような現象はミューラー型擬態と呼ばれ、近縁種全体で外敵から身を守る上で役に立っているようです。
ふつう近縁種内では共通して類似する表現を持つことが多いのですが、コリドラスの場合はこの柄が河川ごとに似た柄でまとまりやすい傾向が見られます。
シュワルツィをはじめとした背ビレの棘条が白いコリドラスは毒が強い傾向があります。
外敵から身を守る上で、それなりの強さの毒がプルス川では役に立つのでしょう。
憧れの大型種
プルス川に生息するコリドラスは大型種が多いです。
スーパーシュワルツィ、プルケール、ロブスタス、スーパーアークアタス、ナルキッススなど最大で10cmに迫るほどの大型種が数多く暮らしています。
プルス川の場合、ミルクコーヒーのように濁った流域が多く知られます。
背ビレが白く染まる理由や、大型化しやすい理由についてはよくわかっていません。
ただ、プルス川では背ビレが白かったり、体サイズが大きかったりすると、何かと都合が良いのかもしれませんね。
他の産地よりも、プルス川産はフィジカルの強さをウリにしていそうな感じがします。
大型で貫録のあるプルス川産コリドラス。
これらの種に魅せられ集めたくなってきたら、立派なコレクターの仲間入りですね。
最大で10cm近くまで成長するので、飼育の際は90cmクラスの大型水槽や、ディフューザーの取り付けが有効です。
大型になる分、ヒレも鋭く太くなります。
管理の際はうっかり刺さらないように気を付けて管理しましょう。
▼こちらも参考
独特?別種?プルスアガシジィ
プルス川から「アガシジィ」の名で入荷するコリドラスです。
比較的コンスタントな入荷が見られ、入手しやすいものの、謎の多い種です。
アガシジィによく似ていますが、地肌がやや白くややsp.“ホワイトフィン”にも寄った色形をしています。
特に吻部の形状は個性的で、先端がすぼんだ独特な形状になることが知られています。
アガシジィとの具体的な関係性は不明ですが、別種なのではないかとも考えられているようです。
▼こちらも参考
プルス川の水質
プルス川は泥や砂などが川の水に多く混じり、濁った色をしています。
水質を見るとpHは7前後、GHは4~8程度となるようです。
南米の河川にしてはpHはやや高めで、硬度も若干ありミネラル分を含んだ水質といえます。
この数字で、ピン!と来た方がいるかもしれません。
そう、プルス川の基本的な水質は、日本の水道水とあまり変わらないのです。
したがって、カルキ抜きで塩素を中和すればそのまま飼育できる種も多いです。
水質にあまり気を使う必要がないといわれる理由は、このためでしょう。
なおネグロ川のブラックウォーターと違って、プルス川のようなホワイトウォーターを再現しようとすると、濁ってしまって何も見えません。
したがって観賞を目的とした場合、ホワイトウォーターの再現を試みることはまずないでしょう。
ブラックウォーターは水質の調整もかねて再現されますが、ホワイトウォーターは日本の水道水とほぼ同じ水質のため、特別に再現されることもありません。
水質の観点では、ホワイトウォーター河川のコリドラスは最も日本の水道水と相性が良く、飼育しやすい種が多いといえるでしょう。
硬度が高すぎる場合
プルス川の水質は日本の水道水と大きく変わらないため、カルキ抜きだけでコリドラスにとって快適な水質を再現できることが多いでしょう。
しかし、GHが10を超えるような高すぎる地域の場合は、水質調整剤やRO水を用いて調整すると良い結果が得られるかもしれません。
プルス川産のコリドラスの調子が上がらない場合、下記を使って確認してみると良いかもしれません。
pH測定試薬
pHを低下させるアイテムを入れただけでは、実際にどのぐらいまで水質が変化したのかを目視することはできません。
目的の水質になっているかどうかを確認するためには、測定試薬が必要です。
これらのアイテムを投入することで、pHが目標値よりも高ければ追加投入が必要ということになります。
逆に下がりすぎてしまう場合は投入量を減らす必要が出てきます。
このような判断を行う上で、測定試薬は必須とも言えるでしょう。
RO浄水器
ここまで紹介したアイテムを投入すれば、多くの場合弱酸性の軟水に水質を調整できます。
しかし、水道水原水の硬度がもともと高い地域の場合、いくら調整剤を使用しても目標値まで下がりきらない場合があります。
このような場合には、RO浄水器を導入することで水道水原水の硬度を下げることができます。
高価な製品ですので安易な導入は難しいかもしれませんが、どうしてもうまくいかない時は導入を検討してみるのも良いでしょう。
▼こちらも参考
プルス川の底床
水質だけでなく、コリドラスにとって底砂は重要な項目の一つです。
プルス川の底砂に関する情報は多くありませんが、衛星画像で川岸を見る限りでは主に茶~赤茶色に近い色をしているものと思われます。
ラブレア近郊の衛星写真です。
川岸の砂に着目すると、主に茶色系統である様子が分かります。
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