ヒメダカ<改良メダカ解説>

メダカ
メダカ

どうも、ほにゃらら sp.です。

今回ご紹介するのはヒメダカ。

古くから観賞魚として流通しており、おそらく最も流通数の多い品種はこのヒメダカでしょう。
緋色のメダカ”ということでヒメダカと呼ばれています。

理科の実験でもおなじみで、小学校で育てたメダカは多くの場合このヒメダカだと思います。

優しく明るいオレンジの色彩が長年に渡って人気を博している、なじみ深いメダカです。

ヒメダカとは

基本情報
飼育しやすさ★★★★★
とても容易
入手しやすさ★★★★★
よく見かける
維持しやすさ★★★★★
とても簡単
最大体長3~4cm程度
適正水温5~28℃
作出年江戸時代頃?
表現系の構成要素黄体色

ヒメダカは観賞魚としては非常に歴史が古い魚です。
江戸時代以前から飼育されていたといわれており、メダカにおける最古の改良品種といえるでしょう。
一番最初に作出された、色付きのメダカです。

ヒメダカはさまざまな品種が存在するメダカの中で、流通量では最多です。
その目的も観賞用の他に大型魚のエサ用、科学実験用など幅広い用途で利用されています。

最も安価で入手しやすいメダカであるため、とりあえずメダカが欲しい!というときには真っ先に候補に挙がるでしょう。

その性質上どちらかといえば、睡蓮鉢やビオトープで親しまれることの多い品種でもあります。

ビオトープにベストマッチ!
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飼育のコツ

ヒメダカを上手に飼育するためには、次のポイントを意識すると良いでしょう。

観賞スタイル

上見、横見、どちらでも観賞が楽しめます。

品種はなんでもいいから、とにかくメダカを飼育してみたい!
という方にピッタリです。

昔懐かしのヒメダカ

容器

特に選びません。

改良メダカブームが訪れるより百年以上も前から存在している品種ですので、昨今の品種のような決まった見方はありません。

枠付きの水槽で飼育すると、小学校の理科で実験で飼育していたような、懐かしい雰囲気が味わえるかもしれませんね。

枠付き水槽でどことなく懐かしく
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アナカリスとヒメダカは、小学校理科の飼育実験で定番の組み合わせだと思います。

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エサ

餌に関しては特別な注意事項はありません。
一般的なメダカ用のエサでも大丈夫です。

ヒメダカをはじめとした黄~赤系のメダカは、色揚げ機能のあるエサを与えると、発色が濃くなります。

原材料や成分表に「アスタキサンチン」「カロチノイド」「スピルリナ」などの記載があれば、それが色揚げ機能に有効な成分です。

色揚げ系の餌が有効
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ヒメダカは本来の色のメダカではない

あまりに流通量が多いので勘違いしそうになりますが、メダカ本来の色彩を残しているのは黒メダカです。

▼黒メダカはこちら

ヒメダカのほうが黒メダカよりも入手しやすいため、小学校の理科の教材として登場する“メダカ”はヒメダカであることが多いでしょう。
教科書にもヒメダカが紹介されることが多いと思います。
このため、ヒメダカの方が自然な色だと思っている方もいるかもしれません。

ヒメダカは百年以上前に黒メダカから突然変異で生じた緋色の個体を選別交配し、品種として固定したものなのです。

赤系品種の元祖

ヒメダカは全ての黄~赤系品種の元祖といわれています。

鮮やかなオレンジ色で人気の「楊貴妃メダカ」はこのヒメダカからの派生系です。

楊貴妃メダカ

メダカにおいて黄色、オレンジ、朱赤と呼ばれる色彩は、全て同一の色素細胞により制御されています。
系統によって黄色みが強かったり赤みが強かったりするものがあり、これが各品種の色彩に現れます。

黄~赤系メダカのグラデーション
ヒメダカ
(黄)
楊貴妃メダカ
(オレンジ)
紅帝メダカ
(赤)

基本的には紅帝>楊貴妃>ヒメダカ の順で赤い発色が濃く表現されます。

ただし、前述のようにエサや飼育環境によるコントロールがある程度可能です。
色の濃い楊貴妃や、色の薄い紅帝などが見られることも少なくありません。

放流について

ヒメダカは古くからなじみ深いメダカですが、絶対に放流してはいけません。
自然を豊かにするつもりが逆に外来種として交雑の問題を引き起こすなど、目に見えない形で自然を破壊してしまう結果になり得ます。

時折野外でヒメダカが見つかることがありますが、これは誰かが放流した個体またはその子孫です。
野生のメダカが本来持つ遺伝子を攪乱しかねないので、ヒメダカが野外で見つかるのは好ましくない状況です。

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バリエーション

ヒメダカは最古の改良メダカです。

2000年代初頭まで、メダカといえば長らくの間このヒメダカと黒メダカの2品種が基本でした。
100年以上もの間この2品種が基本でしたが、2004年にこのヒメダカの派生系として「楊貴妃メダカ」が誕生したことにより転機が訪れます。

そこから、昨今のメダカブームへとつながっています。
ここではヒメダカ派生の基本形となるオレンジ系、朱赤系の2品種を紹介します。

楊貴妃メダカ

ヒメダカから突然変異的に生じた、オレンジの強い個体を固定化した品種です。

2004年に誕生した改良メダカブームの先駆けとなった品種であり、鮮やかなオレンジ色が美しく目を惹きます。
今もなお、改良メダカの基本品種として人気を博しています。

昨今知られるさまざまな朱赤系品種は、多くがこの楊貴妃の派生系として誕生しています。
そしてこの楊貴妃は、ヒメダカから誕生したのです。

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紅帝メダカ

楊貴妃をベースに、さらに赤い発色を強化した品種です。

この発色を仕上げるには飼育環境が重要で、青水や与えるエサもその発色に強く影響を与えます。

色揚げ用のエサを与えてきちんと仕上げると、見違えるような赤い発色を示すようです。

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体外光と相性が悪い?

ヒメダカをはじめとした黄~赤系のメダカは、「体外光」系の形質を導入しにくいといわれています。

これは黄~赤系の発色に関与する遺伝子が、体外光の発現を阻害している可能性が推測されます。
単純に掛け合わせて累代しても、黄~赤系の発色を持つ個体にはどうしても体外光系の表現が現れにくいようです。

紅帝ラメメダカ
幹之メダカ(スーパー強光)

ラメ系は辛うじて乗るようで、近年ではいくらか黄~朱赤系体色とラメを組み合わせた個体がちらほら見られます。

しかし、スーパー強光や鉄仮面ほどの強い体外光と組み合わせるのは、現時点ではまだ難しいようです。


活き餌としても使われる

大型魚や肉食性の生体に与える活き餌としても非常によく使われます。

「餌用メダカ」として販売されるメダカは、ほとんどの場合ヒメダカです。
つまり同じ品種です。

活き餌としては定番
レッド・スネークヘッド
ウーパールーパー

スネークヘッドや親サイズのウーパールーパーに与える活き餌としては定番です。
メダカが口に入るサイズで、魚食性の強い生体に与えるエサとしては第一候補になるでしょう。

エサ用として販売されている個体はエサとして与え切ることを前提としているため、必要最低限のトリートメントしかされていません。

飼育を目的とする場合は、飼育用に販売されているヒメダカを購入しましょう。


ヒメダカ まとめ

ヒメダカ。

改良メダカとしては最も歴史が古く、なじみ深いメダカです。
理科の教材としてもおなじみのメダカは、このヒメダカであることが多いでしょう。

最も安価で入手しやすいことが多いメダカですので、とにかくメダカが飼いたい!という人にもピッタリです。

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投稿者
ほにゃらら sp.

福島県産のワイルド個体。
ロカリティの詳細は残念ながら記録がない模様。
アクアリウム歴はだいたい20年くらい。
「同属内で多様なバリエーション」が好き。若干コレクター気味。
つまりコリドラスや、ミクロソリウムが最高。ということですね。

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